2019.2.28
資産運用の基礎

収支シミュレーションってみんなどうしている?

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
マンションの賃貸経営をおこなう際に欠かせない「収支シミュレーション」。
想定キャッシュフローがマイナスの物件を購入してしまうと「投資」にならないため、きちんとキャッシュフローをシミュレーションしてから投資をすることが大切です。

ここで言う想定キャッシュフローとは「確定申告による還付金」を含んだ金額のこと。
みなさんは、ここまで考えてシミュレーションできていますか?

そこで今回は、マンション投資を実際に行う筆者が、収支シミュレーションについてご紹介します。

収支シミュレーションのやり方

(写真=123rf)
 

~不動産投資スタート後の支出~

・毎月の収入:家賃収入
・毎月の支出:ローン返済・管理費・サブリース保証料(※必要な人のみ)・臨時の修繕費・消耗品の交換費など

※サブリース保証料とは、空室時にも常に家賃が入るよう管理会社に支払う任意の費用。請け負う会社にもよるが、おおむね家賃の5~10%程度。

毎月の運営において、「家賃収入>ローン返済+管理費ほか」という計算式が成り立てば、キャッシュフローはプラスとなり、良いシミュレーションとなります。

とはいえ、毎月の収支がプラスになるかマイナスになるかは、ローンをどの程度組むかによって大きく変わります。
頭金をあまり用意せず、投資物件の価格の大半をローンで買うと返済額が収入を上回り、月額で数千円~数万円の赤字が発生する可能性があります。

これをどこまで許容できるかは投資者次第です。しかし、筆者はこの赤字が多くてもいいと考えています。

なぜなら、確定申告をすることで「家賃収入+還付金(所得税+住民税)>ローン返済+管理費+その他」となり、毎月赤字でも、年間トータルで最終的にキャッシュフローをプラスに持っていければよいからです。

筆者自身が長年の不動産投資の中で感じる「不動産投資の本質」は、「家賃収入>ローン返済+管理費ほか」による長期にわたる資産形成と、「家賃収入+還付金(所得税+住民税)>ローン返済+管理費+その他」の不動産投資で得られる節税効果・還付金の2点にあります。
とくにサラリーマン投資家にとって重要なのは後者で、これを実現するために「確定申告」が必要不可欠です。

投資初心者はココに気を付けよう!

(写真=123rf)
 

・確定申告を最大限活用

確定申告とは、一体なにを確定するものなのでしょう?
簡単に言うと、確定するものは「税金」。
所得税や、住民税を確定させるための申告となります。

サラリーマン・公務員・団体職員らは、「給与所得者」であるため、それぞれが所属する会社・組織が年末調整を行うことで所得税額が確定します。
一方で、個人の所得にはいくつか種類があり、不動産投資によって家賃収入を得るものは「不動産所得」となります。

ここで重要になるのが、税金の世界では「収入≠所得」となることです。
言葉としては両者とも同じように響きますが、これはまったくの別物。
なぜなら、下記の計算式が成り立つからです。

「所得 = 収入−その収入を得るためにかかった必要経費や所定の控除額」

・不動産投資の収支シミュレーションをするうえで大切なのはココ

必要経費が積み上がり、家賃収入を上回ったら、不動産所得がマイナス(赤字)となります。
つまり、確定申告時に給与所得(必ずプラス)と相殺することで、給与収入・賞与から源泉徴収されている所得税を後で取り返すことができるのです。
これにより、結果として年間収支をプラスにすることができます。

では、必要経費にはどのようなものがあるのでしょう?

・必要経費を理解する
必要経費には、さまざまな項目が挙げられます。

<通信費>
管理会社と連絡する際の通話料、ネットで物件検索するなどの通信費があります。
プライベートでの利用とは区分けを行う必要があります。
費用の5~6割程度と申請している人もいます。

