2022.01.17
不動産投資

サラリーマンの不動産投資|メリットと失敗例、成功のコツ

近年、サラリーマンの資産形成・資産運用の方法として、不動産投資に注目が集まっています。終身雇用制度の見直しなど、サラリーマンを取り巻く情勢は大きく変化してきていることがその理由です。知識がないまま不動産投資を始めると大きな失敗をしてしまうリスクがあるため、本記事でサラリーマンが不動産投資を成功させるコツを理解していきましょう。

 

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サラリーマンが不動産投資に有利な点・メリットとは

不動産投資は、サラリーマンが収入を増やすための手段として最適な方法のひとつです。では、不動産投資をするうえでサラリーマンは具体的にどのような点で有利なのでしょうか。

「会社員=安定収入」と判断される

不動産投資を始める場合、物件を購入するためには多くの資金を用意しなければなりません。そのため、よほど資金力のある人を除き、大半の場合は金融機関から融資を受けることになるのが一般的です。安定した収入のない人に対して金融機関は簡単に融資を出しませんので、たとえば個人事業主やフリーランスの場合だと希望通りの融資を受けられないケースは珍しくありません。

一方、サラリーマンだと月給制であることがほとんどで、収入の変動も少ない傾向にあるため、金融機関が融資を出しやすい雇用形態といえます。

また、不動産投資の融資では「年収」「勤務先」「勤続年数」「職種」といった属性を主に審査します。したがって、同じサラリーマンでも、上場企業に勤めていて年収が高い人や、勤続年数が長い人などは、より多くの融資を受けられる可能性が高くなります。※属性については本記事後半の章で詳しく解説します。

本業と両立させやすい

不動産投資は、数ある投資方法の中でも本業と両立させやすい部類に含まれます。物件の管理に手間がかかり、中には専門業者へ委託したほうがよい業務もあるものの、建物の状態に問題がなく入居者からのクレームなども特になければ、基本的には不動産オーナーとしてやるべきことはないからです。

不動産投資は物件を賃貸して入居者から家賃を得ることで収益を上げるため、貸室が空室になってしまうと収入はゼロになりますが、貸室がすべて埋まっていればオーナーは毎月安定した収入を得ることが可能です。

運営・管理を業者へ委託できる

物件の運営・管理は業者へ委託できるため、サラリーマンオーナーであっても管理への負担はかなり少なくすることができます。委託できる範囲は幅広く、入居者の募集・家賃の入金確認・クレーム対応といった対人業務のほか、設備機器の点検・清掃などといった建物のメンテナンスに関わる業務を一括して請け負ってくれる会社もあります。これらの業務負担がなくなれば、オーナーは入退去や修繕の判断といった一部の業務を行うだけになるため、時間的な余裕を作りやすくなります。

団信への加入が生命保険代わりになる

団信とは「団体信用生命保険」の略称です。団信に加入していると、不動産投資ローンを組んだ借主が亡くなった場合や、大病を患い働けなくなった場合に、残りのローン返済が免除されます。

不動産投資において、ローンの返済はもっとも重荷になる要素です。団信に加入した物件の所有者に万が一のことがあっても、残された遺族はローンの返済を免除された状態で収益不動産という資産が手に入るため、安定した生活を続けることができます。そのうえ定期的に家賃収入も得られるため、まさに収入保障のような生命保険代わりになるといえます。

不動産投資はサラリーマンにとって節税になる?

不動産投資がサラリーマンにとって節税になるかどうかはケースバイケースであるものの、確かに支払う所得税・住民税を減税できるケースはあります。そのケースとは、「課税所得が900万円以上」の人です。課税所得が900万円を超えると所得税の税率は33%まで上昇するため、節税対策を何もしなかったら高額な税金を納めることになります。

そのような時に有効なのが、不動産所得を給与所得と損益通算することで節税を図る方法です。損益通算とは、減価償却費や他の経費の計上によって不動産所得が赤字になった場合に、他の所得(事業所得や給与所得など)からこの赤字分を差し引き、合計所得額を減らし、課税される所得税や住民税を少なくする方法です。

