2021.02.12
賃貸管理

共同住宅のごみ置き場問題。4つの事例とクレームへの対策

共同住宅の運営・管理のひとつが、ゴミ置場への対処です。入居者が気持ちよくゴミを捨てられるようにするには、ゴミの放置などのマナー違反に対しどのような対策がとれるでしょうか?事例別の対処法を紹介します。

 

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共同住宅のゴミ置き場問題

共同住宅では、複数の人が同じゴミ置き場にゴミを捨てます。そのため、1人のマナー違反やルール違反が、複数のクレームを呼び起こしたり、1人の違反が複数の違反を連鎖的に呼び起こしたりするリスクがあります。
ゴミ置き場の管理や清掃を徹底することで、入居者が気持ちよく生活できることになるので、空室対策としても有効です。

ゴミ置き場ではどんな問題が起こりやすいのかを知り、問題が起こりにくい環境作りを施しましょう。

事例1 ゴミ出しのルールを守らない入居者がいる
ゴミ出しのルールやマナーがあることを理解していながら、面倒だという気持ちなどがあって守らない人もいます。
一方で、近年は各自治体のゴミ分別のルールが複雑になっています。燃やすゴミ、燃やさないゴミ、資源ゴミ、ペットボトルなど、地域によって、ゴミ出しのルールが変わってきます。入居者に悪意がなくても、ゴミ出しの日時やルールを勘違いしてしまうこともあります。
また、海外の人はゴミ出しについての意識が日本とは違ったり、日本語で書かれた分別収集のルールが理解できなかったりして、ルール違反をしてしまう場合もあります。

入居者に頭ごなしに注意したり、圧力をかけたりするだけではいけません。「なぜルールやマナーを守れないのか」を理解しながら、ゴミ置き場を清潔に保つことへの理解を深めてもらいましょう。ゴミ分別のルールや、収集日時などを目立つポスターで掲示する、各戸にチラシを配って注意喚起をするなど、地道な対策が必要となります。
 
事例2 近隣住民や通行人による不法投棄が行われる
共同住宅の入居者のために設置したゴミ置き場なのに、近隣住民や通行人がゴミを捨てていくという問題が起こることがあります。ゴミが散らばっている光景は、入居者にとって気持ちの良いものではなく、ルールを守ってゴミ捨てを行っている住民にはとても迷惑な事態でもあります。

残念ながら、不法投棄そのものをゼロにすることはとても難しいことです。大家さんとしては、不法投棄をしにくい環境を作ることが、重要です。ゴミ捨て場に鍵をつけて入居者しか利用できない状況にする、人感センサーつきのライトで他人が侵入しづらい環境を作る、防犯カメラを設置し監視していることをアピールするなど、考えられる対策を地道に続けていくことが有効です。

事例3 管理会社がゴミ置き場を清掃してくれない
ゴミ置き場の清掃が管理会社の担当であるにも関わらず、きちんと清掃されていない。そのような場合、管理会社と大家さんの間で、どのような問題が起こっているのかを確認し、契約不履行などの責任を問うという法的な対処も必要かもしれません。

このとき、ゴミが散らばったゴミ置き場の状態を、改善することも忘れてはなりません。
ゴミ置き場の清掃が行き届かないと、何の罪もない入居者が困ることにもなります。

事例4 退去した人がゴミを放置したまま引っ越してしまった
引っ越しに伴って出たゴミや不要な家財を、室内に残したまま、あるいはゴミ置き場に放置しただけで退去してしまう人もいます。
このとき、大家さんがゴミや家財を勝手に処分してしまうと、思わぬトラブルになる可能性があります。退去した人に確認と廃棄の同意をとることや、場合によっては廃棄物の撤去について、裁判所に介入してもらう必要がある(出てくる)ことも考慮に入れましょう。
くれぐれも大家さんだけの判断で処分せず、退去した人に確認をとり、場合によっては専門家に相談することも視野に入れましょう。

入居者からのクレームがあった場合は?

