2022.05.27
賃貸経営

大家向け|賃貸キッチンリフォームを予算別・種類別に紹介

空室リスクや家賃下落リスクに備えるために、賃貸物件のキッチンのリフォームを検討するケースがあります。この記事では、費用対効果の高いリフォームを行うことで賃貸経営を成功させるために、賃貸物件のキッチンリフォームに関する情報や費用などについてお伝えします。費用の回収までを考えてリフォームし、後悔しない選択をしていきましょう。

 

オーナーのための家賃保証
「家主ダイレクト」

家主ダイレクトは、27万人を超えるオーナーに利用されている「オーナーが直接使える」家賃保証サービスです。

  • 賃貸経営をしているけど、なぜか手元にお金が残らない
  • 家賃の値下げはせず空室対策をしたい
  • 月々の管理コストを削減したい

こうしたお悩みを抱えている方は、まずは資料ダウンロード(無料)しお役立てください。

賃貸物件のキッチンリフォームは回収まで考えて行おう

賃貸物件のキッチンリフォームをする際には、自身がどのような入居者を想定しているのか整理し、その入居者の需要を予測するところから始めることをおすすめします。その部屋を利用する層の主なライフスタイルによって、キッチンのクオリティへの優先度が変わってくるからです。

たとえば、単身者向けの部屋の場合にはあまり自炊をしない入居者が入居する可能性もありますし、キッチンの仕様に拘るよりも、どちらかといえば家賃の値段が安いほうが好まれる傾向があると予測できます。それならば、無理して新品のキッチンに変えるよりも、壊れた部品のみ交換し、クリーニングで清潔にして家賃を抑えるほうが需要は高いと考えられます。

一方、ファミリータイプのマンションであれば、部屋の選択権は女性にあることが多いため、キッチンの仕様は部屋を決める時の重要なポイントになる可能性があります。

  • キッチンの動線や家具の配置などに配慮した、使いやすい間取りになっているか?
  • 調理台はガス式かIH式か?
  • システムキッチンか従来型のキッチンか?
  • 収納は十分にあるか?
  •  
    など、想定する家賃の範囲の中でキッチンの魅力を高めることは、入居率を高めることにつながるはずです。

    賃貸物件のキッチンリフォームをする上では、これらのポイントを念頭に置きながら、さらにリフォーム費用の回収まで考えて行わなくてはなりません。まず、家賃をアップするのか据え置くのか、物件のターゲットと費用との兼ね合いから決めることが大事です。

    空室対策のためのキッチンリフォームなら、家賃は据え置きというパターンが一般的だと考えられるので、リフォーム内容は最小限にすべきでしょう。反対に家賃アップが前提のリフォームなら、資金をどのくらいの期間で回収するのか考えることがポイントになります。その際に、アップした後の家賃は周辺家賃と比べて競争力のあるものかを考える視点を忘れないことも大切です。

    賃貸キッチンリフォーム|予算から考える

    キッチンリフォームの相場は、主に以下の費用を合計するとおおまかな費用感が分かります。

  • キッチン本体の費用
  • 古いキッチン本体の解体や処分の費用
  • 配管工事の費用
  • クロスやフローリングなどの張り替え工事の費用
  •  
    中でも、キッチン本体の費用や、キッチンの配置を変える場合の配管工事の費用などは高額になる傾向がありますので、予算との兼ね合いでこれらの費用の配分を考えていくことが必要です。

    ここでは、かけられる費用の程度により3段階に分けて、それぞれどの程度までリフォームできるのかを紹介していきます。回収までを見据えた賃貸キッチンリフォームを行うにあたって、ぜひ参考にしてみてください。

    50万円未満

    家賃をアップしないでリフォームするという判断をするのであれば、費用は50万円未満に抑えたいところです。その場合に可能なのは、水栓交換やコンロ、レンジフード交換などの部分的工事のみとなるでしょう。

    システムキッチンのコンロの交換工事は大体10~20万円ほどが相場となり、ガスを使用しているコンロから IHへの変更の場合には、おおよそ20万円以上かかるのが一般的です。また、レンジフードの交換費用の相場はおおよそ10万円ほど、食洗機を交換したり新たに設置したりする際の費用は7~10万円ほどが多いです。

