2021.02.12
税金

火災保険は確定申告で控除できないって本当?

確定申告の際に控除対象の一つとなるのが各種保険料の税金控除です。ところが火災保険は保険料控除の対象になりません。その理由とはなんでしょうか。また地震保険や被災時に受け取る保険金の税金はどうなるのでしょうか。

また、物件オーナーの場合には、賃貸物件にかける保険と自宅にかける保険とを一緒に考えてしまわないよう注意が必要です。それぞれの場合について、詳しく確認していきましょう。

自宅にかける火災保険は確定申告時に保険料控除の対象とならない

火災保険は、以前は「損害保険料控除」という制度の対象になっていました。長い間その制度が定着していたこともあり、いまだに火災保険を確定申告の際に控除できると思っている方は多いかもしれません。

しかし、平成18年の税制改正により平成19年度分からこの制度が廃止されたため、火災保険料を確定申告で控除できなくなりました。ただし、経過措置がとられていて以下の条件を満たせば控除の対象になります。

・平成18年12月31日までに締結した契約(保険期間または共済期間の始期が平成19年1月1日以後のものは除く)
・満期返戻金等のあるもので保険期間または共済期間が10年以上の契約
・平成19年1月1日以後にその損害保険契約を変更していないもの

満期返戻金のある10年以上の長期火災保険(旧長期損害保険)に加入している方は、契約内容を確認しておきましょう。

自宅にかける地震保険は保険料控除対象

「損害保険料控除」制度の廃止で、代わりに控除になったのが地震保険を対象にした「地震保険料控除」です。実は地震保険は単独で加入することはできず、火災保険とセットで加入する仕組みになっています。そのためセットの中で地震保険の部分が「地震保険料控除」の対象になりました。

それだと控除額が半分になってしまうのかと心配になるかもしれませんが、地震保険の控除額は、保険料が5万円以下の場合は支払った保険料の全額、5万円を超える場合は一律5万円が控除されます。

旧長期損害保険料控除の限度額が2万円を超える場合は1万5,000円ですので、比率からすると控除限度枠が拡大しているのです。

地震保険と旧長期損害保険の両方が適用になる場合は合計額を控除できますが、同一契約で加入している場合はどちらかの契約分しか控除できないため注意が必要です。

【保険を別契約している場合の控除額例】
・地震保険料が3万円で、旧長期損害保険料が2万円の場合は、3万円(支払金額が控除)+1万5,000円(2万円超は一律1万5,000円の控除)=4万5,000円

・地震保険が5万円で旧長期損害保険が2万円の場合は5万円。両方が適用された場合でも限度額は5万円

賃貸物件にかける火災保険料・地震保険料は控除対象とならないが経費計上が可能

自宅にかかる地震保険の場合とは異なり、賃貸物件にかかる地震保険料は、所得から控除できる地震保険料控除の対象とはなりません。物件オーナーの場合には、地震保険料控除の対象となる自宅の地震保険料と、控除対象とならない賃貸物件の地震保険料を明確に区別しておきましょう。

賃貸経営を行うオーナーの場合、所有する賃貸物件にかける火災保険・地震保険の保険料は、所得から控除することはできませんが、不動産収入にかかる必要経費として計上することが可能です。経費として計上することで不動産所得を圧縮できるため、忘れずに経費として計上しましょう。

なお、保険料を経費として計上する際には、保険料のうちどこまでを経費計上できるのか、確認する必要があります。保険料を安く抑えるために、保険料を次年度以降の分まで一括で支払う場合には、全額を一括で経費計上することはできず、その年度分の保険料のみを経費として計上することになるため注意が必要です。

被災したときに給付される保険金は原則非課税

被災したときに給付される保険金は原則非課税ですが、ケースによって異なります。

個人の自宅が被災した場合

保険金をかけていた人が自宅建物の焼失や、身体の傷害・疾病などにあった場合に受け取る保険金は原則として非課税のため、個人の自宅が被災した場合に受けとる保険金も非課税です。

個人で所有する賃貸物件が被災した場合

個人で所有する賃貸物件が被災し、保険金が給付された場合には、修繕にかかった費用にかかわらず
、受けとった保険金は非課税となります。また、受けとった保険金の金額以上に修繕費がかかった場合、差額は全額経費として計上することが可能です。

法人が所有する賃貸物件が被災した場合

法人が受けとったものはすべて収入となるため、法人が保有する物件が被災して受けとった保険金についても、収入として課税対象となります。

上述のように、火災保険・損害保険の保険料については、その保険が賃貸物件にかかるものなのか、自宅にかかるものなのかによって取り扱いが異なります。また、受けとる保険金についても、個人として受けとるのか、法人として受けとるかによって、課税対象となるかどうかが変わります。何に対しての保険なのかをよく理解し、保険を上手に活用してリスクに備えましょう。

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