2020.1.6
未来の賃貸経営

リフォームにも使える、住宅セーフィティネット制度とは何か

(画像=Khakimullin Aleksandr/Shutterstock.com)
(画像=Khakimullin Aleksandr/Shutterstock.com)
社会環境の変化によって、賃貸住宅のユーザー層も変わってきます。現在所有している物件を高齢者や外国人、子育て世帯に合わせたリフォームを実施する不動産オーナーもおられるでしょう。そのとき補助金を受けられるのが「住宅セーフィティネット制度」です。どのような制度なのでしょうか。

目次:

国が支援する住宅セーフティネット制度

「セーフィティネット住宅」とは、住宅の確保に配慮が必要な人の入居を拒まない住宅として登録された住宅のことをいいます。受け入れる必要がある「住宅確保要配慮者」に指定されているのは、以下の通りです。

・高齢者
・障害者
・子育て世帯
・外国人
・東日本大震災等の大規模災害の被災者
・低額所得者(月収15万8,000円以下)
・地方公共団体が地域の実情に応じて定める者

これらの方たちの受け入れが法律や省令で定められています。低額所得者への支援では、月2万円の家賃補助があるほか、入居時の家賃債務保証料も3万円補助されるなど、手厚い内容といえます。

公営住宅の増加が見込めず、民間住宅の出番に

国土交通省の見解によると、セーフィティネット住宅は本来公営住宅がその役割の根幹を担うものですが、公営住宅は主に高度成長期に地方から都心部へ労働者世帯が大量に移動した時代に、その受け皿として建設された経緯があります。今後、人口が減少していく流れの中、新規で公営住宅が大幅に増加することは見込めない状況です。そこで空き家も多い民間住宅を活用した新たな住宅セーフィティネット制度が2017年にスタートしました。今回スタートした制度の柱になる政策は以下の3点です。

(1)住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度
(2)登録住宅の改修や入居者への経済的な支援
(3)住宅確保要配慮者に対する居住支援

この中で不動産オーナーにとって大きいのが、(2)においてセーフティネット住宅への改修に補助金が支給されることです。また、(3)の居住支援においては家賃保証会社の利用が可能になっていますので、契約している保証会社が「家賃債務保証業者登録制度」に登録していれば、家賃への心配をする必要がなくなります。

リフォーム費用を1戸100万円まで補助

この制度で対象となる改修工事を行うと、リフォーム費用を最大で1戸100万円まで補助してくれます。補助金は国による補助と、地方公共団体を通じての補助に分かれ、工事内容によって合計で最大100万円となります。補助金の対象になる工事は、バリアフリー改修工事、耐震改修工事、間取り改修工事、子育て世帯対応改修工事の4項目です。これ以外のリフォーム工事は1戸50万円になります。

この制度の良い点は、10戸保有していてもその内の1戸をセーフィティネット住宅に登録できることです。つまり、すべての部屋を住宅セーフティネットに登録する必要はないので、傷みが目立ちリフォームが必要な部屋をセーフティネット住宅に登録し、補助金を得て改修するということも可能です。

間取り改修工事の一例としては、ワンルームの2部屋を1部屋にリフォームし、1DKのファミリー向けとして貸し出すという方法があります。

賃貸経営と社会貢献が両立できる

「住宅難民」という言葉は今でも多く聞かれます。高齢者、障害者、外国人がおもな対象として語られますが、理由の1つとして連帯保証人が付きにくいことがあげられます。それに加え、失業によって職が変わったために収入が大幅に減ってローンを払いきれなくなる「住宅ローン難民」も深刻な問題になっています。マイホームを失った方は必然的に賃貸住宅に移らざるを得ないため、セーフティネット制度の対象はますます増える可能性があります。

近年は家賃保証会社のサービスが普及し、連帯保証人の問題は少なくなりつつありますが、それに加え国が「住宅セーフィティネット制度」でオーナーへの支援を明確にしたことは、賃貸住宅市場活性化の意味で大きいといえます。

オーナーもその要請に応え、賃貸経営と社会貢献が両立できれば、こんなに素晴らしいことはないでしょう。

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