ニュースなどで「5G」という言葉を聞くことが増えました。5Gの普及によって日々の生活は変わり、賃貸経営への影響も予想されます。特に「管理会社選び」と「設備機器の導入」の考え方は変わっていくでしょう。家主は、これらにどのように対応すればいいのでしょうか。具体的な2つの対策について解説します。
5Gとは、第5世代移動通信システムのことです。5Gには、「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」という特徴があります。端的に言えば、インターネット接続が非常に速くなるということです。そのスピードは、1世代前である4Gの約10~100倍と言われおり、通信技術が加速度的に進歩していることがわかります。
「超高速」によって、映画やホームページをダウンロードする際のイライラはほぼ解消されるでしょう。「超低遅延」は、自動運転や遠隔手術など実用的なロボット技術を発展させます。「多数同時接続」は、無人レジや災害時の情報収集などに役立つはずです。
この5Gの普及により、住まい選びや住宅のあり方も、変化するでしょう。引越し先を検討するとき、管理会社が5G関連の設備を取り入れているとアピールポイントになります。あらゆる設備がITでつながっている住宅も魅力的です。
次項からは、家主にとして検討したい5Gへの対応をお伝えします。
5Gが不動産賃貸経営に与える影響の1つめは、「管理会社選び」です。なぜなら、5Gの普及により以下のような変化が考えられるからです。
・IT重説の普及
・VR内覧
これらに対応している管理会社を選ぶようにしましょう。今後これらが一般的になってくると、未対応の場合、入居検討者が不便さを感じて他の物件を検討してしまう可能性があるからです。
入居検討者は賃貸契約を結ぶ前に、管理会社の宅地建物取引士から重要事項説明(重説)を受けなければなりません。原則として対面で行う必要がありますが、賃貸に関しては一定の要件のもと遠隔でもできることになっています。これがIT重説です。
IT重説であれば、スカイプやLINE電話などを利用して遠隔で重要事項説明を行うことができます。入居者は自宅にいながら説明を受けられるので、小さいお子さんや病人がいる家庭の場合は喜ばれるはずです。予定も調整しやすく、迅速に実施することができます。
遠隔地を動画でつなぐVR内覧も、同様の効果があります。入居検討者は、住宅の中をそこにいるかのようにすみずみまで確認できるので、現地に行かなくても入居するかどうかを決められます。現在は撮影済のコンテンツが主流ですが、5Gの普及によって超高速の接続が実現すれば、「リアルタイムVR内覧」が増えるかもしれません。
賃貸物件を探している人がいて、管理会社の異なる物件Aと物件Bの2つが候補に挙がったとします。物件AではIT重説を導入していますが、物件Bでは導入していません。
物件Bを契約するためには、重説を受けるためにわざわざ管理会社に行かなければならず、そのために担当者とスケジュール調整をすることになります。なかなか予定が合わないと、入居検討者は面倒に感じるでしょう。
そんなとき、物件Aの管理会社から連絡が来て、明日にでも自宅でIT重説を受けられると聞いたとします。物件Aと物件Bに大きな差がなければ、「すぐに対応してもらえる」という理由で物件Aに決める可能性はかなり高くなるでしょう。
IT化に乗り遅れている管理会社に賃貸募集を依頼すると、入居検討者を逃してしまう可能性があるということです。5G時代においては、IT化にしっかり取り組んでいる管理会社を選ぶ必要があります。
5Gが不動産賃貸経営に与える影響の2つめは、設備機器の導入です。なぜなら、5Gの普及によって「スマートハウス」が当たり前になるかもしれないからです。
スマートハウスとはITを活用した住宅のことで、以下のような特徴があります。
・太陽光での自家発電
・水道や電気の消費量の見える化
・エアコンや電気の遠隔操作
・スマートロックなどスマートフォンで開閉できる鍵
現時点でもスマートハウスはありますが、いまはまだ「最先端の住宅」とされています。しかし、今後5Gが普及すると、スマートハウスが当たり前になる可能性が高いです。
スマートハウス化した賃貸住宅は、現時点でも「付加価値の高い家」として人気を集められるのではないでしょうか。スマートハウス化していないと、将来は「時代遅れの家」と思われる可能性があります。最新設備が整っていないと、入居検討者を遠ざけてしまうことになります。
もちろん、いますぐに設備をすべて入れ替える必要はありません。しかし、今後設備の入れ替え工事やリフォームを行うとしたら、スマートハウス化は必ず意識するべきです。
5Gの普及によって、超高速の通信網が実現します。すると入居者募集においては、IT化に取り組む管理会社を選定することがますます重要になります。IT重説やVR内覧などで遠隔地の入居検討者に対応できることが、付加価値になるのです。また、住宅設備に通信機器を取り入れたスマートハウスが増えていくことが予想されます。今後の設備更新時は、スマートロックや電気の遠隔操作などを取り入れることも検討すべきでしょう。
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