2022.11.14
不動産投資

戸建て投資の特徴とは?物件の選び方と売却時の注意点まとめ

不動産投資の手法のひとつに「戸建て投資」があります。戸建て物件を賃貸する方法で、アパートやマンションの一棟経営のように高額な資金がからないことから、ワンルームマンション投資と並び初心者に人気のある投資方法です。しかし、戸建て投資には独自のメリット・デメリットがあり、物件の選び方や売却時の注意点もあるので、投資を始める前によく把握しておくことが重要です。

 

オーナーのための家賃保証
「家主ダイレクト」

家主ダイレクトは、27万人を超えるオーナーに利用されている「オーナーが直接使える」家賃保証サービスです。

  • 賃貸経営をしているけど、なぜか手元にお金が残らない
  • 家賃の値下げはせず空室対策をしたい
  • 月々の管理コストを削減したい

こうしたお悩みを抱えている方は、まずは資料ダウンロード(無料)しお役立てください。

戸建て投資とは?

戸建て投資とは、戸建て物件を賃貸して家賃収入を得る方法です。投資目的で物件を購入して賃貸する方法以外にも、親から相続した家や、転勤などにより住まなくなった自分の持ち家を賃貸するケースも戸建て投資に含まれます。加えて、近年では中古で購入した物件をリノベーションし、戸建て投資として賃貸するケースも多くあります。

戸建て投資は比較的少ない予算で始められ、借主が長く入居してくれる可能性が高いなどのメリットがある一方、一世帯にしか貸すことができないために退去すると家賃収入がゼロになるなどのデメリットもあります(詳しくは次章で解説します)。

また、他の不動産投資と同様、立地条件や物件の築年数が入居付けに大きく影響します。そのため、これらの特徴をよく理解したうえで戸建て投資用の物件を探すことが大切です。

戸建て投資のメリット

戸建て投資には、不動産投資初心者でも始めやすい特徴が多くあります。以下に主なメリットを5つ紹介します。

少ない予算で始められる

戸建て投資は、比較的少ない予算で始めやすいのが特長です。不動産投資の手法として有名なアパートやマンションの一棟経営は、集合住宅を一棟丸ごと購入しなければならないため、高額な資金を要します。

もちろん、立地や周辺環境、築年数といった条件によって物件価格は異なりますが、条件が同じであれば、規模が小さい戸建て物件のほうが集合住宅よりも安価であるケースがほとんどです。また、戸建て物件はアパートやマンションよりも築年数による価格の下落が大きいため、中古物件は特に割安で購入しやすく、立地条件によっては数百万円から始めることも可能です。

長く入居してもらえる可能性

戸建て物件を賃貸するのは基本的に一世帯であるため、子育てなどでその地域に長く住むことを前提に賃貸する入居者が多い傾向があります。そのため、アパートやマンションなどの集合住宅よりも、長期間入居してもらえる可能性が高いと考えられます。

入居者が頻繁に変わらなければ、そのぶん安定した家賃収入を得ることができるうえ、入居者募集や審査といった手続きも行わずに済むため、オーナー自身の負担を抑えられるのもメリットです。

敷地全体を好きなようにできる

戸建て投資では、リノベーションやDIYなどもオーナーの判断で実施できます。また、土地の所有者でもあるため、建て替えなども自由に行えます。中には、中古で購入した戸建て物件をフルリフォームして、長期間運用するといった方法を選択するオーナーも少なくありません。

仮にワンルームマンション投資を選択した場合、管理規約によってリフォームが制限されていたり、建物の構造上の制約があったりするため、リノベーションやDIYは実施しにくい傾向にあります。そのため、自分好みの賃貸物件を作り運用したいオーナーにとっては理想的な方法といえます。

管理費や修繕積立金が要らない

ワンルームマンション投資の場合、集合住宅の一室を所有している関係上、管理費や修繕積立金は原則としてオーナー自身が支払います。たとえ部屋が空室だとしても毎月一定額を支払う必要があるため、空室期間が長引くとそれらの支払いを負担に感じる可能性があります。

一方、戸建て投資の場合は、廊下やエレベーター、階段といった共用部分がないため、管理費や修繕積立金は支払う必要がありません。もちろん、住宅に不具合が発生した場合はオーナーが修理しなければならず、数十年に1度は外壁塗装や給排水管交換などの大きな修繕工事が発生するので資金の積み立ては必要ですが、積立金の支払いが必須でない点はメリットのひとつといえます。

