2019.2.28
未来の賃貸経営

入居者が孤独死した場合…こんな時大家さんはどうすればいいの?

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
入居者が孤独死したり、自殺してしまったりすることは、大家さんにとって大きなリスクです。
対処の手順や対応策を間違えると、次の入居者が決まらないだけでなく、近隣の住人も退去してしまい収益を圧迫してしまう可能性があります。

そうならないためにも孤独死が起きた場合に大家さんがやるべきこと、守るべきことをお伝えします。

1.管理物件で事故が発生したらどうすればいいの?

管理物件で孤独死や自殺などの事故が起こった時の流れを最初に知っておきましょう。
まず重要なのは室内に立ち入るときは警察に立ち会ってもらうということです。
大家さんや管理会社が単独で入室すると、第一発見者として取り調べを受けなければならない場合があります。

①隣室や近所の方から異臭やハエの大量発生などの異常が報告される

遺体は時間が経ってから発見されることも少なくありません。
普段近隣住民と交流がない入居者の場合はなおさらです。
異臭やハエなどの異常発生の通報があれば、すぐに大家さんや管理会社は室内を確認するようにしましょう。

まずは、身内の方に連絡し、家族が駆けつけられない場合は、単独で入室するのではなく、警察に立ち会ってもらい室内の確認を行いましょう。

②遺体が発見される

遺体が室内で発見されると、まずは警察の鑑識が来て事件性の有無を確認します。
その後、遺体は警察の霊安室等へ搬送され、遺体の身元確認が終わったら、室内の片付けを行います。
遺体が長期間放置されていれば、当然室内の傷みが激しく、通常の退去清掃では到底足りません。

具体的に行うべきことは、腐敗体液や汚物撤去、害虫駆除、消毒消臭などです。
いずれも通常の作業とは異なるため費用は高めとなります。

③遺族と原状回復や損害賠償についての協議と精算

遺族と、今後の対応について話し合いを行います。
遺族に原状回復を依頼し、損害賠償などについての協議も合わせて行います。
原状回復が終わったら。遺族または連帯保証人に対し退去時の精算を行います。
無事精算が終われば終了です。

2.事故が発生したときの注意点

(写真=PIXTA)

次に、事故が起きた時に注意すべきポイントをお伝えします。
これらを怠ると大家さんは次の客付けに苦労したり、いつまでも遺族との話し合いが終わらなかったりと、賃貸経営に支障をきたしてしまいます。

遺族への連絡は慎重に行う

事故が発生した際に大家さんにとっての最大のリスクは、損害を請求する相手がいなくなることでしょう。
そのために遺族に対しての初期対応が大切になってきます。

予め遺族に高額な請求が発生する可能性を遺族に伝えたところ、相続放棄されてしまい、管理会社や大家さんが損害を被ることになってしまった、というケースは少なくありません。相続放棄されてしまうと、遺品の処分等も一時的にできなくなり、部屋を片付けることさえも出来なくなってしまいます。

最初の連絡の際に原状回復の費用に触れる、遺族を責める、しつこく電話をかけるなどの行為は極力避け、遺族の心中も察しながら接することが大切となってきます。

3.トラブルの対処法

(写真=PIXTA)

賃貸経営者としては、トラブルは極力避けたいものです。
未然に防げるように以下のことを覚えておきましょう。

①契約者が死亡したからといって賃貸契約は解除にならない

契約者が死亡すると、賃貸借契約は契約者の「法定相続人」に相続されます。
契約を解除するためには相続人から解約通知書面をもらわなくてはなりません。

注意してもらいたいのは、法定相続人は1人ではないケースが多いということです。
子どもが複数いる場合はすべての人の同意が必要で、署名捺印をもらう必要があります。
遺産分割協議が終わるまでは、賃貸借契約は相続人の共有持ち分となります。
しかし、身内が亡くなった賃貸住宅をそのまま使用することは、滅多にありませんので、解除に応じてくれる場合がほとんどです。

②部屋の明渡し交渉は連帯保証人に行う

賃貸住宅には亡くなった人の遺品があるために、遺族に明け渡しの話をすると、遺産分割協議が終わるまで待ってほしいと言われることは少なくありません。
一方連帯保証人は、第三者の場合も多く、最終的に遺族の同意は必要ですが、部屋の明け渡しに関しては連帯保証人と話をするほうがすんなりと話がまとまるケースが多く見られます。

連帯保証人が法定相続人以外の人ならば、一刻も早く明渡しをして、これ以上家賃が発生し自分の債務が増えないようにしたいと考えるのが普通です。
したがって、早期に明渡しをしてもらうためには、連帯保証人と交渉することはとても有効です。

契約者死亡後の家賃や原状回復費用の支払い義務があるのは、相続人と連帯保証人ですので、相続人全員が相続放棄をしてしまうと、連帯保証人にしか費用を請求できませんので注意が必要です。

家賃については、「明渡しが完了する時まで」の家賃が請求できます。
原状回復については国土交通省によるカイドラインに沿った請求は可能ですが、においや体液が染みた壁紙や床などを総取り替えする場合は総額を支払ってもらうのは厳しいでしょう。

また、殺人や自殺、孤独死により新たな賃借人に部屋が「事故物件」であることを告知する場合は、通常の家賃からの値下げは回避できないでしょう。
通常家賃との差額を遺族に請求することは可能ですが、裁判で認められなかったケースもあります。

少しでも多くの費用を遺族や連帯保証人に負担してもらうためには慎重かつ繊細な交渉力が必要です。

③火災保険で孤独死のリスクをカバー

近年、火災保険に孤独死や事故死に備えた特約が付いている商品が発売されています。
万が一、孤独死が発生した場合に数十万円程度の保険金が下り、原状回復費用に充てることができる場合があります。
遺族から原状回復費用を支払ってもらえない場合は、火災保険の「破損」として請求すると支払われる場合があります。

「孤独死特約付保険」としてすでに加入しているものにオプションとして追加することができるものや、孤独死対応の少額保険として、単独で販売されている商品もあります。
商品によってサポート内容が異なりますので各社のWebページやパンフレットで確認することをおすすめします。

4.まとめ

(写真=123rf)
 

入居者の孤独死や自殺、殺人などの事件は一歩間違えると大家さんに多大な被害を及ぼします。
遺族や近隣住民の対応を適切に行い、風評被害を抑えながら、原状回復費用や損害賠償請求をきっちり請求できるように遺族や連帯保証人の対応を適切にすることを意識しながら、被害を最小限に抑えましょう。

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