不動産投資で利用する金融機関のローン(不動産投資ローン)は、そのローン期間が最長でも建物の耐用年数以内というのが、多くの投資家にとって半ば常識となっています。
しかし、最近になってローンの最長期間を45年とする不動産投資ローンが一部の金融機関から売り出されています。従来のローンよりも大幅に返済期間が長くなるため、それを活用したいという不動産投資家は多いと思います。
このような長期のローンは、活用方法によっては、不動産投資のみならず、将来の生活設計や家計の見直しにも影響が及ぶことになりますので、そのメリット、デメリットを理解する必要があります。
従来のローンよりも大幅に期間の長い不動産投資ローンには、以下のようなメリットがあります。
・毎月の返済負担が従来よりも小さくなる
・その結果、新築でも(低い利回りでも)現金収支を得ることができる
・団体信用生命保険(団信)の適用期間が長くなる
・45年の不動産投資ローンの団信は保障内容が手厚い
返済期間が長くなることで、毎月の返済負担が軽減し、現金収支を得ることができるメリットについては、オーナーであれば真っ先に思いついたのではないかと思います。また、その結果として、団信のメリットも享受することができます。
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45年の不動産投資ローンで考えられるデメリットは、当然ながら返済期間が長くなるため、完済時期も遅くなります。また、返済期間が長くなれば利息も増えるため、トータルの返済額はこちらのほうが大きくなります。
以上が45年の不動産投資ローンで考えられる主なデメリットです。
こうしたメリット・デメリットを踏まえ、次に賃貸経営に与える影響をみてみましょう。
① 団信の充実により家計の見直しが可能になる
ローン返済期間が45年になれば、その期間中は団信の保障が続くことになりますので、別途生命保険に加入する必要性が薄れ、結果的に保険料の節約により、家計のキャッシュフローを見直すことができます。
② キャッシュフロー改善により物件買い増しの余地が大きくなる
金融機関のローン審査では家賃収入に対する返済比率が重視されますが、ローンの長期化によって月々の返済額が減ると、その分、返済比率も低くなるため、物件の買い増し余地が大きくなります。
③ 若年層の不動産投資家の参入が促進される
長期のローンを最も有効に活用できるのは、若年層です。そもそも45年の不動産投資ローンが登場した背景には若年層の取り込みという意図もありました。こうした長期ローンの登場で不動産投資への参入障壁が高かった20代の若年層が賃貸経営に取り組みやすくなることが考えられます。
従来、ローンの返済期間がここまで劇的に変わることがなかったこともあり、45年ローンの登場は、不動産市場にとって相応のインパクトがあると思われます。オーナーはこの流れにうまくのって恩恵を享受したいところです。そのためには、積極的な情報収集と、具体的な行動が重要です。
ご興味がある不動産投資家はまず、「自分も利用可能か」というところから検討を始めてみてはいかがでしょうか。
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