2021.12.16
不動産投資

媒介契約とは|種類とメリット・デメリット、選ぶポイント

媒介契約とは、土地や建物の売買や賃貸借などの仲介を不動産会社へ依頼することです。この記事では、不動産取引における媒介契約の種類、手数料や期間などについて詳しく解説します。これから不動産を売却・賃貸することを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

 

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媒介契約とは「売主と不動産業者が結ぶ契約」のこと

自宅などの不動産を売却する(賃貸する)際、不動産会社に間に入ってもらい、買主(借主)を見つけてもらうために締結する契約のことを「媒介契約」といいます。媒介契約には、売買仲介のみならず賃貸仲介も含まれているため、不動産会社には売買と賃貸の2種類の仲介があります。売買仲介は売主と買主、賃貸仲介は貸主と借主の仲介を行います。

不動産は個人間で売買しても問題ありませんが、不動産取引にはさまざまな法律や制約があるため、まったくの素人では難しいと言わざるを得ません。そのため、不動産取引を無事に完了させるためには、プロである不動産仲介会社に取引の媒介を依頼するのが一般的となっています。

なお、媒介依頼を受けた不動産会社は、依頼者が不利にならない売買契約を締結することが「宅地建物取引業法(不動産の売買・仲介などの取引を扱う法律)」により義務付けられています。

媒介契約の種類

媒介契約は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類に分かれます。下図を見ると分かりますが、専属専任媒介契約はもっともルールが厳しく、一般媒介契約はもっともルールが優しくなります。3つの媒介契約を分かりやすく比較するために、ここでは大きく分けて5つの特徴を紹介します。

【媒介契約の種類と内容】

専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
依頼できる会社の数 1社のみ 1社のみ 複数社に依頼できる
自己発見取引(※1) できない できる できる
依頼主への報告回数 1週間に1回以上 2週間に1回以上 義務なし
レインズ(※2)への登録義務 あり(契約から5日以内) あり(契約から7日以内) 義務なし
契約期間 3カ月(これ以上は超えられない) 3カ月(これ以上は超えられない) 3カ月が目安(法的に決められていない)

※1 自己発見取引とは「売主自身が買主を見つけてよいかどうか」をさします。
※2 レインズについては次章で解説します。

この特徴をふまえ、媒介契約3種類の細かな違いやメリット・デメリットは次章で解説していきますので、ぜひご覧ください。

媒介契約の3つの種類とレインズについて

本章では、各媒介契約について詳しく解説していきます。前章で、ルールがもっとも優しいと述べた一般媒介契約を最初に、専任媒介契約を2番目に、ルールがもっとも厳しいと述べた専属専任媒介契約を最後に紹介していきます。

一般媒介契約の特徴とメリット・デメリット

一般媒介契約は、複数の不動産会社と自由に契約を結ぶことができるなど、さまざまな特徴があります。ここでは、一般媒介契約の特徴とメリット・デメリットについて解説します。

一般媒介契約の特徴

前章の表でも紹介したとおり、一般媒介契約は、複数の不動産会社と媒介契約を結ぶことができるのが大きな特徴です。人気のある物件の場合、多くの不動産会社が契約成立に向けて動くので早期に買主を見つけることができる可能性があります。

また、「明示型」と「非明示型」があり、売主はいずれかを選択することができます。明示型とは、媒介を依頼している不動産会社に対して、他にも媒介依頼している会社があるときにその情報を明らかにすることです。非明示型だとその反対となり、特に明らかにする必要はありません。自己発見取引も認められるため、自分で買主を見つけられるのも特徴です。契約期間は法令で定められていませんが、一般的には3カ月程度が目安で、解約はいつでもできます。

ただし、一般媒介契約には、不動産会社が依頼者に対して業務の状況を報告する義務がありません。そのうえ、レインズへの登録義務もありません。これらは他の2つの媒介契約とは大きく違うところといえます。

一般媒介契約のメリット・デメリット

一般媒介契約のメリット・デメリットをまとめると、以下の表のとおりです。

メリット デメリット
・複数の会社に仲介を依頼できるので、幅広く買主を見つけられる
・会社間で競争するため、活発な営業活動が期待できる
・レインズに登録しないので、売却物件の情報が漏れない
・依頼者への報告義務がないので不動産会社の活動状況が分かりにくい
・人気のない物件の場合、放置されてしまう可能性がある
・レインズに登録しないので、物件情報が周知されにくい