    使用頻度にもよりますが、水栓の接続部の緩みやパッキンの劣化などは10年前後で生じてくるので、取り換えが必要になります。部品自体は数百円程度で購入できるため、DIYが得意であれば自分で修理することもできますが、工事業者に依頼するのであれば出張費などもかかるため数千円から1万円ほどかかります。それなので、1カ所の交換が必要になった場合には、キッチンだけでなく洗面所やお風呂場などの水回りをまとめて交換することを検討するとよいかもしれません。

    このように、最低限の費用でリフォームを行うのであれば、故障や劣化などにより取り換えが必要となった部分を重点的に行い、費用対効果の高いリフォームをすることがポイントです。なお、単身世帯向けのコンパクトなキッチンであれば20万円ほどでキッチン本体を新しく交換することができるので、クロスやフローリングの張り替えを行っても50万円未満に抑えられる可能性があります。

    50万円~150万円

    リフォームの予算として50万円~150万円ほどを確保できるのであれば、ファミリータイプのマンションでもキッチン本体の交換ができたり、グレードによってはIHへの交換ができたりする可能性があります。

    システムキッチンの価格は、そのグレードや発売時期によって大きく差があります。デザインやメーカー名などを気にしないのであれば50万円以下という安い価格で購入することは可能ですが、一般的には100万円~150万円くらいが相場となります。

    気を付けなくてはならないのは、キッチン本体の価格以外に工事の費用もかかることです。工事業者やオプションによっても違いがありますが、多くの場合は20万円以上かかることが普通ですので、キッチンの費用にこの工事費用が含まれているか確認することを忘れないでください。

    工事費用を含めた見積もりの額を差し引いても予算に十分な余裕があるなら、クロスやフローリングなどの床材の交換やオプションの追加など、キッチン周りの全体的なリフォームまで行うことを検討してもよいかもしれません。

    150万円以上

    ファミリー向け物件ではキッチン選びが重要です。150万円以上の予算をかけられるのであれば、ある程度グレードの高いキッチンを選んだり、クロスやフローリングに凝ったりすることができます。また、新たに収納を設けたり、食洗器などのオプションを付けたりすることを検討する余地も出てきます。

    そのほか、壁付けキッチンを対面型キッチンにする、モダンなアイランドキッチンを導入するなど、大幅なレイアウトの変更を伴うリフォームも視野に入ってきます。

    食洗器の取り付け費用は約7万円~、壁付けキッチンを対面型にする費用は60万円~200万円程度、アイランドキッチンにするならば150万円~200万円程度が相場となります。

    ただし、ある程度高額なリフォーム費用をかけるのであれば、回収について本格的にシミュレーションする必要があります。たとえば、200万円かけてリフォームした場合を考えてみましょう。リフォームによってアップする賃料が月に1万円であれば、以下の計算となります。

    1万円×12カ月×16.66年=200万円

     
    この場合、回収までに約17年もかかってしまうことが分かります。リフォームにかかった費用は、できれば10年以内には回収できるようなプランが望ましいと考えられます。

    そこで、アップする賃料を2万円にしてみましょう。

    2万円×12カ月×8.33年=200万円

     
    この場合は9年で回収できることになります。

    ここで考える必要があるのが、リフォームを実施したことで2万円の賃料をアップすることは可能なのか?という点です。家賃の相場が20万円程度の部屋であれば、少々高くても素敵な部屋に住みたいという入居者が多いのではないかと考えられますし、20万円から22万円への変更はそれほど気にならないかもしれません。

    しかし、10万円の部屋に多額の費用をかけてリフォームし、12万円の家賃にした場合はどうでしょうか?設備が新品ではなくても、家賃が安いほうを好む入居者が多いのではないかと想定すると、入居率のアップにはつながらない可能性は出てくるでしょう。

