【厳選】オーナーズ倶楽部編集部 おすすめ書籍を紹介
不動産オーナー、そして将来オーナーになる方にとって、日々の賃貸経営について、そして次の不動産投資については、いつも情報を求め、学びを深めていることでしょう。そこで、オーナーズ編集部では、多くの書籍の中から、良質な1冊を厳選し、その抜粋を紹介してまいります。
著者 浦田健
どんなに立地が良く人気がある物件でも、年に1割程度の入居者は入れ替わる。空室という機会損失を最小限にし、次の入居者を短期間にみつけ出すことが安定経営には欠かせない。そのために重要なことは、管理業者と協力しながら、大家さん自らも客付け営業を行なうべきだし、そのための営業ツールも十分な反応が得られるものになっていなければならない。また、可能な限りの募集媒体を活用し、広くお客様の目に触れるよう網を張っておくことも重要だ。
この章では「即満室!」を実現する入居募集戦略について解説していく。ここで解説する募集戦略をすべて駆使すれば、必ず入居者はみつかるようになる。
入居募集において一番重要なことはなにかと聞かれたら、それは募集チラシと答える。
募集チラシとは、間取図や賃料、契約条件が1枚の紙にまとめられた資料のことである。サイズはB4サイズが基本になるが、最近ではA4サイズを使う不動産業者も多くなってきた。
募集チラシは来店したお客様に渡し、実際に内見するかどうかを判断したり、現地で条件を照らし合わせたり、またそのまま持ち帰って検討するために使われる。すなわち、募集チラシは、入居者との最初の接点となる重要な資料なのである。したがって、募集チラシの作成にあたっては、物件の魅力を十分に伝え、お客様に興味を持ってもらえるようなチラシになるよう考え抜かなければならない。
※ 募集チラシは、地域や業者により「募集図面」「図面」「マイソク」「ファクトシート」などいろいろな名称で呼ばれている。
募集チラシの作成は基本的に不動産業者が行なう。しかし、製作するスタッフが現地をみることなく作成したり、専門業者に外注する場合もあり、物件の良さが十分に伝えきれていない場合がある。また、募集チラシは不動産業者指定の定型書式で作成されることが多いので、レイアウトも他の物件と差別化することができない。
そこで、物件の特徴が120%伝わるよう十分作り込むようにする。ひと目で興味をひくようにカラーで見栄えのするチラシにするのもポイントの1つだ。ただし、カラーでチラシを作成した場合は、客付け業者の店頭に数十枚持参して、コピーせずにそのまま配布してもらうようにすることだ。その場合は、チラシの下側に客付け業者の社名が入れられるようスペースを空けておくようにする。
また、業者間のやり取りはFAXが基本なので、せっかくカラーで作成しても白黒になってしまい、文字や写真が黒くつぶれてしまうこともある。そこで、業者間のやり取り用に白黒で作成したものを別に用意して渡すといいだろう。
物件紹介用のホームページをつくり、チラシにそのアドレスを記載しておくなどの工夫も効果的だ。1枚の紙で伝えきれない魅力や周辺情報を伝えることで、さらに物件の魅力を引き立てることができるだろう。
▽反応の高い募集チラシの例
物件の周辺環境を知ってもらうことも、お客様が部屋を決める際の重要な決め手となる。駅から歩いてきただけでは、そのルートでみた周辺環境しか目に入らないし、募集チラシの限られたスペースでも十分な周辺情報を伝えることはできない。そこで、募集チラシとは別に周辺環境マップを作成し、物件の周辺にどのような生活利便施設があるのかを視覚的にアピールするような工夫をするといい。
物件を中心に、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、駅、病院、公共施設への距離や所要時間、営業時間や電話番号なども掲載しておくとわかりやすいし、入居後も重宝されることだろう。
▽利便性をアピールする周辺環境マップの例
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<著者プロフィール>
浦田健
明治大学商学部卒。「一生、大家さん応援団長」を誓う不動産コンサルティングの第一人者。オールアバウト「アパート・マンション経営」公式ガイド。不動産コンサルティング会社のほか、不動産管理会社、不動産投資会社を経営。自らもアパートの掃除を行なう大家さんのひとり。2008年12月に「大家検定」を監修・認定する一般財団法人日本不動産コミュニティー(J-REC)を設立、代表理事に就任。
主な著書に『「金持ち大家さん」になる アパート・マンション経営塾』(日本実業出版社)、『もうアパート投資はするな! 利回り20%をたたき出す戸建賃貸運用法』(ダイヤモンド社)、『あなたのアパート・マンションを即満室にする方法』(フォレスト出版)など多数。
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