2021.07.28
賃貸経営

賃貸保証会社の費用相場|貸主が費用を安く抑える方法とは?

アパートやマンションなどの不動産経営において、入居者の家賃滞納に備えてオーナーは家賃保証会社を利用することがありますが、会社によってサービス内容や費用相場はさまざまです。家賃保証会社の費用は原則として入居者が支払うためオーナー側の負担はないものの、相場とかけ離れた保証料を設定すると入居者が集まりにくくなってしまうリスクがあります。

本記事では賃貸保証会社の保証料とは何かという点を含め、サービス内容や費用相場を詳しくお伝えします。

 

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賃貸物件の保証料ってなに?

そもそも賃貸保証会社とは、入居者による家賃滞納が発生した場合に、入居者に代わってオーナーに賃料の立替え払いをしたり、入居者に対して家賃支払いの督促をしたり、賃貸経営のさまざまなサポートを行う会社をさします。

冒頭でもお伝えしましたが、賃貸保証会社を利用するための費用はオーナーではなく入居者が支払うものであるため、賃貸物件の保証料とは「入居者が家賃保証会社に加入するために必要となる費用」をさしています。

保証料の相場とは

賃貸保証会社には独立系から信販系までさまざまな会社がありますが、費用相場は家賃の50%程度がもっとも多く、中には80%や100%といったところも存在します。どの申込者に対しても金額を一律で固定するケースは少なく、家賃の何割かを保証料として設定する会社がほとんどです。これは、一般的に家賃には大きなばらつきがあり、保証する額が変動することが理由です。

なお、保証料の中には賃貸料だけでなく管理費(共益費)も含まれるのが一般的で、たとえば1ヶ月の賃貸料が70,000円で共益費が5,000円だった場合、75,000円の50%である37,500円が保証料となります。

入居者が賃貸保証会社へ保証料を支払う場合、主に以下の4種類の方法に分かれます。

・契約時にまとめて支払う
・月々に家賃の数%を支払う(契約時の費用は発生しない)
・契約時に加え、1~2年ごとに更新料を支払う
・契約時に加え、月々に家賃の数%を支払う

傾向として、一番上の「契約時にまとめて支払う」パターンの場合、相場より高めの金額設定(家賃の80~100%)であるケースが多いです。しかし、この場合は1回の支払いで済むため、入居期間が長ければ長いほど入居者の負担は少なくなります。

反対に、契約時の支払いがなく月々の支払いのみの場合は、入居期間が短ければ短いほど割安になるといえます。この2つの方法はそれぞれにメリット・デメリットがあるため、保証会社としてはリスクの少ない「契約時に加えて1~2年ごとに年間保証料の支払いを設定する」パターンを選択するケースが少なくありません。この場合は年間保証料の支払いが発生する分、契約時の金額は比較的安め(30~50%)に設定される傾向にあります。

保証会社はオーナーが決める?入居者が決める?

賃貸保証会社を利用するかどうかは、原則として貸主であるオーナーが決めます。オーナーが保証会社の利用を「必須」としている場合、入居者は仮に連帯保証人を用意できるとしても、賃貸保証会社を利用しなければなりません。

また、オーナーが決めた保証会社とは別の保証会社を利用することも、原則として不可です。保証料を支払うのは入居者であるため、オーナー側には保証料を設定することにより入居者が集まりにくくなる可能性があるといえますが、入居者からの家賃滞納が発生するリスクを避けるためにはオーナーにとって最適なサービスといって良いでしょう。

賃貸保証会社はなぜ必要なのか?

国土交通省が2016年に発表した資料によると、家賃保証会社の利用率は2010年では39%だったのに対し、2014年には56%まで上昇しています。

出典:国土交通省住宅局 -家賃債務保証の現状

また、ある協会が2018年に行った調査結果でも、賃貸保証会社の利用率はおよそ75%(回答数は300強)にのぼっており、これらの結果をふまえると今後も賃貸保証会社の利用はますます上がることが予想されます。

ここまで賃貸保証会社が必要になっている主な理由としては、以下の3つが考えられます。

・連帯保証人を立てることができない人が増えている
・家賃を払うことが難しい入居者が増えている
・高齢者の孤独死が増えている(またそのリスクに備えたいと思っている)

中でも、連帯保証人を立てられない人が増えた背景には、中高年層や外国人の単身世帯が増加したことが関係しているといえます。仮に立てられたとしても、連帯保証人が自己破産してしまい支払いを請求できないようなケースもあることから、連帯保証人がいても安心することはできない状況になっています。

賃貸保証会社は入居者にとってもメリットがある

オーナーにとって賃貸保証会社の利用はメリットが大きいですが、入居者が賃貸保証会社を利用するメリットには何があるのでしょうか。考えられる点は大きく2つです。

1つは、連帯保証人を立てられない人でも物件を契約して入居することができる点です。今までは入居希望者が外国人や身寄りのない高齢者などの場合、連帯保証人を立てられず入居を断られてしまうケースがありましたが、賃貸保証会社を利用すれば審査に通過する可能性は高くなります。

もう1つは、収入が安定しない人でも入居審査に通る可能性がある点です。一般的な入居審査として「家賃が手取り収入の3割以内におさまっているかどうか」は大きな基準となっており、たとえば収入が大きく変動する職業の人だとこの基準を下回ってしまい、入居できないケースがみられていました。今までこのような理由で入居審査に通らなかった人の場合、家賃保証会社を利用すれば審査に通過できる可能性が高くなります。

