2021.11.12
不動産投資

不動産投資のオーバーローン|組むポイントと違法になる例

物件を購入する場合にはローンを組むことが一般的です。金融機関の許可が下りれば、諸経費などを含めた物件価格以上の融資を受けられる「オーバーローン」を利用できる可能性があるものの、不動産投資に限ってはこのオーバーローンを組むのは非常に難しいといえるのが現状です。そこで、本記事では不動産投資においてのオーバーローンに的を絞り、組むポイント、違法になる例について解説します。

 

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オーバーローンとは

オーバーローンは物件価格よりも多くの融資を受けられるため、自己資金が少ない人にとっては有効である一方、利息や返済額が高くなるというリスクを孕んでいます。ここでは、オーバーローンがさす2つの意味と、不動産投資でオーバーローンを組むことが難しい理由を説明していきます。

「オーバーローン」の2つの意味

オーバーローンには、以下の2つの意味があります。

1.物件価格よりも多くの融資を受ける状態
2.ローン残高が不動産価値を上回っている状態

本記事では、1の意味をさすオーバーローンについて解説しています。

2はどういう意味をさすかというと、ローン組んだあとに不動産の資産価値低下により起こる状態のことです。特に新築一戸建てを購入した場合、資産価値の低下が早いため起こりやすくなります。たとえば、住宅ローンの残債が3,000万円あるものの、売却しても2,500万円にしかならない、といったような状態を指しています。

また、オーバーローンを組むメリットとして、以下の2点があげられます。

・自己資金が少なくても融資が受けられる
・自己資金に手をつけずに物件を購入できるためレバレッジを利かせられる

つまり、初期投資を最小限に抑えることにくわえ、レバレッジ効果で大きな収益を得ることを目的にしている人には向いている方法といえます。

【参考】不動産投資におけるレバレッジ効果とは?

レバレッジとは「小さな力で大きな効果をもたらす」ことです。不動産投資に当てはめると、「少ない資金で投資効果を上げて収益性を高めること」を意味します。

たとえば1,000万円の物件があり、利回りは8%だとすると、年間利益は80万円です(説明を簡単にするため、経費や税金分などはここでは省きます)。この物件にレバレッジをかけ、1,000万円の融資を受けて2,000万円の物件を購入して運用するとします。同じ利回りの場合、この物件の年間利益は160万円です。

仮に金利3%となる30万円を払っても、160万円―30万円=130万円。つまり、レバレッジをかけないと80万円の年間利益だったのが、レバレッジをかけると130万円の年間利益となり、最終的な家賃収益は50万円高くなります。どちらの場合も自己資金額は同じですが、このように融資があることでより高い利益を生み出すことができる状態を「レバレッジ効果」と表現します。

不動産投資でオーバーローンを組むのが難しい理由

冒頭でも述べましたが、不動産投資でオーバーローンを組むのは困難であるといえます。貸し倒れになった場合のことを考えると、金融機関としてはハイリスクな融資であるのは間違いなく、審査が非常に厳しくなるためです。

もちろん不可能ではありませんが、個人としての信用があり、物件の収益性をきちんと説明できたとしても、不動産投資でオーバーローンを組むことは厳しいものであると考えておきましょう。

※それでも不動産投資によるオーバーローンを検討している人のために、次章では金融機関にオーバーローンを認めてもらうために大切なことを説明していきます。

フルローンとの違い

フルローンとオーバーローンは、言葉は似ていますが以下のような違いがあります。

  • フルローン:物件価格全額の融資を受ける方法
  • オーバーローン:物件価格全額にくわえ、諸費用やリフォーム代など、物件価格を超える金額まで融資を受ける方法
  •  
    たとえば、3,000万円のマンションを購入し、150万円の諸費用がかかるケースで考えてみましょう。この場合、フルローンでは物件価格と同額の3,000万円の融資を受けられますが、諸費用の150万円は対象外になります。いっぽう、オーバーローンでは物件価格+諸費用となる3,150万円の融資を受けることが可能です。

    金融機関にオーバーローンを認めてもらうために大切なこと

    住宅ローンとは違い、不動産投資によるローンは事業に対する融資であるため、不動産投資の戦略を事業計画としてシミュレーションできているかどうかが重要です。そのため、個人の所得や資産状況だけでなく、事業としての価値が審査に大きく影響します。

    不動産投資における「事業計画書」の必要性

    オーバーローンであってもフルローンであっても、不動産投資でローンを組みたいと考えている場合には、事業計画書の提出は必須といえます。

    事業計画書とは、これから開始する事業の内容を細かくまとめた書類です。不動産投資では「不動産賃貸事業でどのくらいの収益をあげられるか」「どのように収益をあげるのか」といった戦略を示す必要があります。事業性が高いと認められる物件ならば金融機関からの融資を受けやすくなるうえ、将来的に自分で事業計画を検証する際にも役立ちます。

    ただし、根拠のない数字を記載すると見通しの甘さが指摘されることがありますので、客観的なデータをもとに長期的なビジョンで見据えることが大切です。

    事業計画書に記載すべき内容

    事業計画書には指定のフォーマットがあるわけではないので、内容が網羅されていればどのような書式でも問題ありません。事業計画書に記載すべき内容は以下のようなものです。

