2021.07.14
賃貸経営

家賃保証会社の仕組みを理解!信頼できる会社を選ぶコツは?

不動産オーナーは、家賃保証会社の仕組みを利用することで、費用負担ゼロにもかかわらず家賃滞納に関わる損失を軽減し、空室リスクを減らせる可能性があります。「家賃保証会社」といっても、オーナーと入居者にとって、滞納した家賃の保証以外にもいざという時に心強いサポートを得ることができる仕組みが用意してされている場合もあります。是非参考にしてみてください。

【著者】水沢 ひろみ

 

オーナーのための家賃保証
「家主ダイレクト」

家主ダイレクトは、27万人を超えるオーナーに利用されている「オーナーが直接使える」家賃保証サービスです。

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家賃保証会社とは

家賃保証会社とは、入居者が契約の期日までに家賃を支払うことができない事情がある時に、入居者に代わって家賃の支払いを保証してくれる会社のことです。

近年、連帯保証人に代わり、家賃保証会社の仕組みを利用するケースが増えています。では、なぜ家賃保証会社の利用が増えているのでしょうか?

連帯保証人を立てても安心とは限らない

従来は賃貸借契約に際しては入居者側が連帯保証人を立てることが一般的でした。しかし、核家族化や高齢化の進展などにより、連帯保証を引き受けてくれる親族などがいない人は増えています。

そればかりか、現在では民法が改正されたことによって連帯保証人が負担する上限額を契約書に明記しなければ契約自体が無効とされてしまうようになっています。

このような条件がある中で何とか連帯保証人を立てても、必ずしも損害の全てを求償できるとは限りません。入居時に立てた連帯保証人の信用力が変わることもあります。連帯保証人を立てれば必ずしも安心、とは限らないのです。

一方で家賃保証会社の仕組みを利用すれば、入居者は連帯保証人を立てられなくても部屋を借りることができます。また、オーナーも家賃保証会社との契約によって連帯保証人以上の保証が得られる可能性があります。家賃保証会社の仕組みを利用することは、オーナーにとっても入居者にとってもメリットがあるのです。

入居者の信用力の調査も任せられる

不動産の賃貸借契約では、入居者の信用力の調査は重要です。不動産オーナーにとって滞納のリスクのある入居者は避けたいものですが、だからといって入居者の選定を厳しくすれば空室リスクは高くなってしまうため、こういった部分の判断はオーナーにとって難しい部分だといえます。

たとえば、大企業に勤めていて安定的な収入がある人でも借金を抱えている可能性はありますし、たとえ収入が少なくてもまったく滞納せずに支払うような人もいます。書類上の審査だけで入居者の判断をするのは難しいでしょう。

家賃保証会社は、入居時の審査で、入居希望者の収入・職種・雇用形態・勤続年数・過去の滞納歴などの信用調査を入念に行います。なぜかというと、家賃の滞納などがあればそのリスクを負うのは家賃保証会社だからです。

家賃保証会社を利用すれば、このような入居者の信用力の審査も安心して任せられます。

単独世帯の増加と孤独死対策の必要性

単独世帯率の推移と65歳以上の単独世帯数の推移(2020年以降は予測)

出典:2015年まで総務省統計局「国勢調査」、2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)2018(平成30)年推計」(2018)

この図は、未婚率の増加、核家族化の影響などにより、世帯主が一人という単独世帯が増加しているという総務省の統計です。65歳以上の単独世帯の増加が目立っており、2040年には単独世帯となる割合が全世帯の約40%に達すると予測されています。

入居者の審査にあたっては、65歳以上の高齢者の入居は敬遠される傾向があります。しかし、人口が減少し、高齢者の割合が高まる今後の不動産経営で、高齢者の入居は避けながらも空室は出さないようにする、ということはますます難しくなるかもしれません。

家賃滞納や孤独死への対策なども考えた時、家賃保証会社の仕組みを利用するメリットは大きいでしょう。

信用力のある家賃保証会社を選ぶことが重要

家賃保証会社の仕組みを利用するオーナー側の唯一のデメリットとして、家賃保証会社の倒産のリスクがあります。家賃保証会社を利用していれば入居者の滞納などのリスクはなくなりますが、家賃保証会社自体が倒産してしまえば、その後の保証がなくなってしまいます。

それでは、家賃保証会社は何を基準に選べば良いのでしょうか?以下2つのポイントに絞って紹介します。

資本金と売上高の大きさ、企業の規模と収益力が重要

家賃保証会社は、入居者の不測の事態が起こったときに家賃を立て替えることで、不動産オーナーの不動産経営のリスクを軽減する機能を持っています。確実に保証してもらえるかどうかは家賃保証会社の財務的な信用力が大切だといえますが、家賃保証会社の財務的な信用力は何を基準に判断すれば良いのでしょうか?

