2021.02.10
不動産トピックス

民泊サービスを始めるなら、民泊の種類と規制を理解しておこう

一時期もてはやされた民泊ビジネスですが、昨今では規制が強化されて、ややトーンダウンした感があるようです。しかし、不動産活用の新しいかたちとして民泊が効果的なことには変わりはありません。不動産オーナーとして民泊の規制について知っておくことで、賃貸経営の幅が広がります。

目次:

民泊はなぜ拡大し、問題となったの?

2013年6月、日本政府は、訪日外国人旅行者(インバウンド)が史上初めて年間1,000万人を超えたと発表。そして2030年には3,000万人を目指すとの目標を掲げました(実際には2018年に3,000万人を達成)。同じ2013年、インターネット上で民泊を仲介するサービスを提供する「Airbnb(エアビーアンドビー)」の日本語版がオープンしました。これらが日本における民泊ブームの発端といえるでしょう。

政府がインバウンドの増加を目指すなかで、大きな課題となっていたのが宿泊施設が不足していることです。目標とするインバウンド数に対して、ホテルや旅館等の宿泊施設の供給が大幅に足りない状況だったのです。そんな問題を解消するかたちで急速に存在感を高めていったのが民泊でした。

空き家を持てあましていた賃貸住宅のオーナーなどが、こぞって民泊に参入したことで民泊市場は一気に広まり、収益性の高いビジネスとしてもてはやされました。しかしその一方で、さまざまな問題も生じてきました。利用者のマナー違反による近隣住民からの苦情や、分譲マンションに見知らぬ外国人が出入りすることによるセキュリティへの不安、民泊運営者が不明で苦情の連絡先がわからない、などです。

また、もともと日本で民泊を行うには、旅館業法の許可を受けるか、国家戦略特別区域法の特区民泊の認定を受ける必要がありました。つまり、当時流行していたのはほとんどが違法民泊だったわけです。このような状況を踏まえ、健全な民泊サービスの普及を図るという狙いの下、政府は民泊のルールを定めた「民泊新法」を2018年6月からスタートしました。

民泊規制とはどんなもの?

民泊新法では、民泊サービスを有料で提供する人を「住宅宿泊事業者」として、民泊サービスを行うにあたって厳密なルールを定めています。

まず、民泊を行うための要件を満たす住宅について、「台所」「浴室」「便所」「洗面設備」が備えられており、「現在誰かが生活の拠点としている家」「入居者の募集が行われている家」「所有者、賃借人または転借人が居住中の家」のいずれかに当てはまる必要があります。

さらに、「民泊サービスを提供できる上限は年間180日(泊)まで」「住宅宿泊事業の適正な遂行のための措置(非常用照明器具の設置、避難経路の表示など)を義務付ける」といった要件も求めています。そのうえで、都道府県に「届出」を行うことによって民泊の営業が可能となっています。

このルールでは、届け出するだけで合法的な民泊が始めやすくなったものの、年間180日という上限が設けられており、収入が制限されてしまうというネックもあります。民泊ビジネスには不利な法整備といえるかもしれません。

今から民泊を始めるにはどうすればいいか。

民泊新法によって、民泊は終わったかのような報道も一時期ありましたが、そんなことはありません。今でもしっかりと民泊で稼いでいる人もいます。では現在、民泊ビジネスで利益を上げている人はどんな運営方法を選択しているのか、それには主に次のパターンがあります。

・国家戦略特別区域法の特区民泊の認定を受ける
・旅館業法の「簡易宿所営業」の許可を取る
・民泊新法の「住宅宿泊事業者」の届出を出す
・イベント民泊

一般的なのは、「簡易宿所営業」の許可を取るパターンです。許可を取るためには、客室の延べ床面積、風呂、洗面台、トイレなどの設備の条件、建築基準法や消防法などの手続きを満たしたうえで、都道府県に申請する必要があります。その後、施設の検査を経て「許可」が下りると、民泊を営業できます。手間とコストがかかりますが、本格的に民泊するならこの方法が無難でしょう。

一方、届出のみによって簡単にスタートできる民泊新法の「住宅宿泊事業者」であっても、工夫次第で収益を確保することは可能です。たとえば、年間180日は民泊として活用し、残りの180日はマンスリー賃貸住宅やレンタルスペースに使う、といった方法です。

いずれにしても、法律に関わることですからきちんとした下調べと準備が必要です。今後もインバウンドの増加が期待できるなかで、賃貸経営に代わる一手として、民泊ビジネスを検討してみてはいかがでしょうか。

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