たとえば、会社の給与などによる課税所得が1,000万円という人の場合、そのままだと支払う税率は高いままですが、もしも不動産経営で200万円の赤字が出ている場合、会社の給与と損益通算することで課税所得を800万円まで減らすことができます。課税所得が800万円になると所得税は23%まで下がるので、10%の節税につながります。

また、減価償却とは不動産の取得にかかった費用を耐用年数に応じて配分し、その年に相当する金額を費用に計上する方法です。減価償却期間中の不動産を所有していると、売却時の譲渡所得税として20%が課されますが、所得税の税率33%よりも13%低くなるため、高い節税効果が見込めます。逆に、課税所得が900万円以下だと所得税・住民税率と譲渡税率の差は小さいため、節税効果はほとんど期待できないといえます。

なお、不動産投資ではデッドクロスを意識した出口戦略を考えておくことも重要です。デッドクロスとは「ローンの元金返済額が減価償却費を上回る」状態のことで、特に償却期間の短い中古物件を長期期間のローンを組んで購入すると起こりやすくなります。デッドクロスを迎えてしまうとキャッシュフローが悪化するため、事前に対策を立てておくことが重要です。

◆不動産投資のリスクと対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
収入は減少しているのに、税金が増加?押さえておきたいデットクロスとは?

 
節税は不動産投資を始めるメリットのひとつですが、節税だけを目的に不動産投資を始めるのでなく、あくまでも投資であることを意識してどのような方法で収益を出すかを考えていくことが重要だといえます。

◆減価償却についての詳しい解説は以下の記事をご参照ください。
不動産投資による減価償却|節税になる理由と実際の計算方法

サラリーマンが不動産投資で失敗しがちな例

不動産投資は失敗してしまうこともあります。では、具体的にどのような失敗事例があるのか見ていきましょう。

入居率が上がらず、キャッシュフローが赤字になった

もっともありがちなパターンのひとつは、物件の入居率が上がらず、キャッシュフローが赤字になってしまうケースです。キャッシュフローが赤字になるというのは、要するに家賃収入より経費や投資ローンの返済額などの支出が上回ってしまう状態のことです。入居率は不動産会社の営業力ももちろん関係しますが、それ以上に物件の立地や周辺環境、築年数なども大きく影響します。こういった要素は物件購入を決める前によく検討する必要があります。

経費の読みが甘く、想像以上に支出額が増えた

中古物件を購入したのは良いものの、想像以上に支出額が増えてしまったというケースもあります。一般的に中古物件は購入価格が安く、利回りは高い傾向にありますが、建物が古いため修繕費や管理費が高騰しがちです。修繕費などの支出額が当初の想定より多くかかってしまい、結果的に修繕やリフォームが進まず、空室が増加するケースもあります。

こうした失敗を防ぐためには、物件が修繕済みであることを明確に確認できるものや、建物修繕に対して補償のある業者から紹介されたものを選ぶようにしましょう。

新築ワンルームマンションを購入したが、数年で賃料が下落した

マンションは新築した時が価格のピークであるのが基本です。建物に劣化がないことはもちろん、いわゆる「新築プレミアム」という上乗せ金額が設定されているケースもあり、中古物件と比較すると割高な投資になりがちです。

新築ワンルームマンションには「入居者を集めやすい」「賃料を高く設定できる」などのメリットもありますが、入居者が一度でも入れ替われば中古物件として扱われることになり、たとえ建物は劣化していなくても賃料を下げなければならないことがあります。そこから年数が経過したら建物の劣化が進行することになるため、資産価値は下落していきます。

このように、新築物件は中古物件よりも賃料の下落スピードが早い傾向にあることを考慮したうえで資金計画を立てなければ、予想外の損失を招く可能性があります。

投資目線ではなく居住者目線で購入してしまった

物件を購入する際は、投資目線で選ばなければなりません。そのため、物件を判断するにあたり「自分が住みたいかどうか」で購入してしまうと、入居者が思うように集まらず、損失を招いてしまう可能性があります。

たとえば、高層階の部屋が好きな人が、投資物件としていわゆるタワーマンションの高層階を購入するとします。一般的に、タワーマンションは低層階よりも高層階のほうが人気になりやすく、物件価格も高額になる傾向にあります。しかし、購入金額が高額になれば、当然ながらそのぶんは家賃で回収していくことになります。