    このように、立地や部屋のグレードなどから想定される入居者の志向を参考にして、リフォームの内容を吟味することが大事であると考えられます。

    賃貸キッチンリフォーム|キッチンの種類から考える

    前章では予算別に賃貸のキッチンリフォームを考えていきましたが、本章ではキッチンの種類から考えてみましょう。キッチンにはいくつかの種類や形状があり、それぞれ特徴があります。ターゲットとする入居者や予算によって、どのようなタイプが向いているかをよく考えてプランを練ることをおすすめします。

    キッチンは設置場所により2種類に分かれる

    キッチンは設置場所により「クローズドキッチン」と「オープンキッチン」の2種類に分かれます。

    クローズドキッチンとは、キッチンが1つの部屋として他の部屋から独立しているタイプで、従来よくみられた方式でした。料理のにおいや煙がキッチンの外に広がりにくく、多少キッチンが乱雑でも外部から見えないという利点があります。この場合は、部屋の構造上、キッチンを壁にぴったりと付けて設置する壁付けキッチンとなります。

    一方、オープンキッチンとはダイニングやリビングルームと一体になったタイプです。対面型キッチンにすれば部屋全体が見渡せるので開放感があるとともに、空間を広く感じさせる効果が期待できます。家族の様子を見ながら料理することができるため、子育て世代には人気のタイプです。

    ただし、キッチンの状況や料理をしている様子は丸見えになるため、収納や整理に気を使わないと乱雑な印象を与えてしまいます。また、においや油汚れなどが部屋全体に広がる可能性があるため、換気や掃除もまめに行う必要があります。

    古いタイプのマンションでは壁付けタイプがほとんどですが、リフォームの機会を利用して対面型にすることで入居率を高め、できれば賃料アップも図りたいと検討するオーナーは少なくないでしょう。しかし、壁付けタイプを対面型タイプに変更する場合はキッチンの場所の移動が必要となるので、配管工事や電気工事なども発生し、そのぶん費用は高額になります。この工事の場合、取り付けるキッチンのグレードによるものの、60万円~200万円程度が費用相場となります。

    キッチンの形状により4種類に分かれる

    キッチンは前章のように設置場所によって種類が分かれるほか、形状によってもさらに4種類に分かれます。それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか、以下で解説していきます。

    I型

    I型キッチンとは、コンロと調理台・シンクがI字型に一列になっているタイプをいいます。比較的コンパクトなタイプが多く、壁付けタイプのキッチンで使用される例が多く見られます。狭い空間にも設置することができ、形状が単純なため、価格もリーズナブルなものが多数揃っていることがメリットといえます。

    しかし、大型のものになるとコンロからシンクまでの幅が長くなり、キッチンの隣に冷蔵庫を置く場合にはさらに動線が長くなるため、調理中の作業効率が悪くなるというデメリットもあります。

    L型

    L型キッチンとは、コンロとシンクをL字型に配置し、これらが直角になるようにしたタイプです。コンロとシンクの距離が近くなり、調理する際には身体の向きを変えればほぼ同じ位置で作業することができることから、作業動線に優れた設計といえます。また、作業スペースを広くとることができるのもメリットで、料理にウエイトを置いたライフスタイルの入居者には大きな魅力があるといえるでしょう。

    ただし、L型キッチンの設置には広い空間が必要となること、調理台のスペースがL字型の角の部分にあたるため、収納スペースとして利用するには使い勝手が悪いことなどがデメリットとなります。I型キッチンと比べると、一般的には設置の費用も高額になります。

    アイランド型

    アイランドとは、英語で「島」という意味です。海に浮かぶ島のように、キッチンスペースの中で壁から離れた位置に配置されるタイプをアイランド型と呼びます。

    アイランド型キッチンの最大の魅力は、目の高さの位置に遮るものがないため開放感があり、空間を広く演出できることです。シンプルかつスタイリッシュな作りであるため、キッチンスペースのデザイン性を優先したい人には人気のあるタイプです。また、キッチンの周辺に十分なスペースがあるため、知人を呼んで複数人で料理を楽しみながらパーティーするといったライフスタイルが好きな人にも向いています。

