2021.02.10
不動産投資

マンションオーナーは生命保険に入るべき?団信はどうする?

一般的に賃貸用マンションのローンには「団体信用生命保険」がつきます。賃貸用マンションを購入し団信に加入する場合は既存の生命保険を見直す良い機会になりますが、すべてのオーナーにメリットがあるわけではありません。ここでは団信に加入することでメリットを得られるケースと、加入すべきでないケースについて解説します。

目次:

不動産の運用には2パターンある

不動産の運用は、大きく2つに分かれます。利回りとキャッシュフローを追求し、借り入れを多用して資産の拡大を図る「攻めの運用」と、保有する資産をなるべく減らさないようにする「守りの運用」です。

「攻めの運用」とは、30代・40代の若いサラリーマンが給与収入の信用力を使ってローンを組み、区分マンションやアパートを手に入れるパターンです。
一方「守りの運用」は、代々続く地主が相続対策のために保有する土地にアパートや店舗を建設して賃貸したり、マンションを建てたりするケースが挙げられます。

どちらに当てはまるかによって、生命保険の考え方は180度変わります。

「攻めの運用」では団信加入・生命保険非加入も

新築区分マンションの販売会社が語るマンション経営のメリットの一つに「マンション経営は生命保険の代わりになる」というものがあります。ローンを組む際に団体信用生命保険を付けることで、オーナーに万一のことがあった場合は残債のない物件を家族に残せるというものです。保険金でローンを完済することで、その後は家賃収入の大部分が収入になるというわけです。

団体信用生命保険付きのローンを組む際、加入済の生命保険の見直しをするという考え方は理にかなっています。既存の保険をそのまま継続すると死亡保障が過多になり、必要以上の保険料を払うことになるからです。

例えば、働き手が亡くなった場合に1,000万円が必要になる家庭で、同額の生命保険に入っているとします。この場合、不動産の資産価値が1,000万円以上ならば、生命保険は必要なくなります。団体信用生命保険は、ローン残高が少なくなるにつれて保険料が下がるため、一般的な終身保険よりも割安であることがメリットです。

「守りの運用」では団信非加入・生命保険加入がセオリー

相続対策となると、話は変わります。基本的に団体信用生命保険には加入せず、一般的な終身保険に加入したほうが相続税の面で有利です。

団体信用生命保険に加入しない理由は、債務控除を利用するためです。相続税の対象となる相続財産は、不動産や金融資産などの資産の合計額から、ローンなどの負債の合計額を差し引いて求めます。不動産は時価よりも2~3割低く見積もられるため、ローン残高との差額分、相続財産を圧縮できます。

生命保険には、相続人1人当たり500万円の非課税枠があります。例えば相続人が配偶者と子ども2人の計3人の場合、1,500万円(=500万円×3人)まで相続税がかかりません。保険金額1,500万円以上の保険に加入すれば、1,500万円を無税で残せるのです。

また生命保険には相続とは別に任意の金額を残せることや、納税資金を準備できるというメリットもあります。

相続税対策が必要かどうかは資産や家族の状況による

攻めの運用をしている人も、守りに転じることがあるかもしれません。両者には明確に区別できない部分もありますが、相続税対策が必要かどうかで区別することはできます。

相続税対策が必要かどうかは、主に資産をどれくらい持っているかによって決まります。相続税には基礎控除があり、相続財産がそれ以下なら課税されません。基礎控除は「3,000万円+法定相続人の人数×600万円」です。例えば法定相続人が3人で、相続財産が4,800万円以下であれば相続税はかかりません。また、配偶者は1億6,000万円または法定相続分までは非課税です。

このことから、相続人が配偶者のみであれば相続税対策は基本的に不要です。他に法定相続人がいる場合も、資産額が基礎控除額以下であれば非課税になります。

例えば、配偶者と子ども2人が相続人の場合、賃貸用マンションと自宅不動産や金融資産などの合計が4,800万円までなら相続税対策は必要ないと考えていいでしょう。相続税の計算上、団体信用生命保険に加入することにデメリットはありません。

法定相続人が複数いる場合でも、配偶者のみが相続するのであれば税金はかかりません。ただし、その配偶者が亡くなった後の2次相続については、考えておかなければなりません。

収益目的なら団信加入、相続対策目的なら団信非加入

収益獲得を目的にマンション経営をするのであれば「団信加入・生命保険非加入(または軽減)」、相続対策が目的であれば「団信非加入・生命保険加入」とするのが、一般的にメリットの出やすい選択です。相続対策が必要かどうかは、相続財産が基礎控除や配偶者控除を超えているかどうかが判断基準の一つになります。

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