2020.7.24
民法改正

民法改正で連帯保証契約はどう変わった?極度額相場と賃貸契約注意点

(画像=Sychugina Elena/stock.adobe.com)
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2020年4月、約120年ぶりに改正された民法が施行となりました。多くの領域で影響がありましたが、賃貸オーナーにとっては連帯保証人制度に関する規定の改正が大きな関心事ではないでしょうか。

旧民法に則った古い賃貸借契約書は改正民法の制度に合わせて変更しなければなりません。うっかりそのまま使っている場合、契約内容が無効になる可能性があります。

この記事では改正された民法において特に連帯保証人制度について解説し、賃貸オーナーがどのような点に注意すべきか、どのような施策をとるべきかを説明します。
<目次>
1. 民法改正で賃貸オーナーが注目すべき「連帯保証人制度」6つの変更ポイント
1-1. 連帯保証人とは?
1-2. 民法改正前と改正後の「連帯保証人制度」6つの変更ポイント

2. 連帯保証人制度改正による賃貸オーナーの注意点
2-1. 連帯保証に関わる契約書の変更を行わなければならない
2-2. 情報の共有と提供の義務が生じる

3. 極度額の現実的な設定額と契約時の注意点
3-1. 極度額の設定の目安はいくらか
3-2. 曖昧な極度額設定は「無効」になる!

4. 民法改正で貸主である賃貸オーナーが考える対策
4-1. 連帯保証人を複数立てる
4-2. 連帯保証人とは契約書の内容を必ず確認する
4-3. 保証会社を利用する

まとめ

1. 民法改正で賃貸オーナーが注目すべき「連帯保証人制度」5つの変更ポイント

ここでは連帯保証人制度のおさらいと、民法改正で連帯保証人制度がどう変わったのか、賃貸オーナーの立場から見る変更点を説明します。

1-1. 連帯保証人とは?

連帯保証人とは、主たる債務者が万が一その債務について支払いを行わない場合、主債務者の代わりに支払いの義務を負う契約をした人を指します。以下、従来の連帯保証人の特徴について解説します。

A. 債権者(貸主):家を貸す人。家賃収入を得る人。家主、大家さんといった賃貸オーナー
B.主債務者(借主):家を借りる人。賃借人
C. 連帯保証人:借主に家賃の支払い能力がなくなった場合、借主の代わりに滞納された家賃を返済する義務を負う人

・連帯保証人には「催告の抗弁権」がない
 

債権者Aから連帯保証人Cへ家賃の支払い請求が来た場合、Cは「本来の債務者であるBへまず先に請求してください」とAへ言う権利がありません。この状態を「催告の抗弁権」がない、と言います。連帯保証人Cは請求に応じて支払わなければなりません。
      
・連帯保証人には「検索の抗弁権」がない
 

債権者Aから連帯保証人Cへ家賃の支払い請求が来た場合、本来の債務者であるBが、実は支払うだけの資金があるのに支払っていなかったとしても、Cは「本来の債務者であるBへまず先に請求してください」とAへ言う権利がありません。この状態を「検索の抗弁権」がない、と言います。連帯保証人Cはやはり、債権者Aの請求に応じて支払わなければなりません。
      
・連帯保証人には「分別の利益」がない
 

「保証人」の場合、複数人数いる場合には債務負担を保証人の間で分割することができますが、連帯保証人の場合は、請求された債務は1人で全額負担し、返済しなければなりません。この状況を、連帯保証人は「分別の利益」がない、と言います。

このように連帯保証人の責任は重く、非常に範囲が広くなっています。場合によっては、連帯保証人になったことで思いがけず大きな負債を背負ってしまい生活破綻の原因になることから、連帯保証人の責任の重さの是非について、これまでもたびたび議論の的になっていました。

逆に、債権者である貸主側から見ると、債務者(借主)の家賃滞納や失踪といった不測の事態により家賃回収が難しくなった場合、連帯保証人に対して債務者が怠っている債務の履行(家賃の支払い)を請求することができます。連帯保証人は上記の通りこれを拒むことはできないため、債権者は家賃の未回収という事態が避けられるメリットがありました。

民法改正により連帯保証人制度が変わることで、債権者である貸主は、家賃の回収がこれまでのようにできなくなるデメリットがあることになります。

1-2. 民法改正前と改正後の「連帯保証人制度」6つの変更ポイント

上記「連帯保証人が責任を負う範囲」が、今回改正された民法では変更されています。特に債権者(貸主)である賃貸オーナーの立場から見たとき、どのような変化があったのでしょうか。

1-2-1. 極度額の定めがない個人根保証契約は無効になる

・【改正前】
改正前の民法では、たとえば上記の例でCが連帯保証人になるとき、「賃借人Bの債務不履行で債権者A(貸主)から請求を受けた場合、Cはいくら払えばいいのか」、すなわち「債務の保証額」は不明な場合がほとんどでした。このような、「一定の範囲に属する不特定の債務について保証する契約(法務省資料より引用)」を根保証契約といい、特にこの根保証契約のうち、保証人が個人である場合を「個人根保証契約」と呼びます。賃貸借契約における連帯保証人制度も、個人根保証契約のひとつです。

主債務の金額がわからないということは、連帯保証人は将来、想定外の債務を負う可能性があることになります。

逆に債権者(貸主)側には、主債務者である借主が原因で被った不利益について、連帯保証人に上限なく請求する権利がありました。たとえば借主がトラブルを起こしてアパートに損害を与えた場合、借主が賠償できないならば、債権者は連帯保証人に全額を請求することができたのです。

・【改正後】
民法改正により、個人根保証契約締結の際には「極度額(連帯保証人の責任すべき限度額)」を定めなければならなくなりました。これにより、極度額を定めていない連帯保証条項は無効となります。貸主である債権者は、極度額を契約書に盛り込む必要があります。

これまでは主債務者B(借主)が支払い不能に陥った場合、貸主である債権者Aは連帯保証人Cへ支払い請求が「上限なく」できました。たとえ債務額が個人で保証できる範囲を大きく超えていたとしても、連帯保証人である限りは支払う義務があったわけです。改正民法ではこの点が上記のように改善され、最初に契約する際に取り決めた極度額以上は支払わなくてもよくなりました。

また、契約の際に上限額を決めることから、現実的に連帯保証人が支払える上限額を債権者と話し合い決定することになります。

1-2-2. 主債務者から連帯保証人への情報提供義務がある

・【改正前】
主債務者B(借主)は、自分にいくら財産があるのかを連帯保証人Cに知らせる義務はありませんでした。このため実際には資金等があるにも関わらずBが家賃の支払いを怠り、貸主である債権者AがCへ請求をした場合も、CはBに対して資産があるかどうかを確認できず、確認できたとしても上記のとおり「検索の抗弁権がない」ため、Aへ支払う義務がありました。

・【改正後】
主債務者B(借主)は、連帯保証人Cに対して、自分の財産や収入状況について情報提供をすることが義務付けられました。Cへ情報提供しなかったり、虚偽の報告をしていた場合(Cへ誤解を生じさせた場合も含む)で、なおかつ債権者A(貸主)がそのことを知っていた、あるいは知れたのに怠っていた(過失があった)場合、連帯保証人となった後も、Cは連帯保証契約を取り消すことができます。

借主である主債務者に義務付けられる「提供すべき情報の内容」は、主に以下の3つです。

(1)主債務者(自分)の財産と収支状況等について
(2)主債務者がほかにも負担している債務があるかどうか、ある場合はその額、および返済の現状(債務の履行状況)について
(3)主債務者が債権者(貸主)へ提供する担保がある場合は、その事実の報告、および提供している担保の内容について

連帯保証人を依頼された人は、これらの情報が開示され、それを確認したうえで連帯保証人を引き受けることになります。

1-2-3. 債権者から連帯保証人への情報提供義務が新設された

・【改正前】
債権者(貸主)は、特に連帯保証人からの問い合わせに回答する義務はありませんでした。

・【改正後】
債権者(貸主)は、連帯保証人からの情報提供依頼など問い合わせに対して回答する義務が新設されました。これは、次の「主債務者の期限の利益の喪失」にも関わっています。