    反面、設置するためには広いスペースが必要であることや、遮るものがないのでキッチンが丸見えになる上に収納スペースが少ないことから、片付けが苦手な人には向かないスタイルであるといえます。高級感がありますが、実際に費用も高くなり、150万円~200万円程度が相場となります。人によって好みが分かれるため、賃貸物件への導入には慎重な判断が必要かもしれません。

    ペニンシュラ型

    ペニンシュラとは「半島」という意味で、キッチン本体のどちらか一方の端を壁に接する形で配置する形状が「半島」に似ていることから名付けられたものです。上部に吊戸棚などの収納を設けない場合のペニンシュラキッチンは、アイランド型と同様に開放感があり、リビングとの一体感を感じられるレイアウトになります。

    さらに、片方の端を壁に付けて設置するのでアイランド型ほど広いスペースを必要としないこと、キッチン本体の前にカウンターを取り付ければ配膳台などとして利用できること、キッチンに取り付けるカウンターの位置を高くする・腰壁を設けるなどでキッチンの作業スペースの目隠しが可能であることなどから、広く好まれています。

    しかし、収納スペースが少ないことなどのデメリットはアイランド型と同様です。費用相場は設置するキッチンのグレードによって変わりますが、100万円~200万円程度を想定しておく必要があり、アイランド型よりは手頃な価格帯となります。

    賃貸のキッチンリフォームをスムーズに進めるためには

    最後に、賃貸のキッチンリフォームをスムーズに進めるためのポイントを紹介します。

    まず、リフォームにかけられる費用の収支をシミュレーションすることからはじめましょう。その後、予算の範囲内でどこのリフォームをするのか決めていきます。どのようなリフォームをするのか決めたら、その内容に合わせて、マンション内の梁の場所や形状、電気の配線や給排水、ダクトなどの位置関係、マンションの構造上撤去できない壁がないかなどを事前に確認しておくとよいでしょう。

    また、リフォームの前にマンションの管理規約を確認しておくことも大切です。マンションによっては、騒音対策のために使用可能なフローリングの等級などに基準を設けているケースがあります。構造上の耐久性を維持するために、外壁に工事を加えるようなリフォームを禁止するといった定めのあるケースもあります。

    リフォームが管理規約に基づいて計画されているかの確認や、工事による騒音への苦情に対応するために、事前に管理組合の承諾が必要となっていることも多くあるので注意が必要です。

    そのほか、リフォームに国や自治体の補助金制度が利用できるケースもありますので、必要な情報収集を行っておくとよいでしょう。

    そして、リフォームの成功には業者選びも大きなポイントです。相談したり相見積もりを取ったりすることで、

  • 費用は良心的か?
  • 見積もり費用の内訳は合理的か?
  • 信頼できる業者であるか?
  •  
    などの観点から、複数のリフォーム業者のプランを比較してみてください。

    マンションなどの集合住宅でリフォームを行う際、工事の騒音でトラブルになるのはよくあるケースです。上下左右の部屋には前もって挨拶に行き理解を求めるとともに、騒音の出る日や時間のスケジュール表などを渡しておくことで、苦情が出ないように対応しておくことも忘れないようにしましょう。

    賃貸のキッチンリフォームは入居者層と予算をもとに考えよう

    キッチンやバス、トイレなどの水回りは、部屋探しの際に入居者が気になるポイントです。特にファミリー向けのマンションであれば、キッチンの仕様は入居の際の大きな決め手になる可能性が高いと考えられます。ですから、キッチンリフォームは空室対策として効果的な方法の1つといえるでしょう。

    この記事では、賃貸キッチンリフォームは家賃で回収できる金額であることが大切であるため予算から考える必要がある点、入居者の需要を想定したキッチンの選択が重要なポイントである点、賃貸キッチンリフォームをスムーズに進めるためのポイントなどをお伝えしました。

    リフォームによって物件の魅力を高めて入居率をアップさせ、賃貸経営の収益力を高めるために、この記事をぜひ参考にしてみてください。

    PREV 不動産取得税の計算方法を解説!シミュレーションや申告方法も
    NEXT 建築基準法違反物件|5つの実例とリスク、調べる方法とは

    関連記事