2021.06.21
トラブル対応

ごみ出しのルール違反への正しい対応・改善法を大家むけに解説

所有物件の入居者のなかに、ごみ出しのルール違反を繰り返す困った人がいる場合、オーナーとしてはどのような対応ができ、どのように対処するべきなのでしょうか。ごみ出しのルールはモラルやマナーによるところが大きいだけに、放置しておくと他の入居者にまで悪影響を及ぼしたり、入居者間のトラブルに発展する恐れがあります。

オーナーとして知っておきたい初動対応と、解決策について4つのステップで解説します。また、今後に向けてごみ出しのルールで問題が起きないようにする予防策についても解説します。

 

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Q:一部の入居者がごみ出しのルール違反をしている。ごみ出しのルールを徹底させる方法を知りたい

A:入居者のごみ出しルール違反は、他の入居者からも苦情の出やすい大きな問題です。美観を損ねるだけでなく悪臭やカラス、ネズミによる問題にも発展しかねません。4つのステップでルール違反者へ注意・警告し対応しましょう。また、事前に予防する方法も学びましょう。

ごみ出しルール違反は「万病のもと」

人は買うものや手に入れるものについては高い関心を払いますが、捨てるものに対する関心はどうしても低くなります。そのためごみ出しのルールについても個々の入居者のモラルによるところが大きく、なかにはルールを守らない人もいます。

ごみのなかには生ごみが含まれていることもあるため、放置していると悪臭や衛生面の問題に発展しかねません。しかもごみが散乱していたり収集されないごみが放置されている状況が常態化すると、アパートやマンション全体のモラル低下を招き、他の入居者も同様にルール違反をするようになる恐れもあります。

衛生環境の悪化や美観の低下は、大切な財産である物件の資産価値低下にもつながる深刻な問題です。「割れ窓理論」と同じで、小さな問題であっても放置していると大きな問題に発展してしまうので、1人の入居者がマナー違反をしている段階から迅速かつ適切に対処するべきです。

ごみ出しルール違反の改善4ステップ

ごみ出しのルール違反者に対しては、以下の4ステップで対応していくのが望ましいでしょう。

ステップ1:ごみ出し方法、分別の方法などを啓蒙する張り紙

第1段階は、「ごみ出しのルール違反が見られます」といった内容の張り紙をして、問題が起きていることを知らせ、正しいごみ出しルールを周知します。あくまでも第1段階では、ごみの特定はせず、「ルール違反が見られる」という事実だけを伝えてルール徹底を呼びかけます。

ステップ2:ルール違反をしているごみを撮影して写真入りで注意書き

ルール周知の張り紙でも改善されない場合は、ルール違反をしているごみを特定し、注意を促します。具体的にごみを特定して言及するか、問題のごみを撮影して写真入りで注意喚起をするのも有効です。

ステップ3:改善されなければ開封して特定すると掲出

問題のあるごみを特定して注意喚起をしても改善されない場合、ここから先は警告の段階に入ります。再三にわたってルール徹底を呼び掛けているにもかかわらず改善されていない旨を伝え、「開封してルール違反者を特定する」と張り紙で警告します。ここで一気に解決するために、防犯カメラを設置するのも効き目があります。

ステップ4:ルール違反をしている入居者に文書で通知する

他の居住者からの苦情やごみの開封、もしくは防犯カメラの映像などによってルール違反をしている入居者を特定したら、その本人に対して文書でごみ出しルールの徹底を促すとともに、改善されない場合は契約解除もