2024.03.19
賃貸管理

管理手数料の相場|計算例と管理会社を選ぶときに大切なこと

賃貸経営では、入居者募集から賃貸借契約の締結、入居者からのクレーム対応など、幅広い業務をこなさなければなりません。そのような手間を省くため、不動産会社に管理を委託する大家さんは多いです。この記事では管理手数料の相場や計算例について詳しく解説しますので、大家さんはぜひ参考にしてみてください。

【著者】矢口 美加子

 

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賃貸管理手数料の相場とは?

管理手数料は毎月発生するランニングコストのため、不動産会社に委託するときには、その費用が管理に見合った内容であるかを確認することが重要です。ここでは管理手数料の相場について解説します。

賃貸管理手数料の相場は5%前後

管理手数料の相場は家賃収入全体の5%前後が一般的です。とはいえ厳密には管理会社次第であるため、3%という会社もあれば7%という会社もあります。たとえば、家賃10万円の貸室が10件ある場合は「10万円×10件=100万円」となり、仮に5%だとすると管理手数料は月5万円となります。当然ながら、家賃収入が高いほど管理手数料も比例して上がります。

なお、入居者が家賃収入を滞納したとしても、大家さんは管理会社に対して毎月の管理手数料を支払わなければなりません。もしも家賃滞納者が出た場合は、大家さんの利益が減少することになります。

中には管理手数料0円などの会社も

管理手数料の目安は5%とされていますが、法律で規定されているわけではないため、大家さんと管理会社の話し合いで自由に決定されます。近年では1~3%などと安さを売りにしている管理会社もみられ、中には管理手数料を0円に設定しているところもあります。このように手数料が相場からみて安い、あるいは無料のケースは、東京など立地の良いエリアにある物件が対象であるのがほとんどです。

ただし、管理手数料が安いというだけで管理を委託するのはおすすめしません。後半で詳しくお伝えしますが、入居者の満足度を高めるには管理の質が問われるからです。また、管理手数料が安くても、代わりに修繕費など他の費用を割高に請求されてしまうケースもあります。適正な金額で適切な管理を実行している管理会社へ委託するようにしましょう。

◆管理会社の選び方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
大家向け|管理会社の選び方のポイントをわかりやすく解説!

管理手数料の相場別|家賃収入シミュレーション

管理手数料が大家さんの家賃収入にどのくらい影響するのか、本章ではシミュレーションしていきます。シミュレーションでは毎月の家賃収入の合計金額を50万円とし、この金額をもとに管理手数料が3%・5%・7%のパターンで計算します。

【毎月の家賃収入の合計金額が50万円の例】

  手数料3% 手数料5% 手数料7%
1カ月の手数料 1万5000円 2万5000円 3万5000円
1年間の手数料 18万円 30万円 42万円

 
この場合、手数料が3%と7%では年間24万円の差が出ることになり、仮に10年間同じ条件で委託すると240万円もの開きが生じることになります。

管理手数料が安いというだけで選ぶのはやめよう

賃貸経営においては「管理の質」が入居率に深く関わるため、手数料の安さだけで管理会社を選ぶのはおすすめできません。ここでは、管理費用が安いのはどういうからくりなのか、また、良い管理会社を選ぶポイントについて解説します。

管理手数料が安くみえてもトータルで安くなるとは限らない

管理手数料が安くても、コストが実質的に安くなるとは限りません。オプション費用として別途費用を設定している会社もあるからです。管理手数料以外の費用として、たとえば以下があります。

・原状回復費用
・空室募集のための広告費用
・定期清掃、点検などの費用
・設備の修繕費用

 
具体的に、オプションを別途設定している会社(管理手数料が2%)と、オプションを設定していない会社(管理手数料が5%)の管理手数料を比較してみましょう。条件としては以下の表にまとめます。

  A社(オプション設定あり) B社(オプション設定なし)※オプション費用は管理手数料込み
賃貸管理手数料(月) 家賃の2% 家賃の5%
定期清掃(月) 5,000円 無料
建物巡回(月) 5,000円 無料
設備点検(月) 5,000円 無料
空室募集のための広告費用 家賃1カ月分 無料
新規の仲介手数料(※) 家賃1カ月分 無料
更新事務手数料(※) 家賃0.5カ月分 無料

