2019.2.28
未来の賃貸経営

賢いコスト感覚で優先的に入居者付けを!広告費(AD)の使い方

(画像=MaximP / Shutterstock.com)
(画像=MaximP / Shutterstock.com)
オーナーが抱える不動産投資の大きなリスクとして空室リスクが挙げられます。空室が続くと、家賃収入がない代わりに、ローンの返済や物件の管理費などのコストが圧し掛かってしまいます。そこで今回は、空室対策の一つとして、入居者募集に効果のある広告費(AD)について解説します。

入居者募集の際に使う広告費(AD)とは

物件募集の優先順位を上げてもらうために、仲介業者に別途支払う「広告費」のことをAD(Advertisement)と呼びます。
一般的に入居者は、入居が決まると仲介業者に手数料や敷金、礼金、火災保険料などを支払いますが、オーナーは、成約時に仲介業者にADを支払います。

ADは全ての仲介業務で発生するわけではありませんが、「入居が決まればADを支払う」という追加的な条件を付けることで、仲介業者に対して、物件募集の優先順位を上げてもらうことができます。

ADが多いエリアは賃貸需要が弱い

ADは、物件資料に「AD1」というように表記されています。例えば「AD1」の場合は、オーナーが入居者を決めてくれた仲介業者に対して、家賃1ヵ月分を支払うことを意味します。

ADはオーナーにとってはコストになるので、ADを出さずに入居者が付くのであればそれに越したことはありません。また、仲介業者にしても当該エリアに空室物件が少なく、紹介できる物件が限られていれば、ADがなくても入居希望者にその物件を紹介することでしょう。

つまり、ADを多く出さないと入居者が付きづらいエリアは、賃貸需要が弱いという一つのバロメータになります。

ADを多く出して空室が解消されるなら「賢い投資」

オーナーにとって空室期間は機会損失です。融資を組んでいる場合、空室期間も当然、返済は発生します。空室によって家賃収入を得られない場合、オーナー自ら返済金を別途捻出することになります。長期での空室が続くことは非常に苦しいものです。

また、仲介業者は成約が決まって初めて手数料を受け取るビジネスですので、いくら物件を紹介しても、成約しなければ利益は全く発生しません。このような報酬体系から、仲介業者は1件当たりの成約によって得られる利益が高い物件ほど、優先して入居者に紹介する傾向があります。従って、他のオーナーより多くのAD支払い額を提示することで空室期間が短縮できるのであれば、それはオーナーにとって賢い投資といえるでしょう。

ADを使って短期間で入居者が付く場合と、使わずに長期間入居者が付かない場合の収支を試算し、バランスを取りながらADを活用することが、賢い投資を行うポイントになります。

エリアの需給を見定めて、賢くADを使うことが重要

ADを賢く使うには、そのエリアの需要と供給のバランスを見定めて戦略を練ることが必要になります。一般的に賃借人が退去してから、原状回復工事の期間や募集準備などの期間が発生するため、少なくとも数週間~1、2ヵ月くらいは空室になることもあるでしょう。

入居者を募集する準備が整ってから一定期間が経過しても反応が薄いようでしたら、そのエリアの平均的なAD支払い額を仲介業者に提示してみましょう。空室の要因がそもそも物件への内見数が少ないのか、内見はあっても何らかの理由で成約しないのかを見定める必要があります。内見があっても成約しない場合は、物件そのものが競合物件と比較して、家賃設定や設備などで劣後している可能性があります。逆に、内見数自体が少ない場合はADの支払いを提示することで改善する可能性があります。

物件が所在するエリアの賃貸需要が芳しくないと分かっている場合は、空室期間が長期化しないうちにADを使い、内見数を増やすことで、入居者付けに繋げることができます。

また、ADの金額も考慮が必要です。ADの金額によって仲介業者の募集の仕方が変わってくる可能性があるからです。仲介業者はADが入ってくることで、賃借人の仲介手数料を半額にしたり、ADを家賃の差額分に充てたりすることで、賃借人が付きやすい条件にして募集ができるようになります。仲介業者がどういう形で募集するのかも相談しながらADの金額を決めることが大切です。

ADを必要なコストと捉えて活用する

ADを使うと一見収支が悪化するように思えますが、空室期間が長期化する場合は必要なコスト感覚で入居者を付ける重要な手段になります。ADが賢い投資になるように、ADを使う場合はエリアの賃貸需要を見定めて使うようにしましょう。
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