2019.4.8
資産承継への道

超高齢化社会の資産防衛の方法 その①

(写真=ESB Professional/Shutterstock.com)
(写真=ESB Professional/Shutterstock.com)

高齢者人口の推移

厚労省が発表した最新データ「平成29年簡易生命表」によると、60歳の平均余命(平均寿命はその年の0歳が何年生きるかを表したもので、平均余命はその年の各年齢の人があと何年生きるかを表す)は男性83.72歳、女性88.97歳でした。年々高齢化は進んでいき、今後は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になっていきます。

平均寿命と健康寿命

また、注目すべき数字として健康寿命があります。同じく厚労省が発表した「健康日本21」というレポートによると、男性の健康寿命は71.19歳、女性は74.21歳です。

平均寿命と健康寿命との差は、男性が12.53年、女性が14.76年です。この期間が、病院通いや介護サービスを受ける期間ということになります。

ただし、これはアンケートで「健康でないと感じている」と回答した人の平均年齢であり、すべてが介護状態というわけではありません。自立生活が困難である要介護2以上の場合は男性が1.5年、女性が3年と言われています。

認知症の現状

また、心配なのが認知症です。認知症は加齢で脳の働きが悪くなる病気であり、生活に支障がある状態が6ヵ月以上続くことを言います。認知症の症状には、「中核症状」と「行動・心理症状」があります。

中核症状とは、記憶力・理解力・判断力の低下、計画や順序だった行動が困難になる実行機能障害、時間や場所、人などの判断がつかなくなる見当識障害があります。

行動・心理症状には、徘徊や妄想、幻覚、暴力行為、不潔行為、人格変化、抑うつ、意識障害の一種であるせん妄などがあり、家族など周囲の人を大いに悩ます行動が本人の自覚なく行われます。また、身体には何の変化もないのに、自力で生活することができなくなっていくこともあります。

認知症の原因は、アルツハイマー型が全体の7割近くを占めます。アルツハイマーは、脳内の異常なたんぱく質によって神経細胞が破壊され、脳に萎縮が起こります。

では、認知症か否かは、どのように判断すればいいのでしょうか。

日本老齢医学会は、いくつかの判断方法を定めています。実際の医療現場では、長谷川式認知症スケールか、ミニ・メンタルステート試験が使われることが多いようです。

ところで、現在日本にはどのくらいの認知症患者がいるのでしょうか。少し古い2012年のデータですが、462万人で、65歳以上の人口に占める割合は15%でした。これが2025年になると、何と750万人、同割合が約20%になると予想されています。

認知症になった時のお金の管理

現在、日本では核家族化が進行しており、父母と同居する子供の数も減少していることで、いわゆる「お一人様世帯」が増えています。1980年は三世帯同居家族が最も多く、「お一人様」は男性が約19万人、女性が約69万人でしたが、2016年版高齢社会白書によると、2015年は男性が約192万人、女性が約400万人にまで増えています。

高齢化が進むと、一人で生活することが難しい人が増えます。そのため政府は介護保険制度を導入し、生活支援費用の一部を負担する仕組みを作りました。これによって介護施設や高齢者住宅への入居者が増えていますが、急速に進む高齢化社会では、リーズナブルな費用で利用できる施設が不足しているのが現状です。

老後の生活を支えるお金の管理についても様々な問題が発生します。老後の収入は投資などをしていない限り基本的に公的年金や私的年金に限られますが、生活費や医療費、介護施設の入居料・利用料などの支出が発生します。基本的には貯金を取り崩すことになるので、お金の管理がとても重要になります。

また、認知症と診断された場合、本人の財産は子どもであっても出し入れできなくなります。認知症になった親を施設に入れるために、親の貯金を子どもが引き出すことはできないのです。その場合に利用できる代表的な制度が「任意後見人制度」と「民事信託(家族信託)」です。

次のコラムで、詳しく見ていきましょう。

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