2021.02.12
賃貸経営

各自治体も取り組む家賃支援制度。どんな家賃補助があるの?賃貸オーナーでも使えるの?

新型コロナウイルスの影響で減収した事業主を支援するのは国だけではありません。地方自治体も家賃補助を行っています。自治体の中には賃貸オーナーに補助金を支給するところもあります。今回は地方自治体の家賃補助制度をご紹介します。

目次
家賃補助の制度は地方自治体にもある
自治体の家賃補助制度にはどんなものがある?
自治体の家賃補助制度の主な事例
賃貸オーナーとしての注意点

家賃補助の制度は地方自治体にもある

7月14日から国の「家賃支援給付金」が開始されました。新型コロナウイルスの影響で減収した事業主が賃借している物件につき、一部家賃を補助するというしくみです。ただし、この給付金を受けるには「第三者と賃貸契約をしている」「昨年より30~50%減収している」といった条件を満たさなくてはなりません。また賃貸オーナーは対象外です。

【参考】中小企業庁「家賃支援給付金」
【参考】6月に成立した国の家賃補助制度「家賃支援給付金」。賃貸オーナーにどう役立つの? 

一方、地方自治体にも家賃補助制度を設けているところがあります。この制度の中には、国の制度の対象外となった人、そして賃貸オーナーが補助を受けられるものもあります。

自治体の家賃補助制度にはどんなものがある?

地方自治体の家賃補助制度は大きく分けて次の2つあります。いずれも都心部・地方での大きな違いは特段ありません。補助制度の約9割がテナント向けです。支援対象となる家賃の大半は1~3か月分ですが、国と同じように半年分を補助する自治体もあります。

自治体が実施する賃貸オーナー向けの家賃補助制度

東京都の港区、新宿区や大阪府茨木市、埼玉県、福島県郡山市、三重県四日市市など、全体の1割程度ですが「賃貸オーナー向け」の家賃補助があります。テナント家賃を減額したオーナーが対象です。特徴は次の通りです。

  • 減額した賃料の3割~8割が支給される(ただし上限額あり)
  • 住民税や固定資産税などの地方税の滞納がないことが条件

このほか、大分県別府市や静岡県島田市のように、前年より減収していれば自己所有物件でも支援する自治体もあります。このような制度は減収した賃貸オーナーも活用の余地があります。

自治体が実施するテナント向け家賃補助制度

テナント向けの家賃補助は国と同様、「前年同時期に比べて売上が一定割合以上減少していること」を支給要件にしています。「売上減少〇%以上」と申請要件に書かない自治体でも「休業協力した事業主だけ」「持続化給付金の受給者だけ」「コロナ融資を受けた事業主だけ」としています。つまり、実質としてコロナ禍で減収していないと受給できません。

ただ、それ以外の要件は様々です。自己所有物件でも補助が受けられるものや、減収割合が低くても受給できるものもあります。さらに、岐阜県美濃市のように家賃だけでなく水道光熱費も支援する自治体もあります。

自治体の家賃補助制度の主な事例

具体的にどのような家賃補助制度があるのかを見てみましょう。

自治体の「賃貸オーナー向け」家賃補助制度事例

・東京都新宿区「店舗等家賃減額助成」
テナント家賃を減額した賃貸オーナー向けの補助制度です。1か月分の減額家賃の半分(上限額5万円)が補助されます。ただし賃貸オーナー側だけでなくテナント側も一定条件に合致していることが必要です。

【参考】新宿区「店舗等家賃減額助成」

自治体の「テナント向け」家賃補助制度事例

・大分県別府市「中小企業者等賃料補助金」
中小法人や個人事業主に対する家賃補助です。賃貸物件だけでなく自己所有物件も補助対象になります。6か月分の賃料の半分(月7万円が上限)が支援額です。自己所有物件については面積から賃料相当額を算出することになります。

コロナ禍による減収要件が充足されなくても「持続化給付金や雇用調整助成金を受給」「コロナで融資を受けた」「返済を猶予した」のどれかにあてはまれば申請できます。

【参考】別府市「中小企業者等賃料補助制度」

自治体が実施する家賃補助制度を利用するための注意点

地方自治体が行う家賃補助制度には次のような注意点があります。

注意点1:すべて課税対象

家賃補助はすべて法人税または所得税が課税されます。給付を受けたら申告漏れがないように注意しなくてはなりません。

注意点2:「地方税の滞納がない」が条件にされることも

家賃補助制度を設けている地方自治体の約4割が「住民税や固定資産税といった地方税の滞納がないこと」を条件にしています。支払が済んでいない税金は早めに支払い、納税が難しいなら役所の窓口に相談しましょう。

自治体の情報はアップデートも多いので、こまめに役所に確認しよう

本稿でお伝えした家賃補助制度は地方自治体によって異なります。来年3月末まで申請できるものもあれば、今年7月末で受付を終了しているものもあります。申請方法の大半が「郵送」ですが「窓口申請」「オンライン申請」としているところもあります。さらに、石川県のように2020年7月21日時点でも支援内容が決まっていないところもあります。

本稿を執筆するあたり、中小企業基盤整備機構のサイト「J-net21」の情報を調査・分析しましたが、東京都八王子市の家賃支援制度など掲載されていないものもあります。地方自治体の情報については、オンラインの情報がすべてとはかぎりません。こまめにお住いの自治体の役所に電話などで連絡をし、自治体の支援状況を確認しましょう。

【参考】独立行政法人中小企業基盤整備機構「J-net21」
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