賃貸保証会社の費用を安くおさえる方法

これまでの内容をふまえ、賃貸保証会社の費用を安くするにはどうすれば良いのか、オーナー・入居者それぞれの立場からまとめていきます。

一般的に、オーナーは不動産会社を通して賃貸保証会社を利用するケースが多いため、保証会社・保証内容・保証金額などの設定は不動産会社が指定することになります。しかしこれが原因で入居者が集まらないという事態が起こることもあるため、オーナーは不動産会社に任せきりにせず、どういう保証会社を利用しているのか、保証内容には何が含まれているのかを確認しておくことが大切です。

また、賃貸保証会社の中には、不動産会社を介した取引ではなく、オーナーと直接取引を行っている会社もあります。不動産会社が指定する保証サービスではなく自身で見つけた保証商品を使いたい場合、このように直接取引してくれる会社を検討してみるのもひとつの方法です。

一方で入居者が賃貸保証会社の費用を安くする方法としては、まず保証料が低い部屋を選ぶことが挙げられます。前述の通り保証料は物件によって異なるため、物件候補の中からもっとも保証料が安い部屋に決めると良いでしょう。

また、事前に決められている保証料を入居者側が交渉して安くすることは難しいため、オーナーへ敷金・礼金の値引きを交渉することもひとつの方法です。最初から敷金・礼金負担ゼロの物件を探すのも良いでしょう。保証料の支払いは発生しても、敷金と礼金の負担をできるだけ小さくすることで入居者側の実質負担額は低くなります。

家賃保証会社「家主ダイレクト」

家賃保証会社が提供するサービスはどういうものか具体的に知っていくために、ここでは株式会社Casaの「家主ダイレクト」を紹介していきます。

家主ダイレクトは、不動産オーナーの賃貸経営をサポートし、安定した家賃収入の確保を提供するサービスです。オーナーは入居中の賃料を100%保証してもらえるので、家賃滞納が起こっても安心できる点が大きな特長です。一括して入居者の口座から家賃を引き落とし、オーナーの口座へ振り込む仕組みであるため、月末には必ず入金してもらうことができます。

また、家賃滞納の督促や入居者による退去時の精算費用の未払いへの対応、滞納が長期化した場合の法的手続きなど、賃貸経営で起こりうるお金の問題も家主ダイレクトへサポートを依頼できます。

入居者募集支援も行っており、独自の仲介会社によるネットワークの中から、対象エリアの仲介会社へ空室状況を配信してくれます。入居者の家賃管理をすべて任せられ、さらに賃貸経営を行ううえでのサポートを受けることも可能なので、賃貸経営中のオーナーはぜひ検討してみてください。

家賃保証会社についてよくある質問

最後に家賃保証会社に関するよくある質問を3つ紹介します。

家賃保証会社は個人でも契約できますか?

ほとんどの家賃保証会社はオーナー個人と直接契約することを不可としており、原則として仲介会社(アパートやマンションの管理会社)を通す決まりになっています。なぜかというと、保証会社は個人を取引先として認めていない場合が多いためです。

その点、上で紹介した「家主ダイレクト」はオーナーが直接取引することができる賃貸保証会社なので、仲介会社を通さないで取引できる会社を探している人には特におすすめです。

家賃滞納で立ち退きさせる流れを教えてください

オーナーが入居者を立ち退きさせるには「借主に家賃支払いの意思がなく、貸主と借主の信頼関係が壊れていること」が条件であるという考え方があるため、家賃滞納が確認できているとしてもすぐに立ち退きを要求することはできません。

また、保証会社を利用している場合は、立ち退きを要求する前の段階として、家賃滞納がある入居者に対して賃貸保証会社が督促を行うことになっています。

それでも入居者の家賃滞納が続く場合は内容証明郵便による督促などを行いますが、そこまで行っても入金がみられない場合は法的な手段を用いて入居者を立ち退きさせる方法がとられます。

ただし、基本的には家賃滞納が発生しても賃貸保証会社が督促業務や回収を代行し、入居者が滞納している家賃の立て替えを行ってくれるため、オーナーは金銭的な部分を心配する必要はほとんどありません。

なお、上で述べた「貸主と借主の信頼関係が壊れている」ことのひとつの基準として、「3ヶ月以上の家賃の滞納」があげられます。あくまでも基準なので個別の事情によっては認められないケースもありますが、オーナーはこれをひとつの参考にしておくと良いでしょう。

入居者が家賃を払わないまま無断退去してしまったらどうすれば良いですか?

もし入居者が家賃を払わないまま無断退去してしまった場合は、速やかに賃貸保証会社へ連絡しましょう。入居者が無断退去すると、滞納した家賃の回収以外にも、室内の残置物をどうするか、原状回復費用をどうするかといったさまざま問題が出てきますが、賃貸保証会社と契約していればほとんどの業務を依頼でき費用も保証してくれます。

ただし、保証会社によっては「滞納報告の期限」を設けているケースがあるので、報告を行う期限を超過しないように注意が必要です。

賃貸保証会社の費用相場を抑えるなら、今の保証内容の把握から

賃貸保証会社は貸主・借主の双方にメリットをもたらすため、賃貸契約で利用されるケースは増えてきています。しかし、必要となる費用やサービス内容は会社によってさまざまで、入居者が支払いを行う方法にもいくつか種類があるため、前もって相場を知っておくことが重要です。すでに不動産会社から賃貸保証会社を指定されている場合は今の保証内容を把握するところから始め、場合によっては個人でも契約できる賃貸保証会社を検討してみるのもおすすめです。

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