2021.02.12
空室対策

変わる入管法!外国人に部屋を貸す?貸さない?


1.入管法はこう変わる

「出入国管理及び難民認定法」は「入管法」とも言われる、外国人の出入国、在留、退去強制、日本人の帰国や出国、海外からの難民認定などに関する法律です。
1951年にポツダム宣言に基づいて制定された政令のひとつで、翌年「ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基づく外務省関係諸命令の措置に関する法律」により、効力を有するものとなりました。

年々、不法入国者や不法就労者の増加が、社会問題化しており、国は在留資格の明確化、不法就労者の雇用主への厳罰化、在留カードの交付などの対応策をとってきましたが、2018年、政府は高齢化などによる人手不足の解消のため、外国人労働者の受け入れを拡大する方針を同法に盛り込むための改正案を提出。
同法改正案が衆院本会議で可決され、同年12月8日未明、参議院でも可決され、2019年4月に施行されました。

この改正案は、以前に比べ、外国人が入国しやすくなり、国内の外国人人口が増加することを意味します。
その結果、居住用物件の需要が増え、不動産業界にも大きな影響を及ぼすと予想されています。

①外国人労働者受け入れのための新たな資格を設置

従来の就労系の在留資格では単純労働ができないという点以外に、学歴要件や実務経験要件も外国人が日本で就労できない障壁となっていました。
今回の法改正で、「特定技能」という、新しい在留資格が設けられますが、「特定技能」はこういった学歴要件や実務経験要件がないこと、また単純労働を認める点が大きなポイントとなっています。

「特定技能」は1号、2号と2つの段階に分けられます。
1号は「相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ外国人に与えられる、最長5年の技能実習を修了する、または技能と日本語能力の試験に合格することで資格取得が可能です。
在留期間は通算5年。
家族が一緒に来日することは認めていません。

2号は、さらに高度な試験に合格し、熟練した技能を持つ人に与えられます。
1~3年ごとなど、期間の更新が可能となり、更新回数は無制限で、更新時の審査を通過することで長期の就労が可能となり、永住できる可能性も大きくなり、配偶者や子どもなどの家族が一緒に来日することも可能となります。

②外国人は今後さらに増加傾向に

法務省による在留外国人統計によれば、平成29年末現在の中長期在留者数は223万2,026人。
特別永住者数は32万9,822人。
これらを合わせた在留外国人数は、256万1,848人となり、前年末に比べ17万9,026人(7.5%)増加し、過去最高となっています。
法改正により、今後、さらに外国人は増加することになります。

地域別に見ると、現在は自動車産業などの工業が盛んな場所に外国人が多く集まる傾向があります。
都道府県別の外国人人口(175万2368人)は,東京都が37万8564人(外国人人口の21.6%)と最多となっています。
次いで愛知県が16万6150人(同9.5%)。
大阪府が15万890人(同8.6%)。
上位5都府県で全国の外国人人口の約半数(同53.9%)を占めています(総務省統計局による平成27年国勢調査による)。

法改正以降は、農業にも外国人の労働者が参入してくるでしょう、そのため、外国人の居住範囲が拡大することが予想されます。

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2.増加する外国人に部屋を貸すべき?


日本では、人口増加が2015年にピークを迎え、賃貸住宅市場も縮小すると考えられています。
しかし外国人の増加により、外国人受入についてしっかりとした体制を持っている会社や大家さんはこの厳しい環境下でも入居率を維持、向上させることができます。
とはいえ、まだまだ、外国人に部屋を貸すことを敬遠する大家さんは少なくありません。
大家さんが外国人を受け入れたくない理由には以下があげられます。

①近隣トラブルを起こしやすい

外国人は日本語でのコミュニケ−ションが難しいこと、日本の習慣が理解できないことから近隣とトラブルを起こすと考えられがちです。
特に東南アジア圏の人たちはパーティーが好きで、クリスマスや正月、友人の誕生日など、イベントのたびに大勢の人を集めて食事や会話を楽しみます。
大きな音で音楽を流し、パーティーを行うことで隣人が嫌がり、最悪のケース退去してしまうということも少なくありません。

②母国の料理などによる「におい」とゴミ出しルールが分からない

外国人は、日本人に馴染みのないスパイスや調味料を使うことがあります。
そのために、居室周辺から「におい」がしてきて、隣人からクレームがくる場合があります。

タイやベトナムの人にとっては「ナンプラー」を使った料理がスタンダードです。
中国の人は朝からニンニクをたっぷり使った料理をする人も多いようです。

近年は日本人もこれらの食材を使った料理をするようになりましたが、外国人の場合、スパイスの使用量と頻度が日本人とは比べものになりません。
常にそのにおいを嗅がされることは、日本人にとって「香害」となってしまいます。
頻繁に料理していた部屋は、退去後にルームクリーニングを行ってもなかなかにおいが取れず、次の客付けに苦労してしまうことも多いようです。

またゴミ出しのルールが守れない外国人も多く、部屋や共用部の廊下に置きっぱなしになっているケースが見かけられます。

③滞納リスクがある

家賃が支払われなかったときには、連帯保証人に債務を肩代わりしてもらうことになりますが、外国人の場合、家賃の交渉が難しく、滞納が長期化してしまうリスクがあります。
滞納した挙句、入居者本人が国外に逃げてしまった場合は家賃の回収は諦めざるをえません。

とはいえ、今後日本の人口がどんどん減少する中、外国人を受け入れるための態勢づくりが、これからの賃貸経営にとって重要な鍵となってきます。
そこで、外国人を受け入れる際に注意すべきポイントをまとめました。

3.外国人に部屋を貸すときはこうしよう!


入居者が外国人の場合、日本人と同じ対応をとっていたら、トラブルを防ぐことはできません。

①不安材料は契約書に明記する

予想されるトラブルに関して、契約書の特約事項に記載し、借主、貸主の双方が共通の認識を持つようにしましょう。
よくあるトラブルは、備え付けの家具家電を海外に持って帰ってしまう、入居者が断り無しに入れ替わっている、無断で友人や親せきなどを呼び寄せ定住させていたなどです。
特約事項に守ってもらうべきことを記載するだけでなく、必要な場合はペナルティを記載しておくことも時には必要です。
近隣居住者に騒音で迷惑をかける可能性がある場合は、確実に賃貸借契約を終了させるために、定期借家契約にしておくのもよいでしょう。

②物件を巡回する頻度を増やす

不動産管理会社と協力して、物件の巡回回数を増やすこともトラブル防止策になります。
騒音やゴミ問題は、外国人入居者に悪意があって起こるものではなく、ルールや慣習が分からないために起こるものがほとんどです。
根気よく指導すれば、改善も望めます。

③外国人入居に対応できる家賃債務保証会社を選ぶ

最近では外国人を優先的に受け入れてくれる家賃債務保証会社・管理会社が増えてきました。
こうした企業は外国人向けのサービスも充実しており、外国語対応や各国の文化習慣に合わせた対応が可能です。
外国人を受け入れるには外国人に強い家賃債務保証会社を利用するのが一番手っ取り早い方法です。

4.まとめ

 

繰り返しになりますが、日本の人口減少によって、これからの賃貸住宅の市場は決して明るいとは言えません。
入居率を維持していくには工夫と努力が必要です。

その中でも外国人受け入れは国の重要な施策の一つであり、一度ご自分の物件にも取り入れられないか考えてみましょう。

外国人入居者に対応するためのノウハウをしっかり学んで、外国人に強い保証会社とタッグ組むことができれば、今後の収益もプラスになることでしょう。

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