◆ワンルームマンション投資の特徴については、こちらの記事をご覧ください。
ワンルームマンション投資は損?リスクと失敗例をチェック

ライバル物件が少ない

戸建て投資は、アパートやマンション投資と比較するとライバル物件が少ないです。戸建て物件の場合、駐車場や広い庭を確保できること、隣室や上下階の人を気にしなくても良いことなど、アパートやマンションにはない特徴があり、入居者を集めやすい傾向にあります。

戸建て投資のデメリット

戸建て投資は良い点ばかりではありません。以下に主なデメリットを3つ紹介します。

修繕費が高額になることがある

戸建ての修繕費は築年数が古くなるほど大きくなります。中古物件を購入した場合は建物全体が劣化していることもあり、こういうケースでは賃貸物件として使えるようにするために高額な修繕費を要する可能性があります。

また、雨漏りやシロアリの発生などといった急なトラブルが発生すると、その都度オーナーが修繕費を捻出して直さなければなりません。戸建て投資の場合、マンション投資とは違い修繕積立金を徴収されることがないのは良い点ですが、オーナー自身が計画的に資金を積み立てる習慣をつけなければ、いざという時に資金不足に陥るリスクがあります。

入居者がいなければ収入はゼロ

戸建て物件は基本的に一世帯だけの入居ですので、入居者が退去してしまうと家賃収入はゼロになります。また、契約すれば比較的長期間入居してくれる可能性はありますが、戸建て賃貸はアパートやマンションの賃貸需要ほど高くないので、立地条件などが良好でなければ空室が長期化するリスクがあります。

その点、マンションやアパートの一棟投資だと複数の部屋を賃貸するため、入居者が何人か退去しても他の部屋が入っていれば家賃収入はある程度カバーできます。戸建て物件のように入居する世帯が少なければ管理の手間はかかりませんが、退去してしまうと収入が一気にゼロになるリスクと隣合わせであることを覚えておきましょう。

ローンを組みにくい可能性

不動産投資ローンを組む場合、不動産の担保としての価値が上限額に影響を与えます。担保価値は主に物件の資産価値によって決まりますが、戸建て物件の場合、築年数が古いと評価額が非常に低くなることがあります。想定していた金額でローンを組めない場合、手持ちの資金で補わなければならないため、購入を断念しなければならないケースが出てくるかもしれません。

◆戸建て賃貸で起こりうるトラブル例と、その対処法について詳しくまとめています。あわせてご覧ください。
一軒家賃貸のトラブル事例・対処法をオーナー向けに解説!

戸建て投資用物件の選び方

不動産投資は物件選びが成否を決めるといっても過言ではありません。経営のコツや節税対策をどれほど学んでも、物件選びに失敗してしまうと挽回するのは困難です。以下に戸建て投資における物件選びのポイントを5つ紹介します。

新耐震基準の物件か

「新耐震基準」とは、1981(昭和56)年6月1日以降の建築確認で適用されている基準のことです。一方、1981(昭和56)年5月31日まで適用されていた基準は「旧耐震基準」と表現されます。

新耐震基準が適用された建物は「震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造」で設計されていますが、旧耐震基準では「震度5強程度の揺れで倒壊しないような構造」とされているので、どちらが適用されたかによって地震への耐性は大きく異なります。

旧耐震基準の物件は、築年数が古いこともあり価格は割安になる傾向にありますが、物件評価額が低いためにローンを組みにくいなどのデメリットもあります。もちろん、自然災害に対するリスクも大きいため、安全性を考えるならば新耐震基準の物件の購入が望ましいといえます。

なお、耐震基準が新旧のどちらに該当するか見極めるには、物件の「建築確認済証」の交付日が1981(昭和56)年6月1日以降かどうかを確認することで判断できます。

重大な欠陥がないか

中古物件の場合、建物に重大な欠陥がないかどうかを確認することが必要です。建物の傾き、シロアリ被害、雨漏りなどは写真や外観だけでは見つけることが困難なため、慎重に見極める必要があります。確認方法としては、現地調査を入念に行うこと、過去の修繕履歴を確認すること、ホームインスペクションを利用することなどが挙げられます。

特に、ホームインスペクションは専門資格を有した住宅診断士が項目に沿って住宅を点検してくれるため、欠陥がないかを判断するためには確実な方法といえます。インスペクターへの依頼費用はかかりますが、ある程度築年数の経った物件を購入する場合は検討しても良いでしょう。