1-2-4. 主債務者が「期限の利益を喪失」したとき、債権者から連帯保証人へ通知義務ができた

・【改正前】
「期限の利益の喪失」とは、主債務者がもつ期限の利益を失うことです。

たとえば、家賃の納入日は毎月末日だったとしましょう(わかりやすく末日にしています)。月初に家賃分のお金が借主である債務者Bの手元にあるからといって、貸主である債権者Aへ支払う義務はありません。月末という「期限」まで待ってもらえます。このような「一定の期限が到来するまでは支払いする必要はない」ことを主債務者の「期限の利益」と呼びます。

主債務者(借主)が「期限の利益を喪失」するとは、契約の不履行により、この権利を失うことをいいます。たとえば、「3か月滞納したらまとめて3か月分をすぐに支払わなければならない」という契約がされており、実際にBが3か月滞納してしまったら、Bの「期限の利益」は喪失され、Aからの請求にすぐ応えなければなりません。なお、Bのこの状況を、改正前の民法下においては、Aは特にCへ通知する義務はありませんでした。

・【改正後】
貸主である債権者Aは、借主である債務者Bが「期限の利益を喪失」した場合、連帯保証人Cへすぐに連絡しなければなりません。

また改正民法では、特に1-2-3(債権者から連帯保証人への情報提供義務が新設された)と1-2-4(主債務者が「期限の利益を喪失」したとき、債権者から連帯保証人へ通知義務ができた)の2つの義務を債権者A(貸主)が怠った場合、連帯保証人Cに対する請求が制限される場合もあるため、注意が必要です。

1-2-5. 個人が連帯保証人になる場合は公証人の証明が必要

これまで見てきたように連帯保証人にかかる責任と負担があまりに大きいため、改正民法では第三者である個人が連帯保証人になる場合、公証人による意思確認と証明が必要になりました。※

第三者である個人が連帯保証人になるためには、保証契約締結後1カ月以内に、公正証書による「保証人となる意思表示」を行わなければなりません。この手続きには時間と手間がかかり、公正証書の発行代もかかります。

これまでのように物件の賃貸において、借主の連帯保証人として簡単に個人の第三者に依頼することができなくなり貸主にとっては不利益といえます。

※ただし、改正民法施行後も、主たる債務者と関係の深い、以下のような人は例外的に個人であっても第三者には該当せず、公証人の意思確認がなくても連帯保証人になることができます。「主債務者との共同事業経営者」「主債務者の事業に従事している主債務者の配偶者」などがこれに当たります。

1-2-6. 個人が保証人になる場合、保証人の状況により債務の保証がされない場合がある

個人根保証契約において、以下のような場合、「その後に発生する主債務は保証の対象外」となりました。

・連帯保証人が破産した
・主債務者(借主)、または連帯保証人が亡くなった

(法務省資料より抜粋)

このため、貸主からすると、たとえば借主が滞納を続けて亡くなり、連帯保証人も亡くなっていると、滞納されていた家賃はそのまま回収できないことになります。

以上のように、改正された民法には連帯保証人を救済する措置が多く新設されています。一方で債権者である貸主、賃貸オーナーにとっては、これまで保証されていた「家賃を回収する手だて」がなくなることになります。

2. 連帯保証人制度改正による賃貸オーナーの注意点

家賃収入を得ている貸主、賃貸オーナーは、民法における連帯保証人制度改正でどのような点に注意すればよいのでしょうか。ここでは具体的に、民法改正前と異なる対応をしなければならない場面や、注意点について紹介します。

2-1. 連帯保証に関わる契約書の変更を行わなければならない

2-1-1. 連帯保証に関するこれまでの契約条項が無効になる

1のパートで見てきたとおり、第三者である個人が連帯保証人になることが民法改正により不可能ではなくとも難しくなりました。同時にこれまでの契約においても、改正された民法に則り、そのままでは契約条項が無効になる場合があります。このため、契約書や身元保証書などに関わる連帯保証条項の条文を変更しなければならない部分が生じます。

2-1-2. 連帯保証人への請求額に「極度額(上限額)」を設ける必要がある

1-2-1.で説明したとおり、極度額(保証の上限額)が記載されていない契約書は無効となります。そのため、連帯保証契約に極度額を設定しなければなりません。極度額をどの程度に設定すればよいかは3のパートにて説明します。