ここで注意したいのは、賃貸物件を探している人は必ずしも「眺望>家賃」であるとは限らない点です。一時的な入居に過ぎない賃貸の場合、家賃の金額や駅からの距離、周辺設備などを重視することもあり、必ずしもスムーズな入居につながるとは限りません。このような「自分が住みたい物件=入居者が集まりやすい物件」であるとはいえない例をふまえ、入居者が集まりやすい物件の特徴はよく調べて押さえておく必要があります。

サラリーマンが不動産投資を成功させるために大切なこと

不動産投資で失敗する原因をまとめると、購入した人の知識・情報が欠けていたケースが多くを占めています。事前に不動産投資のことを詳しく学び、知識・情報を得たうえで開始していれば、防げた失敗もあったかもしれません。本章では、サラリーマンが不動産投資を成功させるために特に大切なポイントを5つ紹介します。

積極的に情報収集を行う

不動産投資で安定した家賃収入が得られているとしても、不動産を巡る情報は常に変化していきます。いつの間にか自分の物件の資産価値が落ちていた、などといったことがないように自分なりに積極的に情報収集を行い、市場の動向を常に勉強しておくことが大切です。

特に物件選びをする段階においては、情報収集がとても重要です。人気のある物件はすぐに買い手がついてしまうことが多く、情報収集を怠っていると購入が難しくなります。不動産会社へ足を運んだり、セミナーに参加したりして人脈を作っておけば、非公開物件の情報が入ってくるケースもあるため、積極的に行うことをおすすめします。

インターネット上で情報を集める場合、国土交通省のホームページ上で閲覧できる不動産投資に関するコンテンツを確認すると良いでしょう。不動産市場動向マンスリーレポートや、不動産投資家のアンケート調査などが定期的にアップされているので、現在の市場の動向を知るために役立ちます。

国土交通省|不動産市場整備

不動産会社の選択は慎重に行う

不動産会社は不動産投資を進めるうえで重要なパートナーになります。サラリーマンを本業にしていると、独学でどれほど勉強しても、実際に不動産業界で働く人に勝るほどの知識・情報を身につけるのは困難です。そのため、信頼できる不動産会社と連携をとりながら運営していく必要があります。

信頼できる不動産会社を選ぶためには、以下のポイントをチェックすると良いでしょう。

・会社の規模やネームバリュー
・投資用不動産、収益物件の販売実績
・得意なエリアや物件タイプ
・営業担当者の対応力

 
規模や実績といった会社としての信用性を確認するとともに、営業担当者の対応をよく見極める必要があります。また、購入したい物件のタイプ(マンション、戸建てなど)と、そのエリアを得意としているかどうかも、きちんと確認するようにしましょう。もちろん、ひとつの会社だけに相談するのではなく、複数の会社から情報を得て、比較検討することも大切です。

さまざまなリスクへの対策を練っておく

不動産投資にはさまざまなリスクがありますが、事前に対策をとっておけば、万が一の時でもできるだけ被害を小さくすることが可能です。たとえば以下のようなリスクが考えられます。

空室リスク
入居者が集まらず、家賃収入が減少するリスクです。空室が長期化すれば賃貸経営の収支は大きく悪化するため、オーナーとしてはもっとも避けたいリスクといえます。空室リスクへの対策としては、好立地な物件を選ぶこと、入居者募集に強い賃貸管理会社を選択することなどが考えられます。

修繕リスク
修繕、設備費用が発生するリスクです。建物の内外装や設備は、年数が経過すると劣化が進行していきます。外壁修繕、屋上防水、給排水管の交換といった工事は大きな費用がかかりますが、計画的に実施していかなければ、漏水などの事故を招く危険性があります。修繕リスクへの対策は、日頃から修繕費用を積み立てつつ、建物の管理会社と連携し、修繕のタイミングを考えておくことが考えられます。