周辺環境、治安などは良いか

物件の周辺環境は、入居者の集まりやすさを見極める重要なポイントです。まずは購入する地域の人口を確認することから始めましょう。現時点で人口が少ない地域は入居者が集まりにくいと考えられるため、避けるのが望ましいといえますが、不動産投資では数十年後のことまで考えて戦略を立てなければなりません。現時点での人口だけでなく、今後の増減の可能性も視野に入れて判断することが大切です。

また、戸建てはファミリー世帯が好みやすい物件であることから、スーパーマーケットやコンビニエンスストアのほか、学校や病院などの数、治安の度合いを調べて、暮らしやすい環境にあるかどうかを調査するようにしましょう。

駐車場はあるか

戸建て投資はファミリー世帯向けの賃貸であるため、自家用車を保有している可能性は比較的高いと考えられ、駐車場の有無は入居者が賃貸を決めるうえで重要なポイントになるといえます。

また、とめられる台数や広さ、駐車のしやすさなども、車をよく利用する世帯では気になる要素でしょう。使いやすい駐車場がある物件は大きなメリットになりますので、その点も踏まえて物件選びをするようにしてください。

再建築は可能か

物件によっては「再建築不可物件」に該当する場合があるので、事前に確認することをおすすめします。再建築不可物件とは、現在の建物を取り壊すと再建築ができない物件のことです。したがって、将来建て替えすることを前提に物件の購入を検討している場合は、購入の対象外となります。

また、再建築不可物件は評価額が低い傾向があり、ローン審査に影響します。そのため、ローンを組んで物件を購入することを検討している場合についても、避けたほうが無難です。なお、再建築不可となる主な理由としては、「接道義務を果たしていない」「地方自治体が特別に指定する地域での建築制限に抵触する」などがあげられます。

投資用戸建て物件を売却するときの注意点

不動産投資の出口戦略としてあげられるのが、物件売却です。戸建て投資を行う場合も、最終的に売却する段階のことを頭に入れておかなければなりません。

ただし、売却の仕方によっては相場より安値になるケースもあるため、損をすることがないように事前に対策を考えておくことが大切です。戸建て物件を売却する際は、以下の3つの点を留意しておきましょう。

複数社から相見積もりをとる

物件売却において、複数社から見積もりを取るのは基本です。戸建て住宅の査定額は依頼する不動産会社によって大きく差が出るケースがありますから、相場を把握するためにも有効な方法だといえます。インターネット上で気軽に査定依頼ができる一括査定サイトを利用して相場を知るのも良い方法です。

ホームインスペクションを実施する

先述のとおり、ホームインスペクションとは住宅診断士が住宅を診断することです。ホームインスペクションを依頼することによって、修理や補修が必要な場所を確認できたり、買主へ告知して売却できたりするメリットがあります。

ホームインスペクションで実施する内容は、基礎や外壁のヒビ割れ、床の傾き、天井裏の雨漏り、シロアリの被害、トイレ・洗面所の水漏れ、設備の動作確認など、100項目以上に渡るため、詳細な情報が分かります。なお、ホームインスペクションには5~10万円程度の費用が発生します。

抵当権を抹消する

抵当権が残ったまま物件を売却することは法律上、不可能ではありませんので、中には手続きの手間や抹消登記の費用を抑えるために、抵当権を残したまま売却したいと考える人もいます。

しかし、物件を購入する立場から考えると、抵当権が設定されている状態ではローンが完済されたという客観的な確認ができないため、購入をためらってしまいます。したがって、不可能ではないものの、売却する場合には非常に不利な条件になるため、抵当権の抹消は必須と考えておきましょう。なお、抵当権抹消は、他の登記手続きと併せて司法書士へ一括して依頼することが可能です。

戸建て投資の特徴をよく理解して慎重に始めましょう

戸建て投資は初期投資が少額で済み、ライバルが少ないという特徴もあるので、最初に始める不動産投資としておすすめできる選択のひとつです。しかし、空室が発生すると収入がゼロになるリスクがあるほか、購入する物件によって修繕費が高額になるケースや、担保価値が低いためにローンが組めないケースなどもあります。

成功するために一番重要なのは物件選びですので、本記事で紹介した選び方のポイントをしっかりと押さえたうえで、購入する物件を検討するようにしてみてください。

PREV 賃貸借契約書の特約条項とは?記載されやすい内容例と有効性
NEXT 屋上防水工事で建物寿命を伸ばす!種類・耐用年数のまとめ

関連記事