2021.02.12
賃貸経営

苦情の原因!「ベランダ喫煙」をやめさせる方法とその法的根拠

社会的な禁煙ムードの高まりにより、自宅内で煙草を吸いづらい人がベランダで喫煙をする光景が見られるようになりました。いわゆる「ホタル族」と呼ばれる人たちですが、このベランダ喫煙についても入居者同士のトラブルになりやすく、多くの集合住宅で苦情の原因となっています。

所有物件でベランダ喫煙の苦情が出たら、どう対処すべきなのか。ベランダ喫煙をやめさせるための具体的な対処法や、そのために知っておきたい法的な根拠などについても解説します。

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Q:ベランダで喫煙している人がいるとの苦情が来ており、やめさせたい。どう対応すべきでしょうか。

A:ベランダでの喫煙は洗濯物に悪臭がついてしまうといった直接的な苦情の原因になるだけでなく、受動喫煙や火の不始末による火災の原因になるなど、多くのリスクをはらんでいます。「個人の住宅内のことだから」と抗弁する入居者は多いのですが、実はそれに対抗しうる法的な根拠があります。しっかり対応して、ベランダ喫煙はやめていただきましょう

ベランダ喫煙がもたらす、3つの問題

ベランダでの喫煙には、主に3つの問題があります。以下が、その3つです。

1)悪臭
2)受動喫煙
3)火災リスク

特に苦情として多いのが、1番目の悪臭問題です。隣家や上階のベランダで洗濯物を干していると煙草の煙が漂ってきて臭いがついてしまうといった苦情です。煙は上に向かう性質があるため、特に上階からの苦情が多くなります。

2番目、3番目についてはすぐに影響が出る問題ではありませんが、煙が漂ってくることによって受動喫煙の懸念を持つ人は多いでしょうし、火災を心配する声が出るのも理解できます。

ベランダ喫煙をやめさせる段階別対処法

ベランダで喫煙をしている人に対して喫煙をやめてもらうためには、3つの段階があります。それぞれ順を追って解説していきましょう。

第1段階 張り紙などで住民全体に周知、啓蒙する

特定の誰かを指すのではなく、「ベランダ喫煙はやめましょう」という趣旨の張り紙で住民全体の周知、啓蒙します。火災の危険があるだけでなく、改正健康増進法の観点からも受動喫煙が社会問題化していると伝えるのがよいでしょう。

第2段階:具体的な喫煙者を特定して文書でやめるよう通知

特定の名指しをすることなく周知してもベランダ喫煙が改善されない場合は、苦情の対象となっている入居者を特定し、文書にてベランダ喫煙をやめてほしいこと、苦情が来ていることを伝えます。「言った言わない」の水掛け論を防止するために文書で伝達し、オーナーも控えを保有しておきます。

第3段階:不法行為として法的手段に出ることを伝え、警告する

第2段階の通知をもってしてもベランダ喫煙をやめない場合、もしくは「自分の家の中のことだから」と抗弁してきた場合は、法的手段を示唆しながら警告をします。この時の法的根拠は、民法第709条の「不法行為による損害賠償」です。

実際に名古屋地裁で平成24年12月13日に、階下の住人がベランダで喫煙をしたことによる健康上の被害が出たとして、損害賠償が認められた判例があります。この時、ベランダ喫煙をしていた被告は「ベランダ喫煙を禁じる規則はない」と反論しましたが、判決では喫煙者による不法行為が認定されました。

警告時にはこの判例を用いてもよいですし、そうでなくても民法第709条の規定によりベランダ喫煙がもたらす悪影響が損害賠償の対象になり得ることを伝えるのが有効です。

そもそもベランダは「専用使用」スペースである

ベランダでの喫煙を咎められた人がよく用いる抗弁が、「自宅内のことだから」というものです。「家の中で喫煙するのは個人の自由だ」というわけです。しかし、この抗弁には事実誤認があります。それは、ベランダが専有部分ではなく専有使用権を持つスペースであることです。

室内は専有部分なので、契約で規定していない限り、ここで喫煙をすることは個人の自由です。しかし、ベランダは火災時の避難経路になるなど共用部分となっているものの、それぞれの住人が独占的に利用できるスペースとなっています。つまり、「自宅内だから」という抗弁は成立しないわけです。

先ほどご紹介した名古屋地裁の判決では、このことについては争われていませんが、改正健康増進法が存在しない時期に喫煙がもたらす他者への損害が認定されたことがポイントです。現在はこの判例に加えて改正健康増進法があるため、よりベランダ喫煙をやめさせる法的な根拠は強くなっていると言えます。

よって、第3段階の警告をもってしてもベランダ喫煙をやめない入居者に対しては、弁護士に相談するなど具体的な法的措置をとることの有効性が高まります。

今後に向けてベランダ喫煙を防止する方法

現在はまだベランダ喫煙の問題が起きていなくても、これはどのマンションにも起こり得る問題です。ベランダ喫煙の問題を未然に防ぐためには、マンション規約に明確に盛り込んでおくことが有効ですが、それに加えて喫煙に否定的な人たちに対するイメージアップの観点から「全館禁煙」にするのも一考の価値があるかもしれません。
 

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