2020.3.24
トラブル対応

国交省のアンケート調査から見る家主が経験しがちなトラブルと対策

(画像=Takashi Images/Shutterstock.com)
(画像=Takashi Images/Shutterstock.com)
賃貸住宅を所有していると思わぬ災難に見舞われることがあります。時には想定外の災難に遭遇することもあるかもしれませんが、できることなら面倒なことは避けたいものです。本記事では国土交通省が2019年7~8月にかけて行った「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」(以下、「国交省アンケート」)から家主が賃貸経営をする中でありがちなトラブルをピックアップし対策を解説します。

目次:
  1. ■賃貸住宅の管理方法はどうしている?
  2. ■受託管理している項目と業務でありがちなトラブルと対策
  3. ■サブリースでありがちなトラブルと対策
  4. ■管理業者との付き合い方が肝心

賃貸住宅の管理方法はどうしている?

本題に入る前に賃貸住宅の管理方法の分類についての結果を確認してみましょう。
 
内容 割合
サブリース 37.4%
管理を一切委託しない自主管理 11.6%
入居者募集から管理まですべて委託している 17.7%
一部を委託し一部は家主自身が行う 33.4%
※全体の回答者数は414名(サブリース以外は国交省アンケートより計算した数値)

家主の約88.5%が何かしらの形で業者を利用し、そのうち4割強がサブリースで一括貸出している状況が分かります。国交省アンケートでは管理業務の一部または全部を委託する受託管理と業者に建物を貸し出して転貸させるサブリースに分けて集計しているので、この記事もそれにならって書きます。

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受託管理している項目と業務でありがちなトラブルと対策


まず、家主が管理会社に委託している項目と比率を確認しましょう。
 
「入居時の契約支援」や「賃貸借契約の更新」など「契約」に絡む事項は約80%の家主が管理会社へ委託しているようです。また「敷金精算・原状回復」や「家賃督促」など「お金に関わる交渉」事項も多くの家主は管理会社に委託する傾向があります。
逆に「修繕積立金の管理」は管理会社に依存せず、家主自ら管理することが多いようです。この傾向は区分ではなく一棟マンション(アパート)所有者には特に顕著な傾向であるといえます。

次に家主が管理を委託する理由をみていきましょう。


「自分自身の賃貸契約および管理に関する専門知識が不足していると感じるから」「契約更新・終了時のトラブルをなくしたいから」が50%を超える水準となっており、管理会社を契約関連における専門家と判断しており、委託比率の高い項目の内容と一致します。

家主と管理会社との間でのトラブルについてもアンケートを実施しています。そのアンケートでは、約半数近くが利用している受託管理のトラブルで最も多かったのはコミュニケーションに関するものが多く全体の25.7%でした。
 
内容 割合
業務の内容についての認識にズレがあり、期待する対応がなされていない 9.0%
業者から報告がない 6.2%
勝手に修繕され、費用を請求される 6.2%
入金される賃料から不明な費用が差し引かれていた 4.3%

次いで多かったのは、「賃料・敷金などが、管理業者から入金されるまでに時間を要する」や「入金されないことがある」などの入金の遅延・不足に関するもので、全体の22.3%でした。
 
内容 割合
賃料・敷金などが、管理業者から入金されるまでに時間を要する 12.8%
入金されないことがある 9.5%

これらのトラブルを未然に防ぐためには、まず委託契約を結ぶ時点で内容をよく確認し少しでも不明な点は解消しておくことです。可能であれば管理業者と定期的にコミュニケーションをとり関係を密にしてください。事前にアポイントをとって手土産などを持参し、ざっくばらんに近況を聞いたり要望を伝えたりするとよいでしょう。

「私は客である」とばかりに尊大な態度をとるのは禁物です。管理料を値切るのもよくありません。安くしてもらったとしても家賃が数万円だとせいぜい月額数百円です。しかし管理会社の担当者はモチベーションを下げてしまうものです。もしトラブルが発生してしまったら契約内容にもとづいた要求を冷静に行います。平行線をたどるようであれば、ADR(裁判外紛争解決手続き)を利用することも方法の一つです。

サブリースでありがちなトラブルと対策

サブリース契約の利用者のトラブルでは「業者からサブリース物件の収入や費用、契約内容の変更条件など十分な説明がなかった」が最多で22.8%を占めています。トラブルを防ぐためには、サブリースと賃貸経営の仕組みをよく理解し納得できる形で契約を結ぶことが重要です。一般的に業者は顧客に対して説明責任がありますが業者に依存しすぎないことも大切になります。

家主も賃貸経営の事業者という一面がある以上、慎重な収支計画を立て遂行できそうな行動をとることが必要です。そのため「よく分からないまま契約を結んでしまった」というのは避けなければなりません。サブリース業者もさまざまあるため家主と入居者と健全なWIN-WINの関係を築いているところもあればリスクをきちんと説明せずに契約を続けさせようとする不誠実な業者もいます。

もし何度となく説明を求めても期待と違う返答が来たりごまかしたりするようであれば付き合うべきではない業者と判断することも大切です。他の受託管理業者やサブリース業者への乗り換えを検討してもよいのではないでしょうか。

管理業者との付き合い方が肝心

家主が経験しがちなトラブルは、受託管理業者やサブリース業者などとのコミュニケーション不足から起こることが多くあります。納得できる説明を求め、風通しのよい関係づくりを目指しましょう。

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