2021.02.12
税金

減価償却でしっかり節税【不動産経営での税金コントロール】

不動産経営をしていると、毎月安定した収入が期待できますが、不動産所得として不動産経営で得た収入は確定申告を行う必要があります。その際、減価償却という欄があるのを見たことがあるでしょう。減価償却は節税をする上で重要なものですが、どのような仕組みなのでしょうか?不動産経営における節税について、この記事で詳しく解説します。
 

減価償却費が節税になる理由

減価償却は、簡単に言うならば資産の取得にかかった費用を、各年に分割して必要経費として償却する手続きのことです。

アパートやマンションなどは、取得費用が大きいため、全額をその年の必要経費にはできません。建物の法定耐用年数の期間に従って、各年に分割して必要経費として計上するのです。しかし土地に関しては、年数が経過しても価値が変わらないことから、減価償却できません。

不動産経営で減価償却の対象となるのは、建物になります。

構造 耐用年数
木造・合成樹脂造 22年
木骨モルタル造 20年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 47年
レンガ造・石造・ブロック造 38年
金属造 骨格材
4mmを超えるもの:34年
3mmを超え、4mm以下のもの:25年
3mm以下のもの:19年

節税対策では帳簿で赤字にするのがポイント

現金の支出を伴わない減価償却費を上手く活用することで節税になるケースがあります。通常は支出をした段階で、経費となりますが、不動産は長期間使えるものです。そこで、時間の経過で減少する価値を考慮に入れて、経費計上を行います。

経費を計上することで、帳簿上で赤字を発生させることが可能となり、帳簿上で発生した赤字を、「損益通算」することで、収入を減らせることにつながります。収入が減ることで、所得税や住民税が減ります。これが不動産経営における節税の仕組みです。

中古物件の購入による減価償却費の調整

節税のために、不動産を追加して購入するケースをお聞きになったこともあるかもしれません。減価償却を狙って、中古物件を手に入れる手段です。それにより、経費の額を調整できるので、収益物件を手に入れながら、減価償却で節税を狙います。

例として、木造のアパートでは築22年を超えると法定耐用年数を超えるため、4年で減価償却が可能になります。建物の価値が4,000万円のアパートを購入した場合、購入から4年間は毎年で1,000万円償却することができます。

税務上で毎年1,000万円の経費が発生していることが、その年の税金を減らすうえで有効となります。このように、不動産を何年で償却するかが節税を考える上で重要となります。

築古は減価償却で節税できないのは注意!

毎年償却することができると、不動産経営において夢が広がると感じるかもしれません。しかし注意したいのは、減価償却とは実際に金額を減らしているわけではなく、税金の支払いを遅らせているということです。

不動産経営をしている中で、時には不動産を売却することがあるでしょう。覚えておきたいのは、不動産を売却する時には、売却時の税金が高くなる傾向があることです。なぜなら売却時には不動産所得だけでなく、不動産売却益にかかる税金があるからです。そこで出費の予定があるときに、税金の支払いを後にしキャッシュを残しておくべきケースなど、出費をコントロールするのに、減価償却が効果を発揮します。

つまりあまりにも築古の物件を購入するのは、空室問題や融資の難しさからも、不動産経営で慎重にならざるを得ません。節税対策になるとは言っても、不動産の取得から、売却の利益を含めて考えておく必要があります。

売却時の価値を予想するのは難しいですが、減価償却費は主に購入時の税金の支払いを遅らせたい場合に有効な手段と覚えておくのが賢明です。

建物の金額をいくらにするかがポイント

別の重要な点として、建物の金額をいくらにするのかということがあります。これは、減価償却が建物にのみ適用される点と関係があります。

2,000万円の不動産を例にとって見てみましょう。もし売買契約書に土地が1,000万円、建物1,000万円と記載されていると、金額は契約書通りとなります。償却額は1,000万円×0.046(木造耐用年数22年)=46万円となります。1年あたり46万円が減価償却費となるのです。

しかし売買契約書には、土地と建物の合計で2,000万円と記載されていると、土地と建物の金額を算出する必要があるのです。もし内訳を土地4割、建物6割にしていると、土地が800万円、建物が1,200万円となり、減価償却費に違いが生じます。減価償却費の計算は次の計算式となります。

土地建物2,000万円×60%=建物の金額1,200万円
1,200万円×0.046(耐用年数22年)=55.2万円

償却できる金額におよそ9万円の違いが出ます。

中古物件を購入するときには、建物の金額がいくらなのかによっても、減価償却費が変わります。物件の購入の段階から、建物の金額をいくらにするか、売り主と交渉しておく必要があるのです。不動産の購入前から、プランを立てて経営しなければなりません。

減価償却費の本質とは利益の圧縮

不動産経営において、減価償却をするメリットは、いかに手元にキャッシュを残すかという点です。利益を圧縮し、税金の支払いを先送りさせることで、手元のキャッシュを増やすことができます。キャッシュがあれば、次の投資物件の獲得や自身の保有している物件への投資に向けて動くことが可能です。

投資利回りをよくし、投資した分の回収時期を早めるのに減価償却の制度を利用することもできます。利益を圧縮することで、経営状態を向上させる働きを期待できるのです。

減価償却費を理解して不動産の節税対策

減価償却の本質を理解して、初めて不動産経営の節税対策を施せるといえるでしょう。もちろんやみくもに不動産を手に入れるだけでは、本当の節税対策とはなりません。制度をよく理解して経費計上することは、不動産経営を成功させるポイントとなるのです。

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