まずは、資本金の大きさや売上高、契約者の多さなどを基準に考えることがひとつです。資本金の大きさは、会社の規模や、いざという時の支払い能力をみる基準になります。資本金とは、簡単に言えば、借り入れたお金ではない会社自身の資金ですので、資本金の大きい会社はそれだけ経済的な体力があり倒産のリスクが低いということを示しています。

また、契約者が多く売上高が大きい会社というのはそれだけ資金が集まってくるということですので、将来的な倒産のリスクも低くなります。つまり、家賃保証会社の信用力を知りたい場合には、資本金や売上高の大きさ、契約者の多さが目安になるのです。

家賃保証業務を行う業者を国に登録する制度

家賃保証会社を選ぶ基準としてのもうひとつは、家賃債務保証業者の登録の有無です。

現在、家賃保証会社を規制する法律はありませんが、家賃保証業務を行う業者を国に登録する制度があります。任意の制度ですので登録しなくても家賃保証業を営むことはできますが、登録している会社は家賃債務保証業を適正に、かつ確実に実施することができる会社として、国が定めた基準に沿って営業しているとみなされます。

そのため、このような家賃債務保証業者の登録を確認しておくことも、家賃保証会社の信用力をみる指標のひとつとして参考になるでしょう。

家賃の請求・集金はどのように行なっているか

家賃保証会社では、家賃の請求や集金はどのように行っているのでしょうか?家賃保証会社のタイプは二つあり、オーナーからの弁済請求後に支払うタイプと収納代行のタイプに分かれます。

そこで、この章ではこの二つの違いについて説明します。また、それに加え、家賃保証会社の催促があるにも関わらず家賃が払われない、あるいは払われないまま退去されてしまった場合の保証会社の対応とオーナー側の対応・注意点についても解説していきます。

オーナーからの弁済請求後に支払うタイプ

オーナーからの弁済請求後に支払うタイプとは、入居者による家賃滞納があった場合に、オーナーが家賃保証会社へ家賃の弁済請求を行うものをさします。家賃保証会社はその請求を受けてオーナーに弁済し、入居者に対して求償する仕組みです。

このタイプの場合、家賃滞納が発生した場合には、オーナーから家賃保証会社への請求の手続きが必要です。したがって、オーナーは家賃の滞納がないかを毎月オーナー自身でチェックしなくてはなりません。

収納代行タイプ

収納代行タイプとは、毎月家賃の集金を家賃保証会社が代行する仕組みをさします。毎月一定の日に家賃保証会社がオーナーの口座へ入金し、入居者は家賃保証会社へ家賃の支払いを行います。

そのため、万が一家賃の滞納が生じても、オーナーはその都度家賃保証会社へ連絡する必要がありません。毎月一定の日に確実に入金される仕組みになっているため、オーナーは毎月の家賃の入金を確認する手間が省け、安定した経営を目指すことができます。

家賃が払われなかった場合の対処法~保証会社の対応

家賃保証会社の催促があるにも関わらず家賃が払われない、あるいは払われないまま退去されてしまった場合、家賃保証会社が対応できるのは滞納家賃の催促です。家賃保証会社は入居者に対して滞納家賃の催促を行い、オーナーに対しては賃料を立て替え払いします。

なお、裁判で強制執行が認められない限り、家賃保証会社には勝手に部屋に入る・室内の家財を処分する権限、強制的に入居者を退去させるような権限はありません。

また、入居者との賃貸借契約の解除はオーナー自身が行う仕組みになっていますが、賃貸管理会社によってはその際のサポートも行ってくれるところもあります。

家賃が払われなかった場合の対処法~オーナーの対応・注意点

家賃の滞納が続く場合、オーナーは賃貸借契約の解除を考えるかもしれません。

しかし、それによって入居者は生活の場を失う可能性が高くなるため、現行ルールにおいて簡単に賃貸借契約を解除することはできないような仕組みになっています。入居者が退去して部屋を明け渡してくれるまでには時間も費用もかかり、その間、新しい入居者に部屋を貸すこともできません。

