お風呂のリフォームは費用が比較的高くつくため、賃貸経営では迷う人が少なくありません。したほうがよい場合・しないほうがよい場合の見極めポイント、リフォームに代わる部分修繕のテクニックを紹介します。
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目次
賃貸物件オーナーからは「お風呂のリフォームは費用が高い」とよく漏れ聞こえますが、実際にどれくらいかかるのでしょうか。一例として、0.75坪のお風呂のリフォームで考えてみましょう。
リクルート、NTT東日本などが出資する「ホームプロ」のリフォームサイトのデータ分析に基づくと、お風呂のリフォーム(0.75坪)の中心価格帯は50~100万円です。全体の66.7%を50~100万円が占めています。
引用:ホームプロ – 浴室~0.75坪(1216~1317)リフォームの費用と相場
一方、その下の価格帯の50万円未満はわずか4.4%です。これらのデータを踏まえると、ユニットバスや設置工事の費用を抑える努力をしても、お風呂の全面リフォームには50~60万円程度はかかると見るのが妥当でしょう 。
仮に、60万円の費用をかけてお風呂を全面リフォームして、家賃を5,000円アップできたとしても費用を回収するのに10年かかります(5,000円×12ヵ月×10年=60万円)。当然ながら、もっと広い1坪や1.5坪になるとさらに費用はかさみます。やはり不動産投資において、お風呂のリフォームは慎重に考えるべき課題でしょう。
ただし勘違いしていただきたくないのは、本稿では賃貸経営におけるお風呂のリフォームを否定しているわけではないということです。大切なのは、「リフォームをした方がよいケース」と「しない方がいいケース」の見極めです。典型的な「リフォームをしない方がよいケース」は次のような場合です。
賃貸物件の築年数がかなり経っていて躯体自体が傷んでいる場合は、お風呂のリフォームを慎重に考えるべきでしょう。仮に、全面改修して入居者がすぐに決まっても、建物自体の残りの寿命が短ければ投資した資金を回収できません。
施工費用が数万円など、それほど費用のかからないリフォームであれば、「とりあえず試してみる」という選択もあるでしょう。
しかし、お風呂のような高額リフォームの場合は、管理会社やオーナーが「お風呂を直せば、入居者を絶対に決められる」という確信がもてないなら実行すべきではありません。高額な費用を投下したのにも関わらず、「入居者が決まらない」「家賃を大幅に値下げしなければならない」といった状況に追い込まれる可能性があります。
住宅設備を充実させるだけが賃貸経営の正解ではありません。エリアや競合物件の状況から「家賃が格安の物件のニーズが高い」と判断できるような場合は、リフォームでコストをかけるよりも、家賃を安く設定した方がベターというケースもあります。
一例では、エリア内の「1人暮らし高齢者が増えている」「生活保護者の住宅が足りない」といった状況が該当します。
ユニットバスを丸ごと変えると高額な費用がかかりますが、部分修繕だけならコストをかなり抑えられます。浴室は賃貸物件の魅力的に見せる大きなポイントで、少しの手を入れるだけでも空室対策になるものです。「お風呂のリフォームをしない方がよいケース」でも、やれることはたくさんあります。下記はその一例です。
内見者がお風呂場をチェックしたとき、浴室鏡は面積があるため意外に目につく存在です。そのため、浴室鏡がカビや水垢だらけで劣化していると、それだけで不衛生な印象をお風呂場全体に付けてしまいます。
浴室鏡は交換しても費用がそれほどかからないため、傷んでいるなら交換するのも一案です。たとえば、大手ホームセンターのコメリで浴室鏡を購入・交換した場合、鏡は数千円円程度、工事費は10,000円~程度(税込、既存品処分含む)で済みます。
たとえば、コメリのFRP浴槽交換工事の費用は17,000円~(80センチ角以上、税込、処分費別途)、シャワー付混合水栓の工事費用は10,000円~(税込)です。これに浴槽や水栓の実費をプラスすれば部分リフォームが可能です。ちなみに、コメリでのシャワー付混合水栓の販売価格は11,800円~程度です。
お風呂の壁面にダイノックシート(フィルム)を貼ることで、浴室のイメージを刷新することもできます。ダイノックシートとは、表面に大理石調や木目調などの柄をプリントした塩化ビニル樹脂製のフィルムシートです。室内用だけでなく、屋外用や水回り用などを揃えます。
ダイノックシートは浴室の全面に貼ることもできますし、傷んだ一部に貼ることもできます。施工方法はブログやYouTubeなどで数多く紹介されています。器用な人はDIYでやってもいいですし、自信のない人は業者に依頼するのもよいでしょう。
この他、壁面をキレイにする方法としては、塗装やパネルを使う手もあります。
お風呂に限らず、不動産投資におけるリフォームは、「投資した費用を取り返せるか」が何より重要です。そのため、リフォームをしないことが最善策ということもあります。その場合でも、代替アイデアを練って少しでも物件の魅力を高める努力が必要です。
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