2021.08.06
トラブル対応

賃貸物件の騒音問題|強制退去の流れとオーナー側の対処法

アパートやマンションなどの不動産経営で特に起こりやすいクレームは「騒音問題」です。騒音の発生主が自覚していない可能性もあり、解決は慎重に進めなくてはなりません。そこで、オーナーが知っておきたい賃貸の騒音問題への対処方法と、発生主を強制退去させる流れ、必要条件を解説します。

 

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賃貸の騒音問題は早めの解決が大切

賃貸住宅の入居者から騒音の報告を受けた場合、できるだけ早めに対処することが大切です。解決までの時間が長引くほど入居者の不満は高まってしまうだけでなく、新たに契約した入居者が退去してしまう、インターネット上で悪い評判が拡散されてしまう、最悪の場合は入居者から損害賠償を求められてしまうというように、大きな損失を被る可能性があります。

解決までに時間を要しそうな場合は、定期的に進捗状況を入居者へ報告するなどして、オーナーとして真剣に対応していることを伝えていくことも重要です。

騒音クレームが発生した時のオーナーの対処法

騒音が原因による入居者からの苦情が発生した場合、以下の手順に沿って冷静に対処していきます。

1. まずは現状を確認する

最初は、騒音を訴えている入居者に詳細を確認します。騒音はいつからなのか、どこから聞こえるのか(上の階から、隣の部屋からなど)、どのタイミングなのか、どのような騒音が発生したのか(機械の音、話している声、楽器の音など)、できるだけ具体的に聞き出します。

その後、被害を訴えている入居者以外の入居者へも聞き込みを行います。なお、同じ音でも気にしない人・気にする人がいて個人差が出るため、複数人の意見を聞いて判断をすることが大切です。

2. 入居者へ周知する

騒音の詳細が分かったら、すべての入居者へ内容を周知します。周知の仕方としては、まずは掲示板に注意喚起文の張り紙を掲示し、より注意を促したければ喚起文をすべての入居者の郵便受けへ投函するというように段階的に進めていく方法もあります。

なお、作成する注意喚起文にはできるだけ詳しく騒音の内容を記載するようにします。そうすることで、騒音の発生主である入居者は自分が原因であることに気づき、オーナーが直接話をしなくても問題が収束する可能性があるからです。ただし、発生主の部屋の場所が特定できるような情報は書かないよう注意が必要です。ほかの入居者に特定され、トラブルに発展する可能性があります。

3. 騒音の発生主と直接話す

注意喚起文を出してからしばらく経っても騒音が収まらない場合は、直接、騒音の発生主と話をします。この際、被害を訴えた入居者が誰なのか騒音の発生主に悟られないよう注意しましょう。発生主が被害を訴えた人に反論をするなど、トラブルに発展する可能性があるためです。

中には、音を出している本人に自覚がないことがあり、注意喚起文を見ても「まさか自分だとは思わなかった」というケースもあります。そのため、初めから相手に悪意があるという前提で話さないよう、オーナー側には慎重な態度で臨むことが求められます。

ただし、何度伝えても状況が改善しない場合は厳しい注意をしなければならず、最終的には強制退去まで検討する必要が出てきます。

4. 被害を訴えていた入居者に報告する

注意喚起文を配布する、騒音の発生主へ直接話をするなど、何かしらの対処を行った後は被害を訴えた入居者へ報告しましょう。被害を訴えた入居者は、騒音問題が解決することはもちろん、オーナーが今後同じ被害が繰り返されないようきちんと対応してくれるのか気にしていることも多いです。

仮に問題解決までに時間がかかっても誠意をもって対応していればオーナーへの信頼度は高まりますが、逆に入居者への報告を怠ったことでオーナーに対する不信感につながり、退去や損害賠償請求に発展してしまう可能性もあります。

騒音の発生主を退去させる流れ

上記のような対応をしても騒音が収まらない場合、騒音の発生主を退去させなければならない可能性があります。ただし、入居者を強制退去させるにはいくつかの段階を踏む必要があり、下手に対応すると相手側から訴えられる可能性もあるため、慎重に行う必要があります。退去させるための具体的な流れは以下の通りです。

1.注意喚起
2.内容証明による勧告
3.契約解除
4.明け渡し請求訴訟

まずはこれまで説明してきた注意喚起を行い、しばらく様子を見て収まらなければ徐々に段階を上げます。内容証明による勧告とは、「××のことを迷惑に感じていて、今後は控えてほしい。〇月〇日までに解決への協力がみられなければ法的措置を検討する」といった内容の書面を郵便で送ることです。内容証明とは、誰が誰にどのような内容の手紙を出したのかを郵便局が証明してくれるものです。

内容証明は「騒音を注意したことの証明」にできるので、万が一、裁判に発展した際に「言った」「言わなかった」の水掛け論になるのを防げます。オーナーが注意したという事実、注意しても改善されなかったという事実は裁判では重要なポイントになるため、契約解除に踏み切る前に必ず行います。