不動産価値の下落リスク
不動産価値は常に一定ではありませんので、下落するリスクを想定しておく必要があります。建物の経年劣化だけではなく、その土地自体の価値が下落するケースも考えられます。一方、都市開発が行われることで逆に土地の価値が向上し、購入時より不動産価格が上がる場合もあります。

不動産価値の下落リスクへの対策は、物件を購入した後に考えるのはなかなか難しいので、購入する物件の見極めが重要になってきます。そのエリアの都市開発計画などを事前に調べておけば、相場が上がっていくかどうか、ある程度予測を立てることが可能です。

◆不動産投資のリスクと対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
【不動産投資】リスク一覧と対策、投資成功の4つのポイント

利回りの高さだけで判断しない

利回りは物件の選定を行ううえで重要な基準になりますが、利回り以外に見るべきポイントも多々あります。たとえば、利回りが高い物件と紹介されていても、駅から遠くアクセスの悪い物件だったり、建物が老朽化していたり、デザインが古かったりすると、入居者は集まりにくく空室期間が長引いてしまうリスクがあります。

また、老朽化などの原因により建物の資産価値が低くなると、売却しようとしても価格が高くなることはありません。不動産投資では建物を売却するまでの計画を考える必要があるため、資産価値が低下しにくい物件を選ぶことも重要です。

知っている場所を選択する

初めて不動産投資を行うならば、土地勘があり馴染みのあるエリアの物件を買うことをおすすめします。このようなエリアであれば、賃料相場や特に人気のある場所などの情報を把握しやすいため、大きな失敗をするリスクを軽減できます。

逆にまったく馴染みのないエリアだと、利回りの良い物件の情報を不動産会社から紹介されても、本当にその場所から見たときにその数値が正しいのか判断がつかない可能性があります。悪質な不動産会社にあたってしまい、特に初心者の人は騙されることがないよう、生まれ育った地域や長年住んでいる地域などで始めるほうが不動産投資の成功の確率は高くなるといえます。

融資額に影響する「属性」を上げるポイント

不動産の購入には多額の資金が必要になります。したがって、サラリーマンが不動産投資を始める場合、ローンを組む人がほとんどです。金融機関から借りられる融資額は、その人の「属性」が大きく影響するため、属性を上げるためのポイントを掴んでおくことが大切です。

融資額は「属性」で変わる

属性とは、融資を受ける人の勤務先や年収など、経済的・社会的な側面からみた信用性を示しています。属性に影響するのは、主に以下のポイントです。

・家族構成
・居住環境
・勤務先や勤続年数
・年収
・金融資産
・借入がある場合はその内容と残債

 
各ポイントを確認された結果、金融機関から「信用性が高い」と判断されれば融資額は高くなります。ただし、どのポイントを重視するかは金融機関によって異なることを理解しておきましょう。

融資限度額は属性が上がれば増える

前述した通り、属性が上がれば金融機関からの融資額は増える傾向にあります。たとえば、大手企業に勤めている、勤続年数が長い、高年収である、資産価値の高い住宅を所有している、借入がないなどといった特徴があればその人の属性は高いと判断されます。

また、金融機関が重要視するのは「安定した収入があるかどうか」です。不動産投資のローン返済は長期間に渡るため、収入にバラつきのある人の場合、現在は問題がなくても将来収入が減ってしまうことで返済が滞るリスクをもつため、金融機関としては評価を下げる傾向にあります。

こうした事情により、収入にバラつきのある個人事業主よりも、毎年安定した給与を受け取るサラリーマンや公務員のほうが、高い融資を受けやすい傾向にあります。上記の点をふまえ、自身の現在の状況から、属性に影響するポイントのうちどこを見直すことができるのか考えてみるのをおすすめします。

サラリーマンが不動産投資を始めるなら事前準備を入念に

サラリーマンの不動産投資にはさまざまメリットがある一方、失敗して大きな損害を被ってしまう人もいます。しかし、今回紹介した失敗例と対策を把握しておけば、成功する可能性は高まるといえます。不動産投資で失敗してしまう人は知識や情報量が不足しているケースが多くを占めますので、情報を集めて自ら学習しておくことが大切です。金融機関から高い融資を受けられるように、自身の属性を上げる努力も怠らないようにしましょう。

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