2021.02.12
賃貸経営

新型コロナの賃貸経営への影響-正念場は2021年にやってくる?

「賃貸経営のインカムゲインは不況に強い」と言われています。しかし、新型コロナウイルス感染拡大による日本経済の落ち込みは戦後最悪の水準とも言われており、賃貸経営においては家賃滞納リスクが高まっています。失業率の推移をもとに、賃貸経営の先行きを考えます。

 

 

非正規労働者の減少幅は過去最高。失業率6%台の予測も

失業率の影響を最も受けやすいのは、雇用調整がしやすいパートやアルバイトなどの非正規労働者です。そのため、非正規労働者の入居が多い賃貸物件では事前対策が急務になります。

直近の非正規労働者の置かれた環境をチェックしてみましょう。総務省が発表した2020年4月の労働力調査によると、非正規労働者は前年同月比で97万人も減少。これは比較可能な2014年1月以降で過去最大の下落幅でした。

この非正規社員への影響は、今後のさらなる悪化が懸念されます。そして2020年4月の完全失業率も前月比0.1ポイント上昇の2.6%と、2ヵ月連続で悪化しています。こちらも徐々に上がっており、雇用調整の影響は正社員にも波及するかもしれません。

新型コロナウイルスによって、今後どれくらい失業率が上昇するのでしょうか。これについては様々な見方がありますが、野村総合研究所が2020年5月にリリースしたレポートでは、実質GDPの下落幅などをもとに算出すると、景気の落ち込み幅はリーマンショック後の約1.3倍であり、失業率は戦後最高の6%台に乗る可能性があるとしています。

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失業率がピークに達するのは2021年に入ってから?

次に、新型コロナウイルスによる家賃滞納リスクが本格的に高まるタイミングを考えます。日本では雇用が守られているため、経済危機が起きてから失業率が上昇するまでタイムラグがあります。リーマンショック時を参考にすると、2021年以降に厳しさが増すという見方ができます。その中身を詳しく見ていきましょう。

リーマンショック前後の日本の失業率は、アメリカでサブプライムローン問題が起きた2007年から2008年上期にかけては3%台付近と低い水準でしたが、世界金融危機が顕在化した2008年9月頃から徐々に悪化します。戦後最悪と言われる失業率5.5%の水準に達したのは、世界金融危機から約10ヵ月後の2009年7月。それから翌年の2010年まで、約1年半に渡って失業率は5%前後で推移しました。

リーマンショック時の流れを新型コロナに当てはめると、感染拡大が本格化し、株価が1万6,000円台まで暴落したのは2020年3月。タイムラグが10ヵ月だとすると、失業率がピークに達するのは2021年1月頃です。ピークから約1年半は失業率が高止まりすると想定すると、2022年上期までは厳しい状況が続くと考えられます。

これはあくまでも想定であり、新型コロナの第2波・第3波が起こったり、ワクチン開発が遅れたりすれば、さらに失業率の高止まりが長引く可能性もあります。いずれにせよ、大切なことは長期的な厳しい状況に備えることです。

高まる「家賃滞納リスク」に対して賃貸オーナーが取るべき事前対策

高まる失業率に対して賃貸オーナーが取れる事前対策に、入居者への積極的な情報提供があります。失業しても各種支援制度を利用すれば、当面の生活資金を確保したり(緊急小口資金や総合支援資金など)、家賃の負担を抑えたり(住居確保給付金)できます。

このような有益な情報をチラシなどで入居者へ事前にお知らせする、あるいは賃料滞納が発生したときにスピーディーにサポートすれば、家賃滞納リスクを回避しやすくなります。

ただしこのような対策を講じても、家賃滞納リスクをゼロにできるわけではありません。完全なリスクヘッジをするなら、家賃保証サービスの利用が最も有効でしょう。これまで利用したことのなかったオーナーは、これを機に検討してみてはいかがでしょうか。オーナーが直接契約できる家賃保証会社もあり、現在入居中の方でも利用できるプランもあります。家賃滞納が発生してからでは、取れる対策は限られてしまいます。

早めに手を打っておけば、厳しい経済環境下でも安定した賃貸経営を行うことができるのです。

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