2020.10.2
トラブル対応

放置すると危険な入居者同士のトラブル3選と効果的な対処法

(写真=Damir Khabirov/stock.adobe.com)
(写真=Damir Khabirov/stock.adobe.com)
賃貸経営にまつわるトラブルの中で、今回は入居者同士のトラブルについて解説します。入居者同士の場合は個人間のトラブルなので感情的になりやすく、さらに隣同士に住んでいるなど当事者の日常生活に深く入り込んだ問題であることが多いため、放置するとさらに大きなトラブルに発展するリスクがあります。

こうした問題は退去に発展するだけでなく、最悪の場合は刑事事件になるような事態も考えられるため、オーナーにとっては頭の痛い問題です。そこで今回は入居者同士の3大トラブルと言ってもよい「騒音」「駐車・駐輪」「ペット飼育」を例にとり、それぞれの特性や対処法について解説します。
   

入居者同士のトラブル。その傾向とリスク

はじめに、入居者同士のトラブルについて、知っておきたい傾向とリスクを整理しました。これらの点を押さえた上で、次項以降のトラブルの具体例を読んでいきましょう。
  • 入居者同士のトラブルは感情的になりやすい
  • そのため初動対応がきわめて重要
  • 放置すると退去リスクが高まる
  • さらにそれ以上の刑事事件に発展するリスクもある
たかがご近所トラブルと思っていると予期せぬ重大な事態に発展する可能性をはらんでいるため、「甘く見てはいけない」という認識を持つことが重要です。

上記の傾向を踏まえ、入居者同士の三大トラブルである「騒音」「駐車、駐輪」「ペット飼育」について、実際の解決方法を解説します。

Q:騒音により入居者同士でトラブルに。警察沙汰にもなりました。どうしたらよいでしょうか?

音をまったく出すことなく生活をするのは不可能なので、「どこまでなら常識的な範囲か」という基準が必要になります。この基準のことを、受忍限度といいます。

環境省が定めている環境基準では、大きな道路など騒音の発生源が近くにない限り、屋内に入ってくる騒音が昼間は50デシベル以上、夜間は40デシベル以上になると騒音の影響を受けやすくなる、という目安を定めています。国が定めている基準に従うならば、これらの数値が受忍限度であると考えることができます。

実際に計測をしてこの数値を超えている場合は、管理会社にその旨を伝えることで、口頭や張り紙、手紙などによる注意が行われます。自主管理であっても、初期段階では同様の対応が望ましいでしょう。

こうした対応にもかかわらず改善されない、もしくは悪化している場合は、騒音が発生している時の証拠(録画や計測データなど)を揃えた上で入居者に強制退去を示唆し、それでも改善されない場合は退去の手続きを進めるという流れになります。

退去の手続きについて、具体的には内容証明の送付を行い、それでも改善されない場合は明け渡し請求訴訟の提起という流れになります。内容証明には騒音の問題について数値に基づいて改善を求め、指定の日時までに改善が認められない場合は強制退去の手続きを進めるといった内容を記載します。実際にその期日を過ぎても改善が認められないのであれば、その事実を確認した上で裁判所に明け渡し請求の訴訟を提起します。

Q:来客者用の駐車場を勝手に使用している入居者がいます。どのような対応が効果的でしょうか?

このケースは、規約違反です。違反行為が目に見える形で行われているので、その状況を写真に撮影して証拠を収集したうえで管理会社に対応を依頼します。自主管理の場合、駐輪マナー違反については張り紙による注意を行います。車の駐車マナー違反についてはコーンや立て看板、ポールなどを設置して注意を促し、それでも違反行為が見られる場合は張り紙によって違反の旨を伝えます。

張り紙による十分な改善が見られない場合でも、継続して貼り続けることが重要です。段階的に張り紙の文言を強くしていくのも効果的です。

ここで注意したいのは、「タイヤのロック」や「剥がしにくい張り紙」など強硬的な手段は避けたほうがよいということです。相手側も強硬な態度になってしまうことがあるため、問題の解決から遠のいてしまう可能性があります。さらに、強硬的な手段によって車に傷をつけてしまうと器物損壊罪で逆に告発されるリスクがあるため、あくまでも傷をつけない手段を講じるべきでしょう。

Q:ペットの飼育禁止なのですが、犬や猫を飼っている人がいます。効果的な解決方法はありますか?

契約時の条項にペット飼育禁止が含まれている場合、明確な契約違反となります。委託管理の場合は、管理会社に対応を依頼するのが正しい初動対応となります。一方、自主管理の場合は、他の入居者からクレームが入った時点で「室内点検」の名目で確認をします。

自主管理の場合において、室内点検をするには理由が必要ですが、「隣人からペット飼育の苦情が入っているので確認させていただきたい」という趣旨を口頭もしくは文書で伝達し、都合のよい日の調整を行います。入居者が正当な理由なくこれを拒否した場合は規約違反による強制退去もあり得ると付け加えると、断りにくくなるため効果的です。入居者によっては室内点検による発覚を嫌って、点検日までにペット飼育の事実を解消する可能性もあります。

室内点検によって飼育の事実を確認できたら、ペット飼育を禁止するか、契約違反を理由に退去を求めることができます。退去となった場合はペット飼育による汚損や破損、悪臭などについて原状回復費用を請求することができます。

いずれにしても話し合いで解決するのが望ましいですが、話し合いに応じないなど、状況が改善しない場合は法的手段による退去を進めることになります。契約違反が明確なため、法的手段に進展してもオーナーが不利になる可能性は低いでしょう。

委託管理の場合は管理会社の顧問弁護士などが対応しますが、自主管理の場合はオーナー自身が弁護士に依頼して話を進めることになります。

入居者同士のトラブルには、プロの手を借りるのもセオリー

当記事ではオーナーにとって頭の痛い問題である入居者同士のトラブルについて、よくある3大トラブルについて、具体的な事例を紹介し、その特性や解決法を解説しました。

入居者同士のトラブルは、感情的になりやすく、解決が難しくなる傾向があります。場合によっては複数の入居者が一斉に退去することも考えられ、慎重かつ適切な対応が求められます。

トラブルが発生したら、いずれもプロである管理会社に任せるのがセオリーです。自主管理の場合は、放置せず、自ら誠意をもって対応しましょう。もし負担が大きい場合は、入居者との一次窓口を担ってくれるコールセンターのサービスなどに依頼することも検討しましょう。
 

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