2020.8.31
賃貸経営

「新型コロナウイルスの影響で……」家賃交渉を求められた時の対処法と対策

(画像=wutzkoh
/stock.adobe.com)
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日本国内では、新型コロナウイルスの感染リスクは2020年5月頃から減少しつつあるものの、そこから派生するさまざまな影響が深刻化しています。

特に経済活動が大幅に制限されたことによる収入減や生活困窮の問題は深刻で、人が生きていくうえで欠かすことができない「衣食住」の「住」を維持するための家賃が支払えない人や事業者が続出しており、その解決策として賃貸オーナーに家賃の減額や支払い免除などを求める動きが広がっています。

賃貸オーナーとしては、これらは直接的な賃料収入の減少につながるため、不安を感じている方も少なくないでしょう。当記事では、全国に広がっている家賃交渉の実態と現実味のある「落としどころ」について解説します。


賃貸オーナーを悩ませる、家賃減額交渉

ある日突然起こったコロナショックによって営業ができなくなる、もしくは営業をしていても客足が途絶えたことで売上が大幅に減少してしまった事業者が急増しました。これによって「家賃が支払えないので減額してほしい」「数ヵ月間免除してほしい」といった交渉を求められ、全国の賃貸オーナーを悩ませています。

もちろん「できる限りのことはしたい」と思うオーナーは多いでしょうが、ローンで不動産を購入したり建物を建てたりしたオーナーがほとんどであり、言い値で交渉に応じてしまうと今度はオーナーの賃貸経営が立ちいかなくなってしまいます。

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よくある家賃交渉の「落としどころ」

交渉ごとには、現実味のある落としどころが必要です。新型コロナウイルスによる売上減少によって家賃の減額や免除の交渉を求められたら、どうするべきなのでしょうか。

このような交渉には、柔軟に対応するのがセオリーです。入居者も減額に応じてもらえることを前提に交渉を求められるケースがほとんどです。考えられる対応は、以下の3つでしょう。

  • 一定期間の家賃減額
  • 敷金(保証金)の一部返還
  • 数ヵ月間の家賃支払い免除

いずれも賃貸オーナーとしては持ち出しを伴うため、「できることなら避けたい」というのが本音でしょう。しかし、拒否したとしても家賃を滞納されたり退去されたりしては、かえって痛手が大きくなります。今後も経済の動きが停滞するとすれば、新たな入居者を探すことも難易度が上がる可能性があります。しかもコロナショックが原因の家賃滞納では、一方的な契約解除もできません。

また、コロナショックを原因とする家賃減額交渉には法的根拠があるとされており(借地借家法第32条)、法的な解決手段をとることになった場合は賃貸オーナー側が不利になる可能性があります。

「困っているのはお互い様」という精神で双方が歩み寄り、妥協できる部分は妥協して落としどころを探るべきでしょう。

考え方としては、入居者の就業状況、収入状況をヒアリングし考慮の上で、空室になった場合の賃料収入の減収額と比較して、上記3つの対応策から落としどころを検討するとよいでしょう。

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家賃交渉をスムーズに行うために知っておきたい支援制度

コロナショックは入居者だけでなく、家賃の減額などに応じることになる賃貸オーナーにも悪影響を及ぼします。そこで入居者、賃貸オーナーのそれぞれが知っておくべき国の支援制度をご紹介します。

入居者が利用できる制度

制度 対象と給付内容
家賃支援給付金 法人は300万円、個人事業主は150万円が上限。前年同月比で売上が50%以上減少、もしくは3ヵ月以上連続して30%以上の減少が続いた事業者が対象
住宅確保給付金 失業などの理由で家賃の支払い困難に陥った困窮者が対象。最長3ヵ月間の家賃補助を受けられる
持続化給付金 前年同月比で売上が50%以上減少した中小事業者、フリーランスが対象。法人は200万円、個人事業主は100万円が給付される

賃貸オーナーが利用できる制度

次に、賃貸オーナーの資金繰りに活用できる各種制度をご紹介します。こちらは給付金ではなく、すべて融資制度です。

制度 債務保証
セーフティネット4号、5号 信用保証協会による最大2.8億円の保証枠。4号は前年同月比で売上が20%以上の減少で100%の債務保証、5号は前年同月比で売上が5%以上減少で80%の債務保証が受けられる。
危機関連保証 前年同月比で売上が15%以上減少した中小事業者向けに、上記セーフティネットの保証枠とは別に最大2.8億円の債務保証が受けられる

セーフティネット5号には対象業種がありますが、不動産賃貸業も対象になっているため、4号や危機関連保証と合わせて融資保証枠を利用できます。

入居者に情報を提供し、適切な交渉しながら、オーナーとしても万一に備えて資金繰りのための各種制度について知識を深めておき、臨機応変に対処できるようにしてきましょう。

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