  • 事業内容(賃貸事業)
  • 事業の目的や目標
  • 市場規模
  • 競合分析
  • 経営プラン
  • 収支計画
  •  
    事業計画書のフォーマットを初めて作成する場合は特に手間がかかるため、インターネット上からテンプレートをダウンロードする方法がとられるのが一般的です。もっとも確実なのは日本政策金融公庫のホームページからダウンロードする方法です。
    借入申込書等ダウンロード | 日本政策金融公庫

    ページ数の多い事業計画書だと作成が難しい、もう少しコンパクトなフォーマットが良いという人には、以下のテンプレートがおすすめです。
    事業計画書テンプレート|bizocean

    金融機関の融資審査の基準を理解しておくことも大切

    不動産投資においての金融機関の融資審査では、何度もお伝えしたとおり物件の収益性が注目されます。しかし、それ以上に重要視されるのは個人の属性です。個人の属性とは、融資を受ける人の勤務先や年収など、経済的・社会的な側面からみた信用性を示しています。

    その人に融資して問題ないのか、融資の限度額はどこまでできるのかといった点は、金融機関が判断する際のポイントとなります。以下に金融機関がチェックするポイントをまとめます。

  • 家族構成
  • 居住環境
  • 勤務先や勤続年数
  • 年収
  • 金融資産
  • 借入がある場合はその内容と残債
  •  
    つまり上記をまとめると、大手企業勤務・長い勤続年数・高い年収・豊富な金融資産・借入なしという人ならば、当然ながら金融機関からの評価は高くなります。ただし、これらの項目のうち、どこを重要視するかは金融機関によって異なるため、ひとつの金融機関で審査が通ったとしても他で通るとは限らないことを覚えておきましょう。

    オーバーローンを利用するリスク、注意点

    オーバーローンを利用するリスクと注意点を確認していきましょう。

    月々の利息、返済額が高くなる

    オーバーローンを利用すると融資の額は大きくなるため、月々の利息や返済額も高くなります。物件の利回りと返済額をよく照らし合わせ、返済可能な額なのかどうかは事前にシミュレーションしておくようにしてください。

    また、不動産投資ローンの金利は住宅ローンの金利よりも高い傾向がありますので、今までに住宅ローンを利用したことがある人は同じ感覚で考えないように注意する必要があります。不動産投資ローンの大体の相場は1%前半~2%後半ですが、金融機関や物件の状況によっては4%を超える場合もあります。

    いっぽう、近年の住宅ローンは超低金利となっており、1%を切るケースも少なくありません。

    空室リスク、金利上昇リスクに備える必要がある

    ローンを組んで不動産投資を行う以上、空室リスクや金利上昇リスクに対する対策は考えておかなければなりません。空室ができて家賃収入が減少したり、金利が上昇して当初より返済額が増加したりするケースは十分に考えられるからです。

    不動産投資を始める場合、あらかじめこうした可能性を視野に入れ、余裕のある資金計画を立てることが重要です。特に、オーバーローンを組む場合は返済額が大きくなるため、よりいっそう慎重な姿勢が求められます。

    違法行為に該当する可能性がある

    オーバーローンは、方法を誤ると違法行為に該当してしまうケースがあります。「知らないうちに法に抵触していた」などということがないよう、どのようなケースが違法行為に該当するのか事前に把握しておきましょう。たとえば以下のようなケースです。

    1.取得金額を偽り、オーバーローンであることを銀行に隠して融資を受けた
    2.投資目的であることを隠し、住宅ローンとしてオーバーローンを組んだ

    1が違法行為であるのは言うまでもありません。書類を偽造する行為は私文書偽造にあたり、銀行をだまして融資を受けようとした、として詐欺罪に問われる可能性もあります。仮に不動産会社が主導した行為であって、オーナー(投資家側)が何も知らなかったとしても、金融機関から訴えられたり一括返済を求められたりする可能性があるので、細心の注意を払わなければなりません。

    もしもローンが下りたとしても、そのあと銀行に隠していたことが発覚した場合はローン契約は解除され、一括弁済を求められる可能性もあります。

    2については、そもそも住居ローンは自分が居住する目的での不動産購入にしか利用することができません。これは同じ物件であっても、自分が住む目的なのか、それとも投資が目的なのかでは審査基準が異なってくるためです。そのため、投資用不動産にもかかわらず「自己居住用」と偽って購入することは不正融資になり、違法行為になります。

    たとえば、住宅ローンのほうが金利が低いことを理由に、投資目的であるのを意図的に隠してオーバーローンを組むといった行為も、もしも発覚した場合は一括弁済や刑事罰に問われる可能性があるので、決して行わないようにしてください。

    不動産投資でオーバーローンを利用するなら返済計画は慎重に

    これから不動産投資を始めようと思っている人の中には、フルローンやオーバーローンを利用して初期費用を抑えようと考えている人が少なくないでしょう。しかし、ここまで説明してきたとおり不動産投資でオーバーローンを組むのは難しく、仮に金融機関の審査に通っても高い利息を払わなくてはなりません。

    どうしてもオーバーローンを組みたい人は、まず金融機関の許可を得られるように事業計画書を入念に作成して物件の収益性を証明するとともに、個人としての信用性も高めていくようにしましょう。また、すでに不動産投資の経験を積んでいる人は、今までの実績を提示することで審査に通過しやすくなる可能性があるため、一度検討してみてはいかがでしょうか。

     

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