2019.2.28
未来の賃貸経営

収入は減少しているのに、税金が増加?押さえておきたいデットクロスとは?

(画像=ImageFlow / Shutterstock.com)
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不動産投資をする場合に気を付けたいのがデットクロス(Debt Cross)という現象です。不動産投資では実際の現金収支と税務上の収支が必ずしも一致しないケースがあるため、実際の現金収支以上に税務上の利益がでることがあります。その分、所得税、住民税などが加算され、税引き後キャッシュフローがマイナスになることがあるのです。今回はデッドクロスとその対策について解説します。

デットクロスの仕組みとは

不動産投資における特徴的な仕組みが「減価償却費」とローン返済の「元金部分」です。
減価償却費とは機械や設備、自動車、パソコンなど、数年に亘って使用する資産を購入した際に、購入した年度単年で経費計上するのではなく、税法によって定められた償却期間に案分して経費計上する仕組みです。

不動産投資に当てはめると建物や設備(エレベーターや外構など)が減価償却の対象になります。建物については躯体により償却期間が定められており、木造22年、鉄骨造34年、RC造(鉄筋コンクリート)47年と定められています。たとえば、建物が新築RC造で購入価格が5,000万円である場合、5,000万円を47年で割った金額を毎年、経費として計上することになります。
減価償却費は実際には現金支出はありませんが、経理上、経費計上することで、税務上の利益を圧縮する効果が見込めます。

次にローンの返済ですが、返済は「元金」部分と「利息」部分に分かれます。毎月の返済額も実際は元金と利息に分かれており、経費として計上できるのは「利息」部分のみとなります。

特に元利均等返済の場合は、時間が経つにつれて、経費となる「利息」が減少し、経費にならない「元金」の返済額が増えてきます。すなわち、どこかの時点で、経費差し引き後の帳簿上の利益が増加(所得税が増加)する一方で、実際の現金支出が増えてくるという現象が発生します。それをデットクロスと呼びます。

どのようなケースでデットクロスになるのか

減価償却の償却期間が切れ、ローンの返済が完了していないケースではデットクロスに陥ります。特に償却期間の短い築古の物件を比較的長期の融資期間で購入すると顕著にこの傾向が高まります。築古の物件購入を検討する際は、その分、高い投資利回り(安い価格)で購入することが重要です。
また、建物だけでなく、償却期間が短い設備部分の償却期間が過ぎてしまったケースでもこのような現象が発生する可能性があります。

デットクロスへの対策はどのようにすれば良いか

デットクロスは、経費が減り、帳簿上の利益が上がってしまった結果、所得税が増え、さらに現金支出が発生している状態ですので、現金の支出を減らすか、経費計上できる額を増やすことで対処します。

具体的には、繰り上げ返済や金利交渉、ローンのリスケジュール、新たな償却資産の購入などがあります。それぞれ見てみましょう。

ローンの繰り上げ返済により、残債の元金部分が減らせる上、毎月の返済額を減らすことができます。返済額を減らして月々の収支を良くする効果があります。

また、借り換えは金融機関への相談となりますが、金利が低下すれば、毎月の支払額が減少しますので、収支は改善します。

融資のリスケジュールは返済期間を延ばし、毎月の返済額を減らすことで、支出を減らす効果があります。

新たに物件や設備を購入し、減価償却費を増やすことも考えられます。

デットクロスが発生する時期は、自己資金やローンの内容に応じ、シミュレーションによって確認することができますので、対応策も含めて検討されてはいかがでしょうか。

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