<旅費>
遠方の投資物件であれば、物件の定期視察のために支払った新幹線・飛行機代が該当します。

<交際費>
管理組合や業者との打合せ時にかかる会食費や喫茶代、また、ご挨拶のための手土産代などが該当します。

<図書資料費>
不動産産業界の動向・情報を得るために購読している新聞などの費用。
また、不動産事業の関係で購入した書籍が含まれます。

<消耗品費>
物件撮影のためのデジカメや物件検索、確定申告するためのPC購入代。
申告書を印刷するためのプリンターなどは消耗品として計上します。

<借入金利息>
毎月のローン返済分のうち、利息に相当する部分。月々のローン返済額の内訳は元本+利息で構成されており、経費として計上できるのは利息部分のみです。

<減価償却費>
建物の構造や用途によって決められている耐用年数に応じて、建築費について毎年減った分の価値を計上して償却する費用です。

代表的なものだけでも、これだけの経費項目が挙げられます。
そして、勘がいい方ならこれらの経費を見て、以下のような疑問が思い浮かぶはずです。

・不動産投資用に購入したPCは、他のことにも使用することもあるかも……。
・物件撮影のために購入したデジカメも保有物件以外のモノを撮影する機会もあるかも……。

確かに、不動産投資の収入を得るための必要経費は、プライベートでも使用できるものも含まれてくるので、それをどこで線引きするか、という問題が挙がります。
この問題は使用頻度に応じて、個人・仕事用と分けることとなります。

きわめてグレーゾーンではありますが、このような「間接経費」を上手に活用している投資家がいるのもまた事実です。
そのため、確定申告にあたっては、なにをどのくらい必要経費として計上したら良いかについて、税理士に相談しながら都度考えていくのが賢明かもしれません。

減価償却費を必ず理解する
上記の中でもっとも重要な経費が「減価償却費」です。
減価償却費を理解するためには、相当の時間を必要とするため、概略での説明となってしまいますが、さしあたって次のポイントを押さえておきましょう。

1.減価償却費はキャッシュアウトを伴わない経費
2.ほぼすべての不動産は「土地+建物」から成り立ちますが、減価償却費が発生するのは「建物」部分についてのみです
3.その「建物」については、さらに「躯体」部分と「設備」部分に区分けされます

上記の1については、首を傾げる方も多いかもしれません。“費用”と言うのになぜ、現金支出を伴わないのでしょう?
具体的な事例を交えて解説すると、次のようになります。

(例)3,000万円の投資マンションを購入する場合
最初に頭金+金融機関からの借り入れにより売主に3,000万円「全額」を支払います
その3,000万円のうち、土地に該当する部分:1,400万円、建物該当部分:1,600万円とします
建物1,600万円のうち、躯体部分:1,000万円、設備部分:600万円とします

この場合、躯体部分は47年間、設備部分については15年に分けて、毎年費用化することができます。
ただし、物件の総額3,000万円は購入当初に売主に対して支払い済であるため、毎年の確定申告時に費用計上する減価償却費については、キャッシュアウトを伴わないというわけです。

▼躯体部分:1,000万円÷47年間≒212,700円
▼設備部分:600万円÷15年間=400,000円

つまり、合計で612,700円もの経費を積んでいけることとなるのです。
ただこれだけ積めるのは最初の15年間のみで、16年目以降は躯体部分:212,700円部分の償却費のみとなります。

3,000万円クラスの物件だと想定家賃は(立地にも依りますが)月6~8万円程度。
仮に8万円と想定した場合、年間の家賃収入は96万円。
不動産所得における費用として、償却費612,700円は大きなインパクトがあります。

まとめ

(写真=PIXTA)

世の中にはたくさんの投資があります。
投資対策としては、株式、債券、FX、仮想通貨……数えあげればキリがありません。

しかし、他の投資と不動産投資が決定的に違うのは、金融機関からの融資を受けて投資ができる点です。
「株式投資やFX投資をしたいからお金を貸して欲しい……」と申し出たとしても、不動産投資と同程度の金利で融資をしてくれる金融機関は、常識的にはありませんよね。

しかし、不動産投資であれば貸してくれるのです。
「不動産投資ローン・投資用マンションローン」という金融商品があるのが、なによりの証拠。不動産には「担保価値」があるため、その価値に対して、一定の利率で融資を受けることができるのです。

収支シミュレーションについて考える上で、長期にわたりコツコツと経費計上できる減価償却費への理解は必要不可欠です。
減価償却費こそ不動産投資の収支シミュレーション・確定申告における「真髄」と言っても過言ではありません。

物件に応じて、その都度正しい収支シミュレーションを行いましょう。

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