2020.5.5
賃貸管理

賃貸管理の基本をおさらい

(画像=Maha Heang 245789/Shutterstock.com)
(画像=Maha Heang 245789/Shutterstock.com)
一棟物収益不動産を所有するオーナーとって、最も気になるのは空室リスクではないでしょうか。借り手から選ばれる物件になるかどうかは賃貸管理で決まる、と言っても過言ではありません。

現在行っている賃貸管理方法を見直すだけで、入居率が大幅に伸びるケースもあります。改めて賃貸管理の基本をおさらいしていきましょう。

<目次>
管理の差が収益力の差
賃貸管理の対象はハードとソフトの2本立て
賃貸管理の形態
費用対効果を考えて賃貸管理の方法を決めよう

管理の差が収益力の差

空室期間が長引いていても、「管理会社に任せているから大丈夫」「自分である程度しっかり管理している」と考え、漫然と物件管理を行っているオーナーは少なくありません。

立地条件や賃料水準が妥当であっても空室が埋まらない、退去が急に増えたとなると、物件の管理方法に問題があるのかもしれません。

例えば、「共用部の清掃が行き届いてない」「エアコンの故障や水回りのトラブルなどに迅速に対応してもらえない」「修繕が計画的に実施されておらず建物全体が古めかしく見える」などです。

管理の質が高くなると入居期間が長くなったり、次の入居者がスムーズに決まったりと、満室経営を維持しやすくなります。つまり、管理の質は物件の収益性に直結するのです。

では管理の質を上げるためには、どんなことをすればいいのでしょうか。物件管理を管理会社に委託する場合は、管理会社の選択と管理会社をどのように動かしていくか、自主管理の場合は時間とコストとの関係を鑑みた上で、どれだけ入居者に寄り添えるかがポイントになります。

昨今のIoT(Internet of Things)、すなわちすべてのものがインターネットにつながる環境の中で、賃貸管理業務もどんどん進化しています。

例えば、入居者を探してくれる不動産会社には契約時のIT重説が認められています。また部屋の内部をビデオで撮影しておき、入居希望者がそれをVR(仮想空間)で見ることができれば、わざわざ内覧することなく入居を決められます。転勤などで遠方から部屋を探す場合、大変便利です。

入居者がスマホアプリを使って管理会社とチャットしながら、修繕を依頼することなども実際に行われています。チャットの内容を蓄積して、ビッグデータとして解析すれば、入居者が何に不満を持っているのかが把握できます。また、高齢化社会の進展に伴って入居者の高齢化が進んでいます。これに対するITによる見守りサービスは、すでに実用化されています。

賃貸管理の対象はハードとソフトの2本立て

数十年にわたって物件を保有しているベテランオーナーもいれば、相続で物件を引き継いだものの、どのように管理したらいいかわからない、といった新米オーナーもいるでしょう。

管理の基本は、建物管理(ハード)と入居者管理(ソフト)の2本立てです。前者は建物設備の維持や清掃業務など、後者は募集から入居、退去までの対応が主な業務です。

2つの内容を具体的に見ていきましょう。

建物管理はモノに関わるハード面の対応です。建物自体、様々な設備、敷地周辺、エントランスや廊下などの共用部、駐車場、駐輪場の清掃・点検保守の手配などがあります。
詳細は、以下のとおりです。

・共用部の清掃、手入れ
・建物のクラック(亀裂やひび割れ)の有無をチェックする目視点検
・駐輪場の整理・清掃、設備の法定点検や定期点検の手配・立ち合い
・外構部分の門扉や植栽の点検
・長期修繕積立計画の策定や実際の積立 など

ヒトに関わるソフト面の管理は入居者募集、賃貸借契約の締結業務、賃料収納事務、入居中のクレーム対応、2年ごとの契約更新、退去手続きなどがあります。詳細は以下のとおりです。

・近隣物件と比較した上での募集条件の設定・確認
・契約締結・更新に関わる手続き
・入金状況の確認と未収の場合の督促
・入居者からの苦情・トラブル対応、退去時の立会い
・敷金精算・原状回復工事とその費用の算定

賃貸管理の形態

賃貸管理の形態には「自主管理」と「委託管理」があります。

自主管理は、文字通りオーナー自ら賃貸管理を行うものです。入居者募集は仲介の不動産会社、建物・設備のメンテナンスは専門会社に委託するのが一般的です。オーナーによっては自身で入居者募集をしたり、建物・設備のメンテナンスをする人もいます。オーナー自ら動く時間が必要になるので、時間に余裕のある人に向いています。

委託管理は、管理会社に賃貸管理業務を委託するものです。モノに関すること、ヒトに関すること両方をまとめて委託しているケースがほとんどです。管理業務の専門家に任せられるので、管理戸数が多い場合や時間が取れない人、また物件が遠方にある人向きの管理方法です。費用は月額家賃の5~7%が一般的です。

費用対効果を考えて賃貸管理の方法を決めよう

ここまで賃貸管理の内容を見てきましたが、管理を考える上で大切なのは、時間とコストとの関係や費用対効果を考えることに尽きます。賃貸経営は安価なコストで管理業務を委託可能なことは確かに大きなメリットです。しかし実際に自ら管理してみて気づくことが多いのも事実です。物件を定期的に清掃していれば、建物の劣化の仕方や対応方法も理解できることでしょう。また、実際に入居者と会話することができれば、本来のニーズを理解し、賃貸経営に有益な設備や管理方法なども、切実に感じることもできます。管理費を節約するだけではなく、自主管理をすることで長期的に「大家力」を高める効果があるのです。
 

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