もし家賃保証会社を利用していなければ、この間の費用負担は全てオーナーが背負うことになります。

家賃保証会社によってサポート内容は異なる

家賃保証会社の基本的な仕組みに違いはみられなくても、サポート内容や費用面は大きく異なる場合があります。

滞納家賃のみを保証するというところもあれば、共益費・管理費・更新料の滞納分・違約損害金・退去時の原状回復費などをすべて保証してくれるところもあります。一般的には保証範囲が広いほど保証料は高くなる傾向にあります。

家賃保証会社の保証範囲が滞納家賃の保証のみであれば、オーナーとしては家賃保証会社を使わないで連帯保証人を付けてもらうほうがメリットはあると考えるかもしれません。たとえば、特に入居者が学生や高齢者の場合、親族が連帯保証人になることで直接問題を解決してもらうことが期待できるからです。

しかし、家賃保証会社が退去時の原状回復費まで保証してくれ、裁判費用の保証やその他のサポートまでしてくれるのであればどうでしょうか?サポートの種類が豊富な家賃保証会社を選ぶことで、連帯保証人制度の利用に比べ大きなメリットが得られることもあります。

家賃保証会社との契約に必要な手続きと書類

賃貸保証会社を利用するには審査が必要です。一般的には、以下に挙げられるような必要書類などに基づいて、賃貸保証会社が入居者を審査します。

・賃貸保証会社の申込書
・身分証明書のコピー(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)
・収入を証明する書類(源泉徴収票や給与明細書など)
・在籍証明書

これらを基に、収入や職種、雇用形態、勤続年数や過去の家賃滞納歴などを調べます。

なお、仮に賃貸保証会社が全国賃貸保証業協会(LICC)に加盟している場合は、入居者の賃料支払状況を共有しているため、過去の家賃滞納歴は簡単に調べられる仕組みになっています。

収入は家賃との比率で判断し、家賃が月収の3分の1以内に収まっていることなども目安として考慮されます。

また、審査の際には、家賃保証会社は入居者の勤務先に在籍確認の電話をすることも一般的です。

家賃保証会社「家主ダイレクト」

ここでは、家賃保証会社の具体的なサービスを知るために、東証プライム上場企業である株式会社Casaが運営する「家主ダイレクト」を紹介します。


家主ダイレクトは、オーナーは費用負担ゼロで利用でき、入居者は入居時に家賃の半額の保証費用・それ以降は毎年1万円を支払うだけで利用できるサービスです。

オーナーは家主ダイレクトを利用することで、入居者の家賃や更新料だけでなく、退去時精算費用、早期解約違約金、水道光熱費、明け渡し訴訟の費用なども保証してもらうことができます。

毎月の家賃は前月末に家主ダイレクトからオーナーの口座に入金され、入居者は家主ダイレクトへ支払う仕組みなので、オーナー側に滞納時の手続きは一切発生しません。

入居者の審査にあたっては、Casaのデータベースに保有している240万件超の信用データや、外部機関が有する個人信用情報への照会を行い、精度の高い審査を実施しています。

独自の仲介会社ネットワークを利用し、入居者を紹介するサービスも備え、孤独死保険も自動付帯されています。

また、家主ダイレクトには、家賃の支払いが困難になった入居者の相談に乗る「生活相談室」というサービスがあります。入居者の状況に合わせ、生活の立て直しを図るための相談を行うことが可能な仕組みを備えているのも特徴のひとつです。

家賃保証会社の仕組みを上手に利用して賃貸経営を安定させよう

家賃保証会社の仕組みを利用することで、家賃滞納リスクを軽減でき、安定した賃貸経営が可能になります。しかし、家賃保証会社によって、保証の範囲やサービス内容、また家賃保証会社自体の信用力には差があります。家賃保証会社を選ぶ際には、家賃保証会社の倒産のリスクが低いことはもちろん、単に家賃滞納の保証だけでなく明け渡し訴訟の費用などを含めて広い範囲で保証を受けられるかどうかも総合的に判断することがおすすめです。

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