2021.05.12
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賃貸住宅に外国人を受入れるメリットとデメリット、リスクを克服して空室対策に

外食チェーンやコンビニエンスストアなどで、外国人店員の姿を見ることも日常となりました。こうした外国人労働者は旅行者ではないため、住居が必要です。空室リスクが大敵である賃貸オーナーにとって、こうした外国人による新たな賃貸需要は有望なものであり、その一方でどこかリスクを感じる存在ではないでしょうか。

直近の「コロナ禍」により訪日外国人数が急減しているものの、政府は外国人労働者の受け入れ緩和に動いています。今後さらに増えることが確実視されている外国人を、賃貸オーナーはどのように受け入れるべきでしょうか。賃貸住宅に受入れることによって起きうること、メリットやデメリットについて解説します。

国内の外国人居住者が増え続けている

2019年6月の時点で、在留外国人数は270万人に迫る数となっています。200万人超であった2013年から増加の一途をたどっており、この「日本で働きたい人」と「日本に来て働いてほしい企業」がある限り、この傾向は続くでしょう。

人口が減少していく日本において、働き手を確保する意味でも外国人労働者は重要な位置づけにあります。国もそのことを踏まえ、外国人労働者の受入れに積極的です。2019年には出入国管理法が改正されて、新しい在留資格である「特定技能」が設けられました。今後は高度な技術と日本語力を持つ外国人居住者が増える見込みです。

これからの賃貸経営において、外国人居住者の存在感はますます増していくでしょうし、この有望なマーケットに着目する賃貸オーナーが増えることも自明の理です。

入居者として外国人を受入れるメリットとデメリット

入居者として外国人を受入れることには、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。賃貸オーナーの目線で整理しました。

外国人を入居者として受け入れるメリット

賃貸オーナーにとっての外国人入居者は、新たな「顧客」です。人口減少時代を控えて空室リスクの上昇に警戒感をお持ちの賃貸オーナーは多いと思いますが、外国人入居者が安定して入居してくれるのであれば、有効な空室対策になります。

外国人を入居者として受け入れるデメリット

賃貸住宅に外国人入居者を受入れるデメリットとして考えられるのは、主に以下の3つです。これらはすべて、多くの賃貸オーナーが想像しやすいものだと思います。

(1)家賃滞納リスク
家賃の支払いに対して日本人と異なる価値観をもっている可能性があり、「お金がなくて支払えない」という理由だけでなく、退去時に「どうせ退去するから」「帰国するから」という理由で家賃を滞納したまま退去してしまう可能性が考えられます。そのまま帰国してしまうと回収困難になるのは必至です。

(2)言葉や文化の違いによるトラブル
家賃に対する考え方だけでなく、外国人にはそれぞれの言葉や文化の違いがあります。オーナーとの意思疎通が難しいだけでなく、異なる国籍の外国人同士が同じ賃貸住宅に住んでいると入居者同士のトラブルが起きる可能性があります。

また、日本では賃貸住宅に入居する時には入居者を特定するのが普通ですが、国によっては慣習が異なる場合もあります。外国人のなかにはこの意識が希薄で知人などを勝手に住まわせたり、それによって騒音や悪臭が発生するなどのマナー違反が起きたりすることが考えられます。特に宗教などが関係するトラブルは本人に悪意がないこともあるため、日本人からは理解しにくい部分があります。

(3)家賃相場の違い
日本よりも物価水準が低い国の出身者にとって、日本の家賃が高すぎて入居できない、入居できたとしても毎月の家賃の支払いが困難になってしまうことがあります。また、礼金は日本独自の商慣習です。礼金について丁寧に説明し、理解を得る必要があります。

リスクへの適切な対策で新たなマーケットにアクセス

外国人入居者を受入れるリスクとして3つの可能性を挙げましたが、逆に考えれば、これらのリスクを克服することができれば、外国人を有望なマーケットと見なすことができます。そこで、それぞれのリスクを克服する方法を提案していきます。

家賃滞納対策

家賃滞納の対策として日本人の保証人を求めるケースが多く見られますが、それが見つからないことだけを理由に入居を断るのはもったいないことです。この場合は、外国人入居者の連帯保証を受け付けている家賃保証会社があるので、こうした会社を利用することで滞納のリスクを解消できます。

生活マナーなどのリスク対策

外国人入居者を受け入れるとき、セットのように語られるのが、生活マナーの問題です。騒音や多人数の出入り、ゴミ出しのルール違反などがよく見られる問題ですが、これらのリスクを抑えるために守るべきルールを契約書に明記し、遵守を確約する書面を交わしておきましょう。

また、入居時の重要事項説明では外国人入居者が理解し、承諾していることが確認できるまで説明を徹底することも有効です。

家賃、礼金が折り合わず入居してもらえない場合の対策

お金が足りないという理由で入居できないケースが多くみられるのであれば、国の支援を活用するのもひとつの手です。住宅確保要配慮者が住むための住居を確保するための制度として「住宅セーフティネット制度」があり、これに登録をすることで家賃を安くするための補助などを受けることができます。この制度が対象としているのは低所得者や高齢者、障碍者などですが、外国人も対象となっています。

外国人であることを理由に入居できない人たちがいる

島国である地理的な背景もあって、日本は諸外国と比べると国際化が遅れがちです。しかしいまとなっては外国人労働者が不可欠な存在となり、賃貸住宅においても有望なマーケットとなっている現実があります。外国人であることを理由に入居を断られている人が依然として多いことは国民性の表れでもありますが、こういった人たちを有望なマーケットにしていくことは社会貢献の一環でもあります。

しかも以前とは違って、外国人を受入れる場合には身元保証や給与保証などが求められるなど手続きが厳格化されており、今後は属性が高く身元も確かな外国人も増えていくと思われます。「外国人だから」と反射的に避けるのではなく、家賃保証をつけるなどのリスク対策をしたうえで有望なマーケットとするのが、これからの賃貸オーナーに求められるビジネスセンスなのです。

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