2021.07.26
不動産投資

【連載#6】仲介業者とのやり取りと価格交渉

【厳選】オーナーズ倶楽部編集部 おすすめ書籍を紹介

不動産オーナー、そして将来オーナーになる方にとって、日々の賃貸経営について、そして次の不動産投資については、いつも情報を求め、学びを深めていることでしょう。そこで、オーナーズ編集部では、多くの書籍の中から、良質な1冊を厳選し、その抜粋を紹介してまいります。

著者 大家さんYuTa

売買仲介業者とのやり取り

仲介業者さんは、価格交渉を成立し物件を購入するための重要な窓口です。

関係を良好にし、味方となってもらいたいものです。

しかしその性質上、価格交渉をする投資家とは同じベクトルを向きにくいところがあります。

売買価格が下がれば、自分たちの仲介手数料も下がるからです。

売主様と同じく、極力高く売りたい。

そんな仲介業者と良好な関係を築くべく、私なりのやり取りをお話しします。

まず仲介業者さんの、初見についてです。

仲介業者さんは、顧客かどうかの見極めを考えています。

顧客かどうかというのは、買うことのできる人なのかどうか。現金購入かローン利用か、ローン利用であればローンを組むことができるのか。

問い合わせが来た人の経済事情的に顧客になりえるかどうなのかを考えています。

先述の古家付き売地の問い合わせをした際、たいていのケースは、建物についての質問に解答したあと、問い合わせしてきた見込客が顧客となりえるかの確認のため、情報を聞こうとしてきます。

まずはこの際に正直に答えて、顧客となりえることを伝えましょう。

この際に、仲介業者さんの質問にあまり答えず、自分が必要なことだけ教えてくれればよいというスタンスの問い合わせに、仲介業者さんはうんざりしています。

そのため仲介業者さんの質問に答えるだけで、安心を得ることができます。

この初動の対応含め、内見した際等、基本的にソフトな対応をするよう心がけています。 仲介業者さんは横柄な顧客に辟易しています。

普通のやり取りをするだけで好印象になることが多く、売主様が横柄な方の場合、これだけで こちらよりに動いてもらえる可能性があります。

不動産屋さんだからと警戒しすぎないことです。自分の購入基準を事前にしっかり考えておけば、誘導にのっていっても、最終的に自分の基準に立ち戻り判断すれば問題ありません。

また、駆け引きをしすぎないこともポイントです。

狐とタヌキの化かしあいと言わんばかりに足元の探りを沢山入れる方も多いようですが、仲介業者さんに売却の決定権はありません。

駆け引きをしてもやる気を失せさせるだけに終わる傾向があります。

これは物件内見時に、指値材料のためと考え、物件の粗探しをしたり、指摘を沢山しすぎることも同じです。

価格を下げてもらうために悪いところを列挙して、だから価格を下げてください、といっても上手くいかないと感じています。

売主様に話しにくいからだと思います。そのまま売主様に話しても、じゃあ他の方に売ってと言われてしまうのでしょう。

ではどうしたらよいか。

気に入ったため買いたい、購入したいが投資用としての購入目的から希望の金額はいくらになること、その金額になる理由を収支計算や自分の購入基準をもとに伝えることが良いと感じています。

具体的には、前置きとして、価格のご相談は可能でしょうかと確認すること、そして買った後のリフォーム費用の想定のため不具合箇所は購入前に確認しておきたい、と申し出て確認します。

つぎに自分の購入基準を説明して、物件のダメ出しをしすぎずに必要なリフォームをする費用がいくらかかるか伝え、そのためいくらで買いたい、と伝えます。

数字的根拠を添えて購入希望価格を伝えることが、良好な関係を築きつつ、進めてくれる方法と感じています。

仲介業者さんも、売れなければ仲介手数料は獲得できません。

購入することができる人で、あとから金額や条件を覆すことがない人と分かれば、売主様に報告だけでもしようと思うはずです。

それでもダメであれば、ご縁がなかったと次の物件に向かいます。

また、これらを意識して仲介業者さんと関係を築いておくことは、購入申込がバッティングしたときにも影響すると感じています。

購入申込がバッティングしたときにどんな人を選ぶか。仲介業者さんも人の子です。売主様にとっても良い人を選ぶと思います。

買えることが明確で、金額や諸条件がブレない人、買った後にトラブルがなさそうな人。

駆け引きが多い人やダメ出しの多い人では心配になると思います。

気を配る対応が自分に返ってくることになることを考え、始めから応対します。

価格交渉

仲介業者さんとやり取りするうえで、仲介業者さんの状況を考えておくことも、良好な関係を築く要因です。

これまで仲介業者さんとのやり取りで、価格交渉を進めてくれやすい時期があると感じたことがあります。

それは、仲介業者さんの期末時です。

おそらくボーナス等の関係があるのだと推察しますが、3月と9月がそれに該当する時期だと感じます。

この時期に近づくにつれて、価格交渉を進めてくれやすくなると感じます。

企業の決算期でもあるので、様々な理由があるとは思いますが、仲介業者さんのそういった状況も気にしておくと良い関係を作りやすいと感じます。

また、月末に関しても、指値対応してくれやすい傾向にあると感じます。

仲介業者さんも営業ですので、月に何件契約するというノルマがあっても不思議ではありません。

契約がない月であれば、やるしかないと動いてくれやすいと感じます。

これらのことを意識して応対しておき、物件を購入すると、その後情報を紹介してもらえます。

物件を購入して買える顧客だと明確になることもありますが、声のかけやすい顧客にもなっているからです。

物件を1件買っておわりでなく、拡大していくには、将来的なことも考えて仲介業者さんとの応対をしておくこともポイントです。

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<著者プロフィール>
大家さんYuTa
1985年、埼玉県出身。25歳のときに自宅マンションを購入。自宅マンション購入後、将来について思案している中で、ロバート・キヨサキ著「金持ち父さん・貧乏父さん」に出会い、 負債を買ってしまったのかと落胆。しかし落胆していても仕方ないと奮起。自分もポケットにお金を運んでくる資産を構築することを決意。節約生活をしながら、4年かけて初めての賃貸物件を購入。安定的で手間のかからない戸建て投資が会社員と並行して運営するのにピッタリなこと、これから不動産投資で資産を構築したい方に向けて、より近い状況の自分の内容は、現実的に参考になるのではと執筆に至る。ブログ「戸建て投資体験記~サラリーマン大家YuTa~」でも情報発信し活躍中。

 

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