2020.7.3
賃貸管理

純資産10億円を実現した不動産オーナーが語る01-「儲かる大家さん」「損する大家さん」の違い

メガバンク、大手外資証券会社に勤務しながらサラリーマン大家として自主管理の道を究めてきた川村龍平氏。2005年からは専業大家となり、実質”純資産10億円・借金0”という成果を挙げています。6月には、不動産業界のカラクリを鋭く分析した、初の著書『不動産経営 誰も教えてくれないお金の残し方』を上梓。そこで、今回は出版を記念して川村氏への特別インタビューを実施。全3回に分けてお届けします。

1回目のテーマは、「日本における不動産経営の課題」。人口減少、所得減による物件価格や家賃の下落、金利上昇による廃業の危機など不安要素は尽きません。そうしたなか、川村氏が不動産投資を検討しているすべての人に伝えたい“真の課題”とはなんでしょうか。本当に儲かる大家と、うまくいかない大家の違いを語ります。

不動産投資は簡単に儲からない!

かつて不動産投資は一部の人に限られた投資手段でしたが、最近は会社員(サラリーマン)のオーナーも増えており、門戸が広がっている印象です。不動産投資を検討する人が増えている背景には、社会不安の蔓延が挙げられます。

私が不動産投資をはじめたのは、金利が低下したからに他なりません。かつて定期預金だけでも7%の利息がついた時代がありましたが、もしその時代が続いていたら、おそらく不動産投資はやっていませんでした。しかし時代は変わり、銀行に預けていても資産形成ができない世の中になりました。そのため、不動産投資は手間は掛かりますが、しっかり分析さえすれば儲かると確信できたので、覚悟を決めてはじめたというのが正直なところです。

しかし、不動産投資を始めて感じたのは、あまりにも無知な人が多く、被害に合う人が後を絶たないということ。なので、ここではあえて「不動産投資は決して簡単に儲かるものではない」と申し上げておきます。脅かすつもりはありませんが、覚悟して始めないと負の遺産を背負ってしまいかねません。

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不動産投資が、実は簡単には儲からない理由

たとえば、「頭金なしの全額融資(フル・ローン)」で物件を購入する方法がありますが、これは超低金利のときにしか通用しない、近視眼的な方法です。長期的に考えると、金利上昇は避けられず、ひとたび金利が上がれば、破綻する人が後を経たないはずです。そのため、最低でも頭金として30%は貯めた状態で、投資物件を購入することが大前提なのです。

また、金利上昇だけではなく、米国やヨーロッパをはじめとする世界経済の失速、不動産市場のシュリンク、家賃相場の下落など、さまざまなリスクが想定されます。

そして、不動産購入後は管理会社に管理を丸ごとお任せする人は少なくないですが、管理手数料の負担は決して軽いものではありません。仮に賃料の5%を管理手数料に設定したとして、ローン返済などを引くと、管理手数料は手残りキャッシュフローに対して40%近くにのぼる場合もあります。これにより手残り額を想像以上に減らしてしまいます。

ちなみに、管理手数料とはどんな業務の対価なのか、曖昧なケースが多いのも事実。このように数字を見ずに購入すると、空室も目立つほどでもなく、家賃も順調に入ってくるのに、なぜか手元に入ってくる手残りキャッシュフローが少ないことに、数年経ってから気づくはずです。

表面利回りのワナを見極めろ!

このように、自分ではコントロールできない環境変化の予想はもとより、コストなどを正しく見積もることが不動産投資には欠かせません。

また、不動産投資における表面利回りは「(年間家賃収入÷物件価格)×100」で算出されます。ただし、これには空室率や入居募集に掛かる費用、管理や修理で発生する費用など、経費が考慮されていません。

ただ、表面利回りだけみても、手残りの利回りを計算しない限りは、投資に値する物件かどうか判断できません。たとえば、借入金の返済が終わらないうちに、減価償却費や借入金利息が少なくなると、課税所得が上昇し、支払う税金がキャッシュフローを上回る事態に陥ります。しかし、こうした経費の計算をせずに“どんぶり勘定”で、不動産投資に手を出す人が多いのです。“なかなか大家業は儲からないなぁ”とぼやく声を多く耳にしますが、それは、この税引き後のキャッシュフローを長期にわたって計算せずに投資をすることから起こっているのです。

私は、きちんと儲かる投資のために、最低でも表面利回り12%の物件をおすすめしていますが、このような物件は東京23区でもほとんど出てきません。それと、首都圏の他県や地方に狙いを定めて不動産投資をする人がいますが、人口減少のリスクは無視できません。たとえ高い利回りの物件があっても、時代の流れを汲み取らずに購入してしまうと、結局は期待したほどの家賃収入は得られない結果になりかねないのです。

しかし、同時に正しい知識と分析さえできれば、他の投資では得られないほどの大きな資産を築くことができます。その方法について、第2回目「純資産10億円を実現した不動産オーナーに聞く02-これからの大家さんに必須!緻密なキャッシュフロー分析」で紹介してきたいと思います。

川村龍平(かわむら・りょうへい)
 
横浜国立大学経済学部国際経済学科卒業後、第一勧業銀行、モルガンスタンレー証券会社にて、債券トレーダーとして機関投資家向けビジネスを行う。2002年、渋谷に一棟ビルを購入、サラリーマン大家をスタート。2005年11月より専業大家となる。現在ビル3棟、アパート4棟、ワンルーム3戸を個人保有し経営中。本人訴訟からペンキ塗りまで全て自主管理する。純資産10億円。あと2年で主な借金は完済予定。現在実質借金ゼロ経営を継続中。2020年6月に初の著書『不動産経営 誰も教えてくれないお金の残し方』(幻冬舎)を上梓

>>家賃収入を上げる自主管理とは
 

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