2020.10.3
空室対策

空室対策に効く!賃貸経営における広告料(AD)の正しい使い方

(写真=terovesalainen/stock.adobe.com)
(写真=terovesalainen/stock.adobe.com)
同じ賃貸物件でも広告料(AD)の使い方次第で、空室率や空室期間が大きく変わってくる可能性があります。ここでは、2種類ある広告料の違い、そして広告料をどう活用すると成果が得られやすいかをわかりやすく解説します。成功キーワードは「オーナー主体」「2種の使い分け」「先手先手の投下」です。
   

賃貸経営における広告料(AD)の意味とは?

賃貸仲介における広告料(AD)とは、不動産会社(客付け会社、仲介会社など)に入居者仲介をしてもらった際に払う費用です。仲介手数料とは別項目になります。空室率が高くて悩んでいるオーナーは、広告料(AD)を使いこなせていないケースもあるようです。また初心者のオーナーだと、広告料の存在を知らないこともあります。まずは広告料の意味をしっかり抑えましょう。

まず、宅建業法で見ると、原則、不動産会社は報酬とは別に広告料を受け取れないことになっています。全日本不動産協会でも次のように解説しています。

“媒介報酬とは別に広告料金として依頼者に請求することは、宅地建物取引業法の報酬規制に反することになりますので、認められません。”

出典:公益社団法人 全日本不動産協会「広告料金の請求」

一方で「依頼者(オーナー)からの依頼による広告相当費用は受け取ってよい」というルールもあります(報酬告示第九①)。今回取り上げる広告料はこの「広告相当費用」に含まれると考えられます。

広告料には「宣伝」と「インセンティブ」の2種類ある

一口に、賃貸仲介における広告料といっても、宣伝とインセンティブの意味があります。それぞれの違いを見ていきましょう。

宣伝の意味の広告料とは?

オーナーからの依頼によって、物件を宣伝するためにかかる費用です。具体的には、新聞やフリーペーパーへの広告出稿、折り込みやポスティング用のチラシなどです。最近では、賃貸専門のWebメディアへの出稿も増えています。物件情報をメディアに掲載するときにかかる掲載料に加えて、記事作成や広告作成にかかった制作料も広告料に含まれると考えられます。なお、レインズの登録などは通常の仲介業務に含まれるため広告料に該当しません。

インセンティブの意味の広告料とは?

通常の仲介業務を超えた広告(営業)業務に対する、インセンティブの意味合いの広告料です。インセンティブの広告料には、仲介手数料のように法律で定められた設定割合がありません。相場はエリアや時期によって異なり、一般的な目安は家賃の1~3ヵ月分といわれます。

広告料の基本的な考え方:空室による損失と広告料を比べる

賃貸経営における広告料の考え方として、希少価値がある物件や築浅物件などは広告料を少なめにコントロールするというのもありでしょう。入居者が決まりやすい物件に必要以上の広告料をかけるのはムダだからです。

逆に、差別化しにくい物件や築古物件は、広告料を積極的に投下していくというのが無難です。なぜなら、長期空室になったときの損失を考えれば、広告料を払って埋めたほうが得というケースも多いからです。仮にトータルで家賃の3ヵ月分の広告料を投下したとしても、半年、1年、それ以上の長期空室を短縮できたとしたら得をしたというような考え方ができます。

広告料の3つの選択:不動産会社の決定力やエリアの競合状況が鍵

広告料の選択例としては、次の3つがあります。

(1)宣伝の広告料を重視する
(2)インセンティブの広告料を重視する
(3)宣伝とインセンティブの両方を積極的に行う

上記の3つの選択肢のうちどれを選ぶとベストかは、管理会社や客付け会社の入居者決定力、そしてエリアの競合状況などによります。たとえば、決定力のある不動産会社であれば、インセンティブを多めに出して優先して紹介してくれるよう働きかけるのもありでしょう。また、決定力の劣る不動産会社であれば、インセンティブを抑えて、宣伝を重視するといった考え方もできます。

いずれにしても、広告料をどうコントロールするかはオーナーが主体になって決めるべきです。くれぐれも「不動産会社に要求されたから仕方なく払った」というようなパターンは避けましょう。広告料をたくさん使っても空室が解消できないとき、損失をこうむるのはオーナーなのです。

広告料の賢い使い方:先手先手の投下が重要

賃貸仲介における広告には、宣伝とインセンティブの2種類があることを説明してきました。次に、それぞれを賢く使うためのポイントを紹介します。

宣伝とインセンティブ、両方の広告料に共通するポイント

これは宣伝とインセンティブの両方に共通しますが、広告料を最大限に生かすには、「先手先手の投下」が重要です。

宣伝でもインセンティブでも、退去した直後から施策を打つのと、空室が数ヵ月続いてから投下しはじめるのでは、空室によって失う利益が大きく変わってきます。

空室期間を短くするには、不動産会社からの連絡を待つのではなく、オーナー側から担当者に積極的に働きかけて、先手先手の状況を生み出す姿勢が求められます。

宣伝の広告料の賢い使い方:退去がわかった時点で担当者と協議

最短のタイミングで宣伝をスタートさせるには「退去が発生する」とわかった時点で、不動産会社の担当者と対策を早めに話し合う必要があります。

打ち合わせの内容としては、そもそも広告出稿やチラシ配布などの宣伝が必要か、宣伝をする場合は、費用対効果が高いと考えられる媒体はどれか、どれくらいのスケジュールで出稿が可能かなどを確認します。

不動産会社からアドバイスを受けつつも、彼らに丸投げするのではなくオーナー自身が宣伝の方向性を決断し、掲載内容を最終チェックすることが大切です。

インセンティブの広告料の賢い使い方:まずは相場観をつくるのが先決

まずは、「対象エリアのインセンティブの相場がいくらなのか」「実際にどれくらいのインセンティブを払えば優先して紹介してもらえるのか」をしっかり把握する必要があります。この部分の情報量が足りない場合は、日頃からつきあっている不動産会社、それ以外の不動産関係者、知り合いのオーナーさんなどにヒアリングして相場観をつくりましょう。

この相場観をつくった上で、物件の競争力に応じて広告料を設定するのがよいでしょう。「希少価値の高い物件だからインセンティブを払わなくてもすぐに入居が決まるだろう」という判断もあるかもしれません。逆に「競争力のない物件だから相場よりも多めにインセンティブを払おう」という考え方もあるかもしれません。

適切な広告をしても空室の場合は、AIシミュレーターで診断を

広告料を適切に使えば、空室を埋められる可能性を高めることはできますが、もちろん100%ではありません。一定額を投下しても成果が得られないときは、広告以外の「リノベーション」または「家賃値下げ」などの手段を視野に入れるべきです。

ただ問題は、リノベーションと家賃値下げのどちらを選ぶと正しいのかが判断しづらいことです。最近では、リノベーション後のキャッシュフローをAIで分析できる便利な無料ツールも登場しています。カンタン登録で使えるため、気軽に試してみてはいかがでしょうか。

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