これら契約書の変更ついては不動産管理会社や家賃保証会社など、専門家に相談のうえ、現在の契約条項で変更すべき点があるかどうか、いままで使っていた契約書のひな形をどのように変更すべきかを相談するとよいでしょう。

なお、国土交通省は「『賃貸住宅標準契約書』について」で、改正民法に準拠した賃貸借契約書のフォーマットを公表し、活用を促しています。契約書変更の参考にしてください。

【参考】
賃貸住宅標準契約書 平成30年3月版・連帯保証人型」(PDF)
平成24年版との新旧対照表」(PDF)

2-2. 情報の共有と提供の義務が生じる

1のパートで説明したとおり、債権者である貸主には以下の義務が制定されました。

・連帯保証人から問い合わせがあった場合は、回答に応じなければならない
・主債務者(借主)が「期限の利益を喪失」したとき、債権者(貸主)から連帯保証人へその旨を通知しなければならない

特に主債務者の期限の利益の喪失については、その発生から2か月以内に連帯保証人に通知することが新たに義務付けられています。

連帯保証人の保護という観点から改正民法は施行されています。そのため、今後は貸主側から見ると、連帯保証人から回収できる滞納家賃は上限が設定され、家賃全額回収は難しい状況も起こり得ます。

<参考にしたい記事>
2020年4月施行の民法改正が不動産賃貸業に与える影響について Part3~賃貸借における連帯保証人契約の変更点について~
2020年4月施行の民法改正が不動産賃貸業に与える影響について Part4~賃貸人と賃借人の情報提供義務について~
賃貸借契約の連帯保証人制度はこう変わる

3. 極度額の現実的な設定額と契約時の注意点

民法改正後も、家賃の滞納があった場合などには連帯保証人へ極度額まで請求できます。賃貸オーナーにとっては、極度額を現実的にどの程度に設定すればよいのか悩むのではないでしょうか。ここでは極度額の設定の目安と、契約書記載の注意点を説明します。

3-1. 極度額の設定の目安はいくらか

極度額は実際のところ、いくらに設定すればよいのでしょうか?あまりにも不相当な極度額を設定すると連帯保証人は見つからないでしょう。とはいえ、あまりに低い金額を設定していると、実際に家賃滞納が発生した場合や、債務者である借主の原因で損害を被った場合、賠償請求額が契約した極度額より大きいと極度額は債権者(貸主)の保証としての意味をなくしてしまいます。

実は、民法には「極度額設定の上限」について明文化はされていません。そのため、極度額の設定は債権者(貸主)が自由にできます。そして、極度額の設定は債権者の損害を補償できる額でなければ意味がありません。これらを踏まえて、極度額を考える際の根拠になる事項を挙げてみます。

3-1-1. 滞納が積み重なり立ち退きを強制執行できるまでの日数から判断する

債務者である借主の滞納が続き、強制的に立ち退きを執行するには法的な手続きを踏まなければなりません。これにかかる日数を計算すると、以下のようになります。

・催告書の通知まで家賃滞納3カ月以上が必要
・催告書通知で立ち退かなかった場合、民事訴訟で2カ月~3カ月で判決(少額訴訟、支払督促で通常1.5カ月)
・強制執行の申立てには判決から送達証明書の取得に1~2週間、判決の送達から2週間程度で判決確定
・明け渡しの催告に執行官との打ち合わせから1~2週間
・強制執行に明け渡しの催告から1カ月

以上から、おおむね6カ月~8カ月程度かかることになります。この間の家賃収入が途切れることを考えると、最低でも半年分以上を、連帯保証人の極度額に設定したほうがよいと考えられます。

3-1-2. 過去の裁判の判例から判断する

民法改正前の判例によると、連帯保証人の負担額について、国土交通省の資料では以下のように記されています。

・中央値:家賃12カ月分
・平均値:家賃13か月分
・最大値:家賃33か月分

この判例に従うと、この範囲内の極度額設定であれば、裁判になった場合に認められる可能性が高いと考えられます(とはいえ、33カ月は約3年分で特殊な事例の可能性もあります)。

以上のことから、現在のところ、問題になるおそれが少ない極度額は「家賃の6か月分~24カ月分(+更新料)」程度が目安と考えればよいでしょう。

3-2. 曖昧な極度額設定は「無効」になる!