それでも改善されなければ、オーナー側が一方的に契約を終わらせることができる「契約解除」となります。最後の「明け渡し請求訴訟」とは、騒音の発生主を強制退去させるためにオーナー側が行う訴訟で、裁判所によって認められれば発生主を強制退去させることができます。なお、実際の裁判の前に、話し合いによって解決を目指す「和解調停」ができますが、和解が成立しない場合は先ほどの裁判官による判決が下りることになります。

◆悪質な入居者の場合、契約解除後に家賃未納のまま退去されてしまうケースも考えられるので、その場合の対策も頭に入れておきましょう。以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
入居者が家賃滞納のまま退去!パターン別の対応策を解説

騒音の発生主を退去させるために必要な条件

では、賃貸借契約を取り交わした物件の入居者を強制退去させるためには、どういう条件が必要なのでしょうか。

賃貸借契約に騒音に関する記載がある

まずは、賃貸借契約書の中の契約解除に関する規定を確認します。具体的には、
① 禁止事項として「騒音など他の賃借人に対しての迷惑行為」が明記されていること
② これに違反(用法遵守違反)する行為をした場合、賃貸借契約を解除できること
という2点の規定があれば、悪質なケースにおいては契約解除することが可能です。

騒音発生主がトラブルを認めている場合

入居者には居住権があるため騒音の発生主であってもその騒音を認めていなければ強制退去させることは難しいですが、認めている場合は強制退去の条件である「信頼関係が壊れている」と判断できる可能性があります。「トラブルを認めているのに応じない」という状態は一つの証拠となり、これに加えて、内容証明による勧告、他の入居者からのクレームがあった事実を証拠として提示できれば強制退去させられる可能性が高まります。

定期借家契約を締結する

これまで紹介したとおり、実際に騒音の発生主を強制退去させようとすると時間も手間もかかります。そのため、騒音トラブルを未然に防ぐ方法として普通借家契約でなく定期借家契約を結ぶ方法もあります。

普通借家契約と定期借家契約の大きな違いは、入居者が契約満期となった際の対応です。入居者側が契約更新を望む場合、オーナー側は正当な事由がなければ契約更新の拒絶ができないのが普通借家契約ですが、定期借家契約は契約期間が満了すれば必ず契約が終了します

定期借家契約の契約終了後も入居者が入居を希望する場合は「再契約」が必要となり、これは普通借家契約とは違って更新を前提としていないため、正当な事由があるかに関係なくオーナー側の判斷で退去させることができます。騒音による苦情が発生しても、初めから定期借家契約にしておけば発生主を退去させやすいため、オーナーは検討の余地があるでしょう。

騒音トラブルは騒音に関する環境基準(40~50デシベル)を超えると発生しやすい

騒音は、人によって「うるさい」と感じるかどうかが変わりますし、また目に見えるものでもないので、本当に騒音に認められるのかという判斷は難しいのが実態です。

そこで、「騒音値」とよばれる、音の大きさを「デシベル」で表す基準をひとつの判断の目安にすることができます。一般的には、図書館の音や、静かな事務所の音である40~50デシベルを超えると騒音クレームが発生しやすい傾向にあります。

具体的な目安を挙げると、車に乗っているとき・家電(洗濯機、掃除機など)の音を近くで聞くとき・トイレを流したときは60デシベルの音に相当します。それ以上になると、さわがしい事務所や路上は70デシベル、地下鉄に乗っているときやピアノの音を近くで聞くときは80デシベル、さわがしい工場内は90デシベル、といった具合です。

こういった音の大きさは音量測定器などを用いて計測することが可能なので、実際に騒音が発生しているときに測定してみると客観的な判斷を行ううえで助かるでしょう。

家賃保証サービス「家主ダイレクト」とは

騒音問題をはじめ、賃貸経営では入居者のトラブルやクレームは起こりやすいことであるため、特に賃貸物件を自主管理しているオーナーはそういったトラブルを未然に防ぐことで安定的な賃貸経営が可能になるといえます。

トラブルを未然に防ぐのに有効なことのひとつは、家賃保証サービスの活用です。家賃保証サービスにはいくつかありますが、本記事では「家主ダイレクト」を紹介します。

家主ダイレクトは不動産オーナーの安定的な家賃収入の確保だけでなく、賃貸経営のサポートも受けられる家賃保証サービスです。家主ダイレクトが入居者の口座から家賃を一括で引き落として月末にオーナーの口座へ振り込む仕組みで、入居中の賃料はすべて保証されます。

仮に家賃保証サービスを利用していない場合、家賃滞納があるとオーナー自身が入居者へ連絡を取る必要がありますが、こういった家賃滞納の督促をはじめ、退去時の精算費用の未払いへの対応、滞納が長期化した際の法的手続きなど、賃貸経営において発生する可能性が高い入居者のお金の問題に対するサポートを受けられる点が大きなメリットです。

賃貸物件の騒音問題で強制退去をさせるなら慎重に手順を踏みましょう

賃貸物件の騒音による苦情をはじめ、不動産経営では入居者同士のトラブルを避けて通ることはできません。特に騒音に関するクレームはもっとも起こりやすいトラブルのひとつなので、オーナーは発生時のリスクや対処方法を把握しておきましょう。また、入居者のトラブルを未然に防いで安定的な賃貸経営を目指すために、ぜひ家賃保証サービスの利用を検討してみてください。

 

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