ゴミ置き場に関することで、入居者からクレームがあった場合は、できるだけ早く対応し、ゴミ置き場を清潔な状態に保ちましょう。
ただし、ゴミを勝手に開封して、捨てた人を特定することは後に問題となる場合もあり、注意が必要です。

また、クレームがあった後で対処すること以上に、できるだけクレームが生じないような環境を事前に作っておくことが大切です。

ゴミ置き場が清潔に保たれていると、自然と清潔な環境を好む人が入居するようになるものです。逆に、ゴミが乱雑に散らばったゴミ置き場を見て「ここでもいいや」と物件選びをする人は、不衛生な環境でも平気であるという場合も多く、問題が解決しません。
ゴミ置き場を清潔に保つことで、ルールやマナーを守ってくれる入居者が増え、住環境の向上につながるということを、入居者に根気よく伝えていきましょう。

ゴミ置き場に近い部屋と、ゴミ置き場から遠い部屋を比べると、どうしてもゴミ置き場近くの部屋の人のほうが悪臭、騒音、ゴミなどの影響を受けやすいものです。逆に言えばゴミ置き場近くの住人からクレームが出ないような環境を作り出すことができれば、共同住宅全体からもクレームが出にくいということになります。

ゴミ置き場に関するクレームの種類もさまざまです。悪臭や回収されないゴミの放置など、ゴミそのものに関するものと、出入りする人の騒音や、プライバシーの侵害など人が介在するものなどもあります。クレームが起きたときには、具体的にどのような内容や現象なのか、じっくりと耳を傾けて確認し、対処していきましょう。

女性が入居したくなるポイント

もしも女性の入居者が少なく、また女性入居者の退室が多いという場合は、ゴミ置き場などにも原因がないかを今一度、確認してみるようにしましょう。

女性は、ゴミが散らばった共同住宅には住みたくないものです。そして、女性が決して見られたくないゴミというものもありますし、手紙などの個人情報が含まれたゴミも不安を抱きながら捨てなければならない状況では安心して生活できません。

このような点から、女性は、
・ゴミ置き場がきちんと清掃されていること
・いったん捨てたゴミが他の人から覗かれないような仕組みがあること
・悪臭が漂ってきたり、害虫や動物が集まってきたりしないこと
などの条件が満たされる物件を選ぶ傾向があります。

ゴミ置き場の入り口には鍵をつけて、外部の人や動物の侵入を防ぐようにしましょう。カラスなどが集まってこないよう、蓋つきのゴミ箱を利用するのも良いでしょう。
既存の住人には、ゴミ出しのルールを守ってもらうことを徹底し、ゴミ置き場が荒れた状態にならないよう、常に注意をしておきましょう。

女性が入居したくなるような物件は、男性にとっても住みやすい物件です。細やかな気配りができる女性の視線に立って、ゴミ置き場の管理状況を見直しましょう。

まとめ

共同住宅を運営すると、ゴミ置き場のトラブルが課題となり易いものです。ゴミ捨てのルールを守らない住人や、近隣の人が不法投棄をしていくという問題、分別ルールが守られていないためにゴミが回収されないという問題など、さまざまなことが考えられます。
ゴミ置き場に関するクレームがあった場合、できるだけ早く対応するとともに、クレームが生じにくい環境作りを進めていきましょう。また、回収されなかったゴミを大家さんの自己判断で処分したり、ゴミを開封して捨てた人を突き止めたりするのは、後に法的な問題に発展することもありますので、専門家と相談することも視野に入れて、慎重に対応しましょう。
大家さんとして、ゴミ置き場を清潔に保つことで入居者の満足度を高めて、空室対策につなげていきましょう。

執筆者
大長 伸吉(不動産投資アドバイザー)
ランガルハウス株式会社代表、年金大家の会主宰

■保有資格
宅地建物取引士、AFP、貸金業務取扱主任者

世田谷区・目黒区を中心に東京の土地購入から銀行融資、設計施工、満室管理、税務相続まで個別に寄り添っている。自身も4棟23室の物件を満室運営中。10年間で3,000回以上の個別相談と250回を超えるセミナーを開催。

 

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