 
一般媒介契約は再契約をしなければ更新されることはありません。ただし、契約内容によっては自動更新の特約がついている場合があるので注意が必要です。自動更新を望まない場合は契約書の更新事項を削除しましょう。

専任媒介契約の特徴とメリット・デメリット

続いて、専任媒介契約の特徴とメリット・デメリットについて解説します。

専任媒介契約の特徴

専任媒介契約は一般媒介契約と違い、契約できる不動産会社は1社のみとなります。ただし、自分で見つけた買主ならば契約することができます。契約期間は3カ月を限度とし、自動更新は認められていません。もしも更新したい場合は必ず依頼者から申し出る必要があり、その際は文書による契約が求められます。

また、専任媒介契約は、2週間に1回以上の頻度で不動産会社が依頼者に対して業務の状況を報告することが義務づけられています。そのうえ、契約から7日以内にレインズへの登録義務もあります。

専任媒介契約のメリット・デメリット

専任媒介契約のメリット・デメリットは以下の表のとおりです。

メリット デメリット
・1社のみの契約であるため、媒介契約を依頼する不動産会社が積極的に営業活動をしてくれる可能性がある
・物件の購入を検討している人に向けて、各種サービスを充実させていることがある(ホームステージング、ハウスクリーニングなど)
・やりとりする不動産会社が1社だけなので、窓口を一本化できる
・囲い込み(※)をされる可能性がある
・売主の都合で途中解除すると、違約金がかかることがある
・腕の良い営業担当者に当たらないと、売却までに時間がかかる可能性がある

 
※不動産業界には「両手仲介」という言葉があり、これは同じ不動産会社が物件の購入と売却の両方を担当すると仲介手数料が2倍になることをさします。囲い込みとは、両手仲介で手数料を2倍受け取るために、媒介契約を依頼した不動産会社がレインズへの登録を故意に行わなかったり、他の不動産会社からの依頼に嘘をついて断ったりするなどし、自社のみで販売活動をすることです。囲い込みをされると、依頼者は売却までに時間を要するようになるなど、損をしてしまう可能性が高くなります。

専属専任媒介契約の特徴とメリット・デメリット

専属専任媒介契約も、契約できる不動産会社は1社のみですが、1つ上の専任媒介契約よりもさらに制限は厳しくなります。

専属専任媒介契約の特徴

専属専任媒介契約も、専任媒介契約と同様、不動産会社は1社のみの契約となります。専任媒介契約だと自己発見取引(自分で見つけた買主との契約)は可能でしたが、専属専任媒介契約の場合は認められていません。つまり、完全に不動産会社に一任することになります。

また、専属専任媒介契約も、不動産会社が依頼者に対して業務の状況を報告する義務と、レインズへの登録義務がありますが、いずれも専任媒介契約に比べて日数は短くなります。業務の報告義務は1週間に1回以上、レインズへの登録は契約から5日以内となります。契約期間は3カ月を限度とし、自動更新は認められておりません。もしも更新したい場合は必ず依頼者から申し出る必要があり、その際は文書による契約が求められます。

専属専任媒介契約のメリット・デメリット

専属専任媒介契約のメリット・デメリットは以下の表のとおりです。

メリット デメリット
・毎週営業活動の報告を受けられるので、状況を把握しやすい
・熱心に営業活動をしてもらうことができ、スピード感のある売却が期待できる
・不動産会社独自の販売促進のための手厚いサービスを受けることができる
・他社との競争がないため活発に営業されないこともある
・会社の力量次第で売却の時期や金額が大きく変わる
・自分で買主を見つけても契約することができない

 

不動産会社だけが利用できる「レインズ」とは

レインズ(REINS)とは、「Real Estate Information Network System」の頭文字をとったもので、不動産物件情報を交換するためのコンピュータ・ネットワーク・システムのことです。国土交通大臣から指定された不動産流通機構が運営するシステムとなり、全国を4つの地域に分けて法人化し、それぞれで運営されているのが特徴です。加入している全国の不動産業者のみがネットワークを利用することができ、一般の人はアクセスすることができません

不動産会社がレインズを登録・利用することのメリットは、まず、レインズの会員はオンラインでのネットワークによって豊富な物件情報を検索できるので、依頼者が希望する条件の物件をすばやくリサーチできる点です。ネットワークを通じてすぐに物件情報が公開されるため、売却や購入を迅速に進めることができます。

また、レインズにはこれまでの取引事例がデータとして豊富に蓄積されているので、直近の取引価格の動向を探ることができるのもメリットです。特に、不動産の売り出し価格を算定する際の根拠として役立ちます。また、いうまでもないですが、法律に基づいて運営されているシステムですので安心して利用できるのも大きなメリットのひとつです。

媒介契約時に取り交わす「媒介契約書」とは

国土交通省は、宅地建物取引業法に関するガイドラインとして、 媒介契約書に「標準媒介契約約款」を使用することを指導しています。不動産会社はこの標準媒介契約約款に基づいて、自社の方針に合わせた媒介契約書を作成しているのが一般的です。契約書の内容は媒介契約の種類によって違います。

媒介契約書の記載内容

媒介契約書に記載されているおもな内容は以下のとおりです。一般媒介契約と、専任媒介契約・専属専任媒介契約では、違約金についての内容の記載事項などに違いがあります。逆に、有効期間・約定報酬額・約定報酬の受領時期などは共通しています。

【媒介契約書の記載内容/一般媒介契約】

依頼する他の宅地建物取引業者
依頼主の通知義務
媒介に係る宅建業者の業務
指定流通機構への登録の有無
有効期間
約定報酬額
約定報酬の受領の時期
特約事項

 
【媒介契約書の記載内容/専任媒介契約・専属専任媒介契約】

成約に向けての義務
媒介に係る業務
違約金等
有効期間
約定報酬額
約定報酬の受領の時期

 
 
取り扱う物件の種類や価格などについて記載する別表は、一般・専任を問わずに共通しています。

出典 – 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款」P11,P17

媒介契約の仲介手数料について

媒介手数料とは、売却が成立した場合に仲介した不動産会社に対して依頼者が支払う報酬のことです。物件の紹介から案内、家賃交渉、契約の手続きなど、契約を終えるまでの一連業務の対価として支払うものです。媒介手数料は成功報酬であるため、売買が成立しなければ支払う必要はありません

宅建業者が受け取る報酬額

売買や賃貸借などの不動産契約が成立した場合には、売主と買主、貸主と借主の双方が、仲介した不動産会社へ媒介手数料を支払うことになります。宅地建物取引業法では、以下のように不動産会社が請求できる金額の上限などを細かく定めています。

売買の媒介における報酬額の上限

売買の仲介手数料を算出するためには、売却価格を「200万円以下」「200万円以上400万円以下」「400万円以上」の3つに分割する必要があります。報酬額の上限と、計算を分かりやすくするために速算法を右欄に記載しましたので、ぜひ参考にしてください。

たとえば、3,000万円の物件の場合は「400万円以上の部分」に該当します。これを速算法で計算すると、媒介手数料の上限は1,056,000円となります。

【報酬額の上限】

不動産の売却価格 媒介手数料の上限 速算法
200万円以下の部分 売却価格(税抜)×5%+消費税 左に同じ
200万円以上400万円以下の部分 売却価格(税抜)×4%+消費税 (売買価格×4%+2万)×消費税
400万円以上の部分 売却価格(税抜)×3%+消費税 (売買価格×3%+6万)×消費税

参考 – 国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」P1

賃貸の媒介における報酬額の上限

宅地建物取引業者が賃貸の媒介において受け取れる報酬額の上限は、依頼者の双方(貸主と借主)を合わせて家賃1カ月分+消費税額です。

ただし、居住用の建物の賃貸借においては、依頼者の一方から受け取る報酬は、媒介依頼の際に依頼者の承諾を得ていない場合、家賃1カ月分の0.5倍+消費税額以内でなければなりません。

なお、宅地、または店舗・事務所といった非居住用の建物の賃貸借で、権利金が授受されるときは、その権利金の額は「売買に係る代金の額」とみなされます。報酬額の上限は売買の媒介手数料と同様の計算式で算出することが可能です。

片手仲介、両手仲介の違い

物件の紹介・案内・契約成立までの一通りの業務に対する報酬として依頼者が不動産会社へ支払う仲介手数料には、片手仲介と両手仲介の2つがあります。片手仲介とは、物件の売却依頼を受けた不動産会社と、物件の購入依頼を受けた不動産会社が異なる取引方法です。つまり、売主または買主のいずれかを仲介するケースに該当します。そのため、媒介手数料は一方からしかもらえません。

一方、両手仲介は、先述の内容と繰り返しになりますが、同じ不動産会社が売主と買主の双方を仲介する取引方法です。双方を仲介するため、媒介手数料も双方から受け取ることができます。つまり、片手仲介の2倍となる利益を得られます。ただし、利益を追求するあまりに「囲い込み」の原因となり、たびたび問題となることが少なくありません。

なお、両手仲介の媒介手数料の上限は最大2倍までと定められており、それ以上もらうことはできません。

どの契約を選ぶべきかの判断ポイント

上で媒介契約3つの違いを見てきましたが、不動産取引の内容によってどの媒介契約を選べばよいのか変わってきます。そこで、本章ではどの契約を選ぶべきかを判断するポイントを紹介します。

人気エリアの物件を売却したい、近所に隠したい売却なら一般媒介

すぐに買い手の付きそうな人気エリアにある物件を売却したい、あるいは近所に知られないように売却したい場合は一般媒介をおすすめします。人気エリアにある物件の場合は比較的買い手が付きやすいので、多くの不動産会社に媒介を依頼したほうが営業の幅が広がり、比較的高めの価格で売却できる可能性があります。

また、近所に隠したい売却の場合にも適しています。一般媒介の場合、レインズに登録するのは任意であるため、登録をしなければ全国の不動産流通ネットワークに情報が載ることはありません。仮に登録する場合であっても、「広告転載不可」にしておけば、一般の人が見ることのできる不動産ポータルサイトなどに売却情報を載せない状態で営業活動ができます。たとえば、店舗に直接来店した人にだけ限定的に営業してもらう、といったことができます。

近年では不動産情報ポータルサイトが主流ですが、レインズに登録してもこのように「広告転載不可」にしておけば店舗以外の場で物件が人の目に触れる機会はありません。事情を詮索されたくない場合は一般媒介を選ぶようにしましょう。

すべてお任せしたい、とにかく早く売りたいなら専属専任媒介

不動産のプロにすべてお任せしたい、とにかく早く売りたいなどの事情がある人には専属専任媒介をおすすめします。上でも説明したとおり、専属専任媒介は1社の不動産会社のみと契約し、売主自ら買主を見つけたとしても取引することは認められません。あくまでも、契約した不動産会社が見つけた買主にしか売却できない取引方法です。

ほかの不動産会社が参入しないため熱意をもって営業活動をしてくれる可能性が高く、スピード感のある売却を期待できます。依頼者に対する報告も1週間に1度以上と高い頻度で行ってくれるので、販売状況がつかみやすいといえるでしょう。

どの契約にするか迷っているなら、バランスのよい専任媒介

早めに売却できればよいがそれほど急いでいない、どの契約にするのか迷ってしまうといった場合は専任媒介がおすすめです。専任媒介も依頼できる不動産会社は1社のみですが、売主が自分で買主を見つけても問題ないため、親戚や友人などで購入者が現れるかもしれないような人には最適でしょう。

媒介契約に関するQ&A

最後に、媒介契約に関しての2つの質問とその回答を紹介していきます。

媒介契約ではなく個人間売買にすると、どんな違いや注意点がある?

不動産の個人間売買とは、親子、親族、友人や知人、近隣住民などの間で行われる不動産取引のことです。個人間取引を行う場合、媒介する業者が間に入らないため仲介手数料はかかりません。本記事でも説明したとおり、仲介手数料はまとまった金額になることもあるため、かなり大きく節約できる可能性があります。

注意点としては、取引に関してリスクを伴う可能性があるということです。不動産の売買は個人間で行っても何ら問題はありませんが、不動産の取引には登記や売買契約書の作成など、素人同士では難しい点も多く存在します。後々トラブルになることも少なくないため、不動産会社が仲介に入る方法をとることが一般的といえます。

売買ではなく賃貸にする場合だと、媒介契約はどうなる?

賃貸借契約における媒介契約の場合、不動産会社には媒介に関する契約書の作成・交付は義務付けられていません。したがって、媒介契約書は不動産会社の任意で締結されることになります。中には、口頭や簡単な申込書などで済ませるケースもみられますが、トラブルになる可能性もあるため、できれば媒介契約書を交わしておくことがおすすめです。

媒介契約は3種類。取引の内容によって選択しましょう

不動産取引は、個人間で行うのは非常に難しいといえるため、不動産会社に売却や賃貸の仲介を依頼するのが安心で確実な方法です。媒介契約の種類には制約が厳しいものから優しいものまで3種類あり、メリット・デメリットも異なるため、不動産の資産価値や所有者の状況などを考慮しながら慎重に選択するようにしましょう。

 

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