近年、さまざまな業界でAI(人口知能)が導入されています。不動産投資においても、AIによって投資家の不安を取り除く画期的なサービスが開発されています。ここでは不動産投資家向けのAIのサービスや、AIの導入によって不動産投資の未来がどう変わるのかをわかりやすく解説します。
不動産投資をする際に、投資家はどのように物件の価値を見極め、投資判断をするのでしょうか。賃料相場、周辺環境、駅や教育機関へのアクセス、景観や騒音など、不動産の価値を決める要素は多岐に亘ります。そのため、不動産投資は個別性が高く、機械的な投資判断は難しいといわれてきました。しかし、そのような不動産投資においてもAIを活用する動きが高まっています。
不動産投資におけるAIの応用例として、ディープラーニングの活用があります。ディープラーニングとは、コンピューターに大量のデータを投入することで、コンピューター自らがデータの特徴を把握し、分析や判断を行う仕組みです。不動産投資においてディープラーニングを活用することで、大量の物件データをもとに将来の利回りや物件の資産価値を評価できるようになります。
情報量が多い不動産投資だからこそ、ディープラーニングを用いた評価に価値があるといえます。AIで利用するデータは、売買価格や賃料の相場だけではありません。立地条件や人口動態、物件属性などの総合的な情報をもとに、賃料や空室率を詳細に予測します。また、修繕費や減価償却費などの経費項目を自動で推定し、将来のキャッシュフローを試算してくれます。
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AIを用いた不動産投資の代表的なサービスを2つご紹介します。
1つ目は、オリックス銀行が提供する「キャッシュフローシミュレーター」です。キャッシュフローシミュレーターは、リーウェイズ社が開発した「Gate.」という投資分析ツールをカスタマイズして作られました。キャッシュフローシミュレーターでは、周辺相場を含めたさまざまな情報から、賃料や空室率をAIが予測します。
また、ローンの条件を入力することで最長50年先の資金の流れをグラフ化することができます。物件購入前に資金の流れを確認することで、投資判断がしやすくなるでしょう。
2つ目は、コスモスイニシア社が提供する「VALUE AI(バリューアイ)」です。物件を登録すると、ビッグデータをもとにAIが物件の資産価値を計算し、グラフで表示します。
また、簡単な項目を設定するだけで、年間収入や利回りの正確な予測を知ることが可能です。賃料のシミュレーションとして、悲観的・楽観的など5段階のシナリオを選ぶことができ、将来的な賃料変動も加味してAIが予測します。VALUE AIは、無料で利用可能で、任意の物件を登録できますので、「保有物件を登録して一元管理する」「購入を検討している物件を追加してシミュレーションをする」など、ニーズに合った使い方が可能です。
不動産投資家は、不動産情報を直接得ることが難しいため、不動産業者を通じて情報を入手すべく業者との付き合いが重要となっていました。今後、AIを通じて不動産投資家が得られる情報が格段に増えるのであれば、不動産投資は大きく変化しますし、仲介手数料のコストダウンに繋がる可能性も出てきます。
また、AIは不動産投資情報をシンプルにわかりやすく伝えてくれるため、初心者向きでもあります。直感的に操作できる機能も多いことから、若い世代が積極的に不動産投資に乗り出すことも想定されます。これまでの不動産投資は、不動産業者とのパイプや経験則が重要であり、判断材料が多岐に渡るため、会社員が不動産投資を選ぶことには一定のハードルがあるという現状もありました。
しかし、今後は、AIによって不動産投資の敷居が下がり、若い不動産投資家が増えることが予想され、不動産投資がより身近になっていくかもしれません。
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