2019.9.24
資産承継への道

土地をもらうとお金がかかる?贈与税の計算方法を要チェック

(画像=smolaw/Shutterstock.com)
(画像=smolaw/Shutterstock.com)
土地の贈与を受ける場合には贈与税や諸費用がかかりますが、贈与される土地の金額が大きくなると、贈与のときに必要となるお金も高額となる場合があります。贈与してから後悔しないためにも、土地の生前贈与を受けた場合にかかる諸費用や、贈与税の計算方法を知っておきましょう。

土地の贈与を受けるときに必要となるお金

相続税の節税対策として、土地を生前贈与しておこうと考える方もいるでしょう。確かに生前贈与によって相続財産が減るため相続税が少なくなります。しかし土地の贈与を受ける場合には、以下のような諸費用も発生することを理解しておく必要があるでしょう。

不動産取得税(地方税)

相続の場合は非課税ですが、生前贈与された場合は以下の計算式で課税されます。
 
土地・建物の税額=固定資産税評価額×4.0%(本則税率、2021年3月31日までは土地および住宅3.0%への特例税率あり。同じく2021年3月31日までは宅地=固定資産評価額の2分の1を課税価格とする特例措置あり)

登録免許税(国税)

土地の所有権を移転登記するときに国に納める税金で計算式は以下の通りとなります。
 
登録免許税額=不動産の評価額×2.0%(本則税率、2019年3月31日までの登記の場合1.5%への特例税率あり)

その他

専門家に手続きを依頼する場合には、報酬の支払いが発生します。法務局への不動産名義変更手続きは司法書士、税務署への贈与税申告手続きは税理士など、依頼する相手によって異なりますが、5~15万円程度が相場といわれています。

それぞれにかかる費用の具体的な計算例      

実際にかかる諸費用の目安を簡単にシミュレーションすると以下のようになります。参考にしてください。(例:固定資産税評価額は土地3,000万円、住宅500万円とする。特例税率は考えない)
 
種類 計算式と金額
不動産取得税 (3,000万円+500万円)×0.04 =140万円
登録免許税 (3,000万円+500万円)×0.02 = 70万円
専門家への手続き依頼費用 司法書士15万円+税理士15万円= 30万円
合計 240万円

土地を生前贈与した場合にかかる贈与税の計算方法

そして諸費用より大きいのが贈与税の支払いです。非課税にする方法もありますが、ここでは課税された場合の計算方法を紹介します。

贈与税の計算方法は「一般贈与財産」と「特例贈与財産」の2つに区分されます。一般贈与財産とは特例贈与財産の要件を満たさない贈与財産のことです。一般贈与財産には基礎控除後の課税価格が300万円以下を除き、特例贈与財産よりも高い一般税率が適用されます。特例贈与財産は、贈る人が父母、祖父母、曾祖父母で、贈られる人が贈与を受けた年の1月1日現在で20歳以上の直系卑属である場合に適用されます。
一般的に贈与税には1年間にもらった財産の合計額から、基礎控除額110万円を差し引いた金額をもとに税率を計算します。

一般贈与財産

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
 200万円以下 10%   0円
 300万円以下 15% 10万円
 400万円以下 20% 25万円
 600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円 超 55% 400万円

特例贈与財産

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
 200万円以下 10%   0円
 400万円以下 15% 10万円
 600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円 超 55% 640万円

「一般贈与財産」と「特例贈与財産」の両方の計算が必要な場合もあります。例えば、20歳以上の方が配偶者と自分の両親の両方から贈与を受けた場合などです。

贈与税の計算例

例えば、父母から子に2,000万円の土地を贈与する場合は、特例贈与財産となり税率が45%、控除額が265万円ですので計算は以下の通りとなります。

2,000万円-110万円(基礎控除)×0.45-265万円=585万5,000円

2,000万円の土地を受け継ぐために585万5,000円もの税金を納付するのは、かなり大きな負担です。贈与税は現金による一括納税が原則ですので、分割はできません。

そこでどうしても納税額を用意できない場合に利用できる「延納」についても確認しておきましょう。

贈与税の「延納」の条件について

贈与税を払えない事情のある人には「延納」の措置が用意されています。ただし、どのようなケースでも延納できるわけではなく、次のような条件が必要です。

贈与税の額が10万円以上であること

現金で納付するのが困難な範囲の金額であること

例えば、上記の計算例の場合、受け継いだ財産が土地のみですので、相続した現金ではなく自己資金から納税することになります。自分の預貯金から200万円用意できる場合に延納できる金額は以下の通りです。

延納額=550万5,000円-200万円=350万5,000円

「延納申請書」「担保提供関係書類」を期限までに提出すること

用紙は国税庁のホームページからダウンロードできます。

延納額に相当する担保を提供すること

延納しても払えない場合もあるため担保は必要です。土地を担保にする方が多いようですが、担保に供した土地には抵当権が設定されるため、売買できなくなります。

ただし延納税額が100万円以下で延納期間が3年以下の場合は担保不要です。
また延納は国から借金をすることになるので、当然ですが利息がかかります。

延納期間及び延滞税            

【延納期間】
贈与税の延納期間は国税庁により定められており「5年の範囲内で適当と認められる期間」となっています。

【延滞税】
延滞税の税率は、納税までの期間によって異なります。
<例>
・本来の納付期限の翌日から贈与税を納付した日までの期間が2カ月以内:年2.6%
・本来の納付期限の翌日から贈与税を納付した日までの期間が2カ月以降:年8.9%

※上記は平成30年1月1日から令和元年12月31日までの期間。これ以外の期間は割合が異なります。詳細は国税庁のHPで確認してください。

今から考えたい贈与税のこと

親や祖父母の大切な土地を受け継ぐのは子や孫の責任でもありますが、贈与税の大きさという現実を考えると、やはりできる限り節税して負担の少ない贈与を実現したいものです。

贈与税節税の方法として
・毎年110万円以内の生前贈与非課税枠を使う
・教育資金贈与制度などの非課税制度を活用する
などがあります。ただしどの方法も、有利になる場合もあれば、かえって不利になる場合もあります。いずれにしても贈与税対策は、早いうちから準備をしておきましょう。

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