2020年に起きた新型コロナウイルス感染拡大防止のために実施された外出自粛。休業した事業所・商店も多く、そこで改めて思い知らされたのが、「収入がなければ家賃は払えない」という事実です。
それは賃貸経営を行うオーナーにとってそのまま家賃滞納リスクにもつながります。家賃保証会社を利用するという選択肢もありますが、これだけ収入減の人が増えると、滞納家賃の立て替えで倒産する保証会社もあるのでは?という心配も出てきます。安心できる保証会社を選ぶにはどのようなポイントがあるのでしょうか。
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新型コロナウイルスは、外出自粛による経済の停滞を招き、入居者、オーナー、不動産会社それぞれに重大な影響を与えています。オーナーにとっては入居者が職を失って家賃を支払えなくなる事態が生じ、改めてリスクヘッジの大切さを思い知らされる状況になっています。
賃貸経営においてのリスクヘッジは、家賃保証会社を利用する方法が代表的です。保証会社のサービスを利用すれば、万一家賃の滞納があった場合でも、保証会社が速やかに立て替えてくれます。オーナーにとっては家賃が未収になるリスクを回避できます。では、どのような保証会社に委託すればよいのでしょうか。安心できる保証会社を選ぶポイントは次の3つです。
ポイントの1つめは財務基盤が盤石な保証会社であることです。保証会社は金銭を保証するため、財務基盤が安定していることが非常に重要です。保証会社の中には、借入比率が高く経営状況の厳しい会社もあります。事実、2020年4月17日に北海道札幌市のグローバル賃貸保証が、「コロナの影響」という理由で、経営破綻しています。
こうした保証会社の破産・廃業の背景には経済環境の悪化に伴う、「代位弁済」の増加があったと考えられます。代位弁済とは、保証会社が滞納している入居者の代わりに家賃を支払い、入居者へ請求する権利を得ることです。したがって、家賃の立て替えである代位弁済にも耐えられる盤石な財務基盤が必要なのです。
安全な財務基盤の目安になる指標としては、「自己資本比率が50%以上」あれば優良企業といわれています。これに加え、有利子負債がゼロであれば、盤石な財務基盤と考えてよいでしょう。
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2つめは、入居者の状況を把握し、それに合わせてサポートをしている保証会社です。家賃を払えないのはそれなりの理由があるからで、その事情を知らなければ解決方法も見出せません。新型コロナウイルス問題では特に職を失ったり、収入が減り、家賃を払えなくなった人が多いでしょう。まず、入居者の現状をヒアリングする必要があります。
意外に思うかもしれませんが、単に家賃の督促をするだけでなく、入居者に食糧支援や公的支援の提案などを行っている保証会社もあるのです。そこには、食事もとることができない状況から脱してもらい、生活を立て直すことが先決で、そこから再び家賃を支払える生活に戻って欲しいという願いが込められています。
入居者支援の実施の有無は、保証会社のホームページに「入居者相談窓口」が設置されていたり、支援する内容が掲載されていれば、確認することができます。
そして、3つめが新型コロナウイルスによる家賃の滞納に対して、オーナーが抱く不安を解消できる保証会社です。滞納する人が増えることで、保証会社が立て替える金額が増え、行く行くは立て替えることができなくなるのでは?というのは当然抱く疑問でしょう。
そこで、保証会社選びで究極の選択をするなら、上場企業であることが最も安心なポイントといえます。上場企業に委託することには次のようなメリットがあります。
・財務状況を開示している
上場企業は自社の財務状況を開示しなければいけません。そのため、その会社の財務状況を自身の目で確認することができます。
・社会的信用が高い
上場企業にはCSR(企業の社会的責任)を果たす使命があります。したがって、上場企業に対する社会の目が厳しいので、強引な家賃の取り立てや、法令違反などをする心配がありません。社会的信用が高い上場保証会社に委託することは、大きな安心感につながります。
・内部留保が厚い
上場企業には業績が順調な会社である限り、豊富な内部留保(利益剰余金)があります。内部留保が数十億円あれば、家賃保証の負担が増えてもほとんど影響がないレベルといえます。仮に家賃10万円の入居者が1,000人滞納したとしても1億円の立て替えですので、通常は年度内の利益で十分に賄える金額です。
新型コロナウイルス問題では、政府によるさまざまな経済支援策も実施されますので、支援金が振り込まれれば、未納だった家賃を払ってくれる人もいるでしょう。保証会社がずっと立て替えたままということはないので、経営に支障が生じるという心配は必要ありません。
新型コロナウイルス問題は長期化する可能性もあります。この機会にご利用の保証会社が安心かどうか、きちんとしたサポート体制が整っているかどうか、いま一度見直してみるのもよいのではないでしょうか。
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