※仲介手数料・更新事務手数料に関しては、賃貸借契約書で「借主が負担とする」と記載されている場合、借主負担となります。

上の表の通り、管理手数料が2%のA社と手数料が5%のB社に、アパート1棟の賃貸管理を以下の条件で1年間委託したと仮定します。

・家賃6万円の部屋10室
・1年間の新規契約、更新契約はともに2室
・定期清掃、建物巡回、設備点検を依頼
・年間の家賃収入は720万円(月60万円×12カ月)

 
そうすると、以下のようにコストの比較をすることができます。

  A社(オプション設定あり) B社(オプション設定なし)※オプション費用は管理手数料込み
賃貸管理手数料(月) 14万4000円(手数料2%:1万2000円×12カ月) 36万円(手数料5%:3万円×12カ月)
定期清掃(月) 6万円(5,000円×12カ月) 無料
建物巡回(月) 6万円(5,000円×12カ月) 無料
設備点検(月) 6万円(5,000円×12カ月) 無料
空室募集のための広告費用 6万円(家賃1カ月分) 無料
新規の仲介手数料 6万円(家賃1カ月分) 無料
更新事務手数料 3万円(家賃0.5カ月分) 無料
管理費合計金額 47万4000円 36万円
手元に残る金額 672万6000円 684万円

 
管理手数料だけで考えれば、5%であるB社のほうが高額であるように感じます。しかし、定期清掃や広告費用などをオプションでA社へ依頼すると、B社よりも高くなることが分かります。新規の仲介手数料や更新事務手数料を入居者が負担するとしても、オプション費用を別途請求されるほうが全体的な金額は高くなる可能性があるのです。

また、退去者が出た場合には原状回復工事を行うことがあり、管理会社が施工会社に工事を発注するのが一般的です。管理会社は自社の利益分を上乗せして大家さんに請求することが多いため、大家さん自身が直接発注するより工事費用が割高になる可能性があります。

入居者の定着をめざす管理会社を選ぶことが重要

管理会社を選ぶときは、管理費用の金額だけで決めないようにしましょう。多少管理手数料が割高でも、入居者の客付けを怠りなく行うなど、サービスが良い管理会社に委託することで収益の安定につなげられるからです。

良い管理会社を選ぶポイントとしては、以下が挙げられます。

・管理物件の入居率が95%以上
・トラブル対応が早い
・担当者の対応が良い
・客付け力が高い
・管理手数料が適切な金額である

 
特に、入居者からのトラブルに対して迅速に対応する体制が完備されている管理会社がおすすめです。顧客満足度が高くなるので、安定した賃貸経営へとつながる可能性が期待できます。

大家さんによっては自主管理という方法もある

アパートを数棟所有しているなど、管理戸数が多い場合は管理会社に委託したほうが賃貸経営にかかる手間や時間を削減できます。しかし、保有物件数が少ない大家さんならば、自分で管理・運営する「自主管理」もできないことはありません。

ただし、入居者募集から家賃回収まで、すべての業務を行うのはハードルが高いため、家賃保証会社を活用するのをおすすめします。たとえば、株式会社Casaでは自主管理の大家さん向けに「家主ダイレクト」という家賃保証サービスを提供しています。

Casaが大家さんに代わり入居者から家賃を集金します。家賃は前月末に満額が送金されますので、もしも残高不足などで引き落としができなかったとしても、大家さんは心配する必要がありません。その上、家賃に関する入居者との対応はCasaが対応するため、大家さんの手を煩わせません。安心して賃貸経営を行うには家賃回収が大事なポイントです。更新料や原状回復費用も保証されるため、大家さんは安定した賃貸経営を実現できる可能性が高いでしょう。

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管理手数料の相場は5%!管理会社を選ぶときは業務内容も確認を

管理手数料の相場は5%が一般的ですが、近年では都市部を中心に管理手数料が無料、もしくは低額の管理手数料を売りにする管理会社も存在します。ただし、管理手数料は安ければ良いわけではありません。入居者が長く住み続けたいと思えるような、満足度の高い管理を提供する会社を選ぶことが大切です。

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