2021.02.10
不動産投資

法令遵守は必須に!建築基準法違反物件の末路

現状、あらゆる事業において“法令遵守”が強く求められています。とくに不動産事業者の場合、「建築基準法」などの法令をふまえたうえで、適正な物件を社会に提供する義務があるものの、実際に出回っている不動産の中には建築基準法違反の物件も少なくありません。不動産のオーナーやこれからオーナーになる人は、そのような物件を見極めるよう努めることが大切です。

事実、不動産業者の中には建築基準法スレスレまでコスト削減を行っている企業もあります。入居者の住みやすさを追求しているわけではなく、自社の利益を最大化するための経費削減だと、場合によっては建築基準法違反にいたってしまうケースも少なくありません。では、そのような建築基準法の物件は、どのような扱いを受けてしまうのでしょうか。物件の状況に応じた処罰や事業者に対する罰則など、詳しく見ていきましょう。

大手企業でも建築基準法違反が問題に

過去、さまざまなシーンにおいて、建築基準法違反の物件が話題になってきました。とくに、近年では不動産業界でも老舗の大手企業各社において、不祥事が相次いでいます。たとえば、アパート経営で有名な「レオパレス21」は、2019年2月、建築基準法違反などの疑いがあるアパートが最大1,300棟見つかったと発表。同社は、2018年5月にも施工不良問題で世間を騒がせた前例がありました。

また、2019年4月には、不動産大手の「大和ハウス工業」が、国内の賃貸アパートおよび戸建て住宅約2,000棟において建築基準法違反があったと発表しています。内容としては、国に届け出た方法と異なる設計や工事をしていたとのこと。とくに関東圏にある賃貸アパートにおいては、外廊下を支える柱に問題があったり、耐火性能が不十分であったりなど、会社の信頼を揺るがす事態となりました。

建築基準法違反の物件はどうなるのか?

もっとも、建築基準法違反の物件は必ずしも企業の不祥事によって生じるとは限りません。なかには法改正によって※接道義務違反となり、結果的に「再建築不可」となっている物件もあります。ただ、いずれの場合であっても、建築基準法に違反している物件である点では同様です。では、建築基準法違反の物件は、どのような扱いを受けてしまうのでしょうか。それぞれの状況ごとに見ていきましょう。
※接道義務違反とは
建築物は、建築基準法に定める道路に二メートル以上接しなければならない(建築基準法第43条第1項)

建築中であれば工事停止へ

建築中の物件が建築基準法違反であると判明した場合、行政指導を経ても是正されない場合には、建築基準法9条1項、7項、10項などに基づき、工事停止や使用禁止が命じられることになります。この命令に従わずに工事を進めていると、建築基準法第98条により、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられる場合があります。

完成後であれば取り壊して再建築

また、完成後の物件が建築基準法違反である場合、同じく建築基準法9条に基づき、当該物件の除去を命じられる可能性があります。その不動産を使用したいのであれば、取り壊した後にあらためて再建築しなければならないということです。この場合、再建築にかかる費用をオーナーが負担しなければならないのはもちろんのこと、時間も労力もかかるため、オーナーの負担は多大です。

法律違反者に対しては免許の取り消しや業務停止も

加えて、建築基準法違反の建築物に関係した業者などには、業務の停止や営業許可および免許の取り消しなどの処分が行われることがあります。この場合の業者などには、違法建築物を設計した建築士や工事を行った建設業者、宅地建物取引業に係る取引を行った業者も含まれるため、違法建築物を設計した建築士が免許取り消しとなった事例もあります。建築基準法違反の責任は非常に重いのです。

建築基準法違反の物件を回避するためにできること

このように、建築基準法違反がもたらす影響は決して小さくありません。2007年の建築基準法改正では、命令違反にかかる罰金が最高50万円から300万円に、さらに不特定または多数の者が利用する建築物に関する構造等の命令違反の法人には、罰金の上限が最高1億円(同法第105条1項)に引き上げられています。規制が強化されていることからもわかるように、建築基準法違反は社会的な影響が大きいのです。

では、物件オーナーは、どうすれば建築基準法違反の不動産を回避できるのでしょうか。
大切なのは、物件および不動産業者をきちんと精査することです。
たとえば、物件に関しては、図面や建築状況、接道義務を満たしているかなどをあらかじめチェックするのはもちろん、信頼できる第三者機関の目を通すなどの努力も必要でしょう。
また不動産業者に関しては、過去に建築基準法違反の物件を施工していないかどうか、また会社としての実績や評判など、多角的な視点から評価することが必要です。そのうえで、賃貸借契約や重説の内容、さらには保険等でカバーするなど、対策を講じておくとよいでしょう。建築基準法違反の物件を回避するために、最大限の注意を払うようにしましょう。

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