極度額設定は、確定した金額を契約書に記載しなければなりません。

たとえば「家賃●カ月分相当額を極度額とする」などのような記載方法では、契約無効となる危険性が高いといえます。なぜなら「家賃」は変動します。貸主と借主の合意があれば契約締結後でも変更が可能なので、「家賃●カ月分」は「極度額が確定していない」と見なされてしまう可能性が高いのです。
極度額は、家賃が10万円で24カ月分、それに更新料1カ月分としたいならば、「250万円を極度額とする」のように、具体的な金額を明記しましょう。

4. 民法改正で貸主である賃貸オーナーが考える対策

個人による連帯保証人を立てることが、民法改正により難しくなったことはすでにお伝えしたとおりです。また、改正民法は借主や連帯保証人の権利や立場を強める目的があるため、貸主である賃貸オーナーにとってはデメリットともいえます。また、契約書の内容変更を正しく行わないことで、リスクを被る可能性もあります。ここでは賃貸オーナーが今後対策しておくべき注意点について説明します。

4-1. 連帯保証人を複数立てる

極度額の設定があることから、個人の連帯保証人が1人だけでは保証として不足する可能性があります。そのため、連帯保証人を複数立てる方法が考えられます。

極度額は1人ひとりの連帯保証人ごとに契約されるものなので、たとえば250万円の極度額設定で連帯保証人が2人いる場合は、双方に250万円ずつが請求でき、合計500万円が保証されることになります。

4-2. 連帯保証人と、契約書の内容を必ず確認する

改正民法の施行前の判例でも、滞納額が大きく膨らんでから連帯保証人に貸主が告知した場合、上限額が裁判で設定された例がありました。改正された現在の民法では、情報の共有が必須事項となりました。

特に債務者(借主)の滞納は速やかに連帯保証人に告知する義務が債権者(貸主)にはあります。これを「怠った場合」だけでなく、連帯保証人に極度額など契約の条件について「故意に誤解を与えたと認められる場合」「はっきりと伝えていなかった場合」にも、今後は契約無効とされる場合があるかもしれません。

実際は契約書に極度額が記載されているのですが、連帯保証人が「そんなことは読んでいなかった、知らなかった」とならないよう、契約の際には必ず、口頭でも説明し、相手の了承を得てから連帯保証契約を交わすことが重要です。

4-3. 保証会社を利用する

すでに見てきたように、個人による連帯保証契約は難しくなりつつあります。また、極度額設定が必須となったため、万が一の際の家賃回収が難しくなる可能性も以前より大きくなっています。

これらのことから、今後は家賃保証などの保証会社の利用が利便性を増していくことが考えられます。個人の連帯保証人とは違い、事業として家賃保証等のサービスを提供しているため、賃貸オーナーにとっては万が一の際のリスクが大幅に軽減できます。最近は、連帯保証人がいる場合でも賃貸オーナーの要望により、保証会社への加入を入居条件にすることが増えているようです。

また、万が一滞納が起きた場合の催告や、強制退去、裁判費用なども保証会社が負担してくれる場合が多く、個人の連帯保証人をつけるよりも貸主である賃貸オーナーのリスクや負担を減らしてくれます。

保証会社による保証内容はそれぞれの企業によって異なります。新規開業した保証会社では大きな保証が得られない場合があるため、ある程度実績のある保証会社を選ぶとよいでしょう。

まとめ

改正民法により、賃貸借契約における連帯保証人制度がどのように変わり、貸主である賃貸オーナーはどのような点に注意すべきかを見てきました。

・連帯保証人との契約には極度額設定が必要
・明文化された極度額は民法にはないが、極度額設定は判例などから、おおむね6カ月~24カ月程度が妥当と考えられる
・個人による連帯保証人制度にはさまざまな条件ができたこと、極度額設定があるため損害金額すべてを回収できる保証がなくなったことから、賃貸オーナーは今後、保証会社を利用することが望まれる

今後の賃貸経営の参考になれば幸いです。
 

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