2019.12.3
資産承継への道

夫婦間のオーナーチェンジで、相続税と配偶者控除はどうなるのか

(画像=inheritance/detail/id=660)
(画像=inheritance/detail/id=660)
夫婦間で不動産物件を相続する場合、相続税はどうなるのでしょうか。意外と金額が大きい相続税の「配偶者控除」は、ケースによっては生前贈与よりも相続税が少なくなることもあります。有利に生かすことができます。そこでここでは夫婦間のオーナーチェンジで相続税と配偶者控除がどうなるのかについて解説します。

目次:

夫婦間でオーナーチェンジする3つのケースとは

はじめに、夫婦間でオーナーがチェンジするのは、どのようなケースがあるのかを、整理しておきましょう。

・夫が亡くなったので、夫名義の自宅を妻の名義に変更する一般的な相続のケース
・夫名義のアパートやマンションを相続税対策として妻に生前贈与するケース
・離婚により、夫名義の土地・建物を妻に財産分与したり、夫婦共有のアパートやマンションの妻(夫)持ち分を夫(妻)名義に変更したりするケース

離婚のケースは特殊としても普通の夫婦間では夫名義のオーナー物件が多いでしょう。「妻が相続により引き継ぐか」「生前贈与するか」はよく話し合っておく必要があります。

夫婦間で物件を相続すると、相続税はどうなる?

夫婦間でオーナーチェンジがあった場合、相続税はどうなるのでしょうか。夫婦間のオーナーチェンジで生前贈与するケースがあります。これは婚姻期間が20年を超える夫婦の間で「居住用不動産」または「居住用不動産を取得するための金銭」の贈与があった場合に非課税制度を使えるためです。具体的には贈与税基礎控除110万円のほかに、最高2,000万円まで非課税になる「おしどり贈与」と呼ばれる制度を利用できます。

しかしこの制度は20年以上の婚姻期間のほかにも細かい条件があるため、適用されない場合は相続税の支払いを選択することになります。相続税には配偶者に対する多額の税額軽減措置が用意されていますが、限度額と計算方法についても確認しておきましょう。

配偶者の税額軽減の非課税金額と注意すべきポイント

配偶者の税額軽減を利用すると1億6,000万円または、配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額まで相続税がかかりません。配偶者の税額軽減の限度額を超えた場合については、配偶者の法定相続分相当額の金額によって変わります。例えば相続不動産が2億円で、配偶者の法定相続分相当額が半分の1億円だった場合は、2億円-1億6,000万円=4,000万円が課税額です。

【例】
相続不動産:      2億円
配偶者控除額:-1億6,000万円
相続税課税額:   4,000万円

もし、法定相続人が配偶者のみであれば2億円すべてが引かれますので非課税となります。他の相続人に比べ控除額が厚遇されている配偶者ですが、その理由は夫婦間の財産はお互いの協力によって築いたものであり、もともと贈与にはそぐわないことです。そのため基礎控除だけで1億6,000万円の枠が用意されています。

よほどの豪邸か億ションでない限り、3,000万~5,000万円程度の一般的な不動産であれば、ほとんどのケースが非課税になると考えてよいでしょう。実際、国税庁のホームページによると2016年度の相続税課税割合はわずか8.1%にしかすぎません。そう考えると夫婦間のオーナーチェンジではあえて、生前贈与するメリットは少ないといえます。

注意しなければいけないポイントは、配偶者が高齢の場合です。夫婦間の相続では非課税であったとしても、例えば高齢の妻が亡くなり、子どもが相続すれば、もう配偶者控除は使えませんので、多額の相続税が発生する恐れがあります。さらに相続に不動産が含まれている場合は、すぐに移転登記の必要が生じ、登記費用がかかってしまうのです。

これを「二次相続」といいます。したがって妻が高齢であれば、配偶者控除を利用せず、共同相続人の子どもに直接相続させたほうが有利な場合があるのです。不動産オーナーにとって物件を誰に相続してもらうかは大きな課題といえます。相続物件の価格や共同相続人の数、配偶者の年齢などさまざまな要因を加味して、少しでも有利な相続の方法を選択するのが望ましいといえるでしょう。


>>【無料eBook】費用0円ですぐに効果が出る賃貸経営の収入を増やす方法

 

【オススメ記事】
繁忙期を満室で乗り切るための人気設備10選(2019年度版)
競合物件に差をつける!入居者募集にホームステージングを活用しよう
低コストリフォームのススメ。コスパよく見栄えがよいリフォームとは
アパート、戸建て賃貸にも設置したい宅配ボックスの最新事情
オーナーにとっての強い味方!そもそも保証会社とは?

PREV 不動産相続税の計算と節税方法をチェックしよう!