2021.02.12
トラブル対応

賃貸経営によくあるトラブル「入居者同士のトラブル」の2段階対処法

賃貸経営にはさまざまなトラブルが付き物ですが、トラブルには「当事者が誰であるか」によっていくつかの種類があります。入居者から賃貸オーナーに向けてのクレームやトラブルに加えて、入居者同士のトラブルも少なくありません。

入居者同士のトラブルは賃貸オーナーに直接の責任はないものの、特定の問題入居者がいるために大量の空室が発生してしまうリスクをはらんでいるため、賃貸オーナーには適切な対処が求められます。入居者同士のトラブルにはどんなものがあって、どのように対処するべきかを2段階に分けて解説します。

 

Q:入居者同士のありがちなトラブルにはどんなものがあるのかを知りたい。またトラブルが発生した際の正しい対処法とは?

A:賃貸経営における入居者同士の主なトラブルには、以下のようなものがあります。

  • 騒音
  • 違法駐車(駐輪)
  • ゴミ出しマナー
  • ペット飼育
  • ベランダの植栽

国土交通省がまとめた平成30年度の「マンション総合調査結果」によると、調査時点の入居者間トラブルで最も多いのは「生活音」で38%、次に「違法駐車・違法駐輪」が28.1%、「ペット飼育」が18.1%と続きます。上記したものが、入居者間トラブルの上位を占めていることがわかります。

(国土交通省 マンションに関する統計・データ等「平成30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」より)

引用:国土交通省 マンションに関する統計・データ等「平成30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」より

これらのトラブル対応には、大きく分けて2つの段階があります。それぞれの段階で、賃貸オーナーが心得ておくべきことを整理しました。

第1段階:真摯な姿勢で情報を正確に聞き取る

第1段階で重要になるのは、初動対応や初期対応によってトラブルが大きくなることを防ぐことです。場合によっては早い段階で専門家に相談することも重要です。賃貸オーナーが自力で解決できないと判断したら、早めに専門家に依頼しましょう。

管理会社に管理業務を委託している場合では、賃貸オーナーに寄せられたクレームや苦情は速やかに管理会社に伝達するのが初動対応のセオリーです。

管理会社が入っている場合であっても、賃貸オーナーのところにトラブルの第一報が入ることもあるでしょう。その場合に心がけたいのは、とにかく真摯に話を聞き、メモを取るなどして正確にトラブルに関する情報を収集することです。

管理会社へ伝達する情報の正確性が高くなるだけでなく、トラブルの当事者にも真摯に対応していることが伝わるので、必ず意識しておきたいポイントです。この時、自分で解決しようとしてはいけません。安易な安請け合いや約束をしてしまわないことが重要です。

自主管理をしている賃貸オーナーの場合は、持ち込まれたトラブルをオーナー自身がしっかりとヒアリングすることから始まります。トラブルの内容を聞き取り、それを持ち帰って適切な対応をする旨を当事者に伝えます。そして持ち帰ったトラブルの内容を整理したうえで、できるだけ早めに専門家に相談しましょう。この場合の専門家とは、仲介を依頼している不動産会社など賃貸経営に関する専門家です。違法駐車や騒音などは、最寄りの警察署に相談することも有効でしょう。

そこで得られた対処法に沿って、できるだけ間を開けることなく当事者に回答を返します。この一連の流れで重要なのはトラブルの内容を持ち帰ってから回答までの時間を空け過ぎないことです。連絡をおろそかにしてしまったばかりにトラブルが拡大、深刻化することはよくあるので、できるだけ早い対応で感情的になってしまう事態を避けるのが得策です。

第2段階:法的な解決を検討する

管理会社が対応しても、入居者間トラブルがうまく解決できないこともあります。特に入居者間のトラブルは当事者同士の不仲など感情的な対立にも発展しやすいため、それが解決を遠ざけてしまうことがあります。ここまでトラブルが発展してしまうのは避けたいところですが、第1段階で解決できない場合は、この第2段階である法的な解決に移ることになります。

法的な解決においてキーマンになるのは、弁護士など法律の専門家です。通常、管理会社には顧問弁護士がいるので、その場合は顧問弁護士に解決を委ねることになります。

特定の問題入居者による迷惑行為で他の入居者が被害を受けていると認められる場合、その問題入居者は「用法遵守義務違反」と見なされ、賃貸オーナーは損害賠償請求ができます。また、入居者間トラブルによって退去が発生した場合は、賃貸オーナーの賃料収入が減るため、その減収分も損害賠償請求の対象になります。

また、迷惑行為による契約解除には「信頼関係破壊理論」という判例を適用することもできます。

法的なトラブルの場合は、専門家に任せよう

入居者間トラブルを法的に解決するために問題入居者と対峙する際は、すでに賃貸オーナー自身がすることはほとんどなく、専門家である弁護士などに全面的に委ねることになります。逆に法律の専門家ではない当事者が介入すると解決を遠ざけてしまうこともあるため、第1段階、第2段階ともに、早い段階で専門家に相談し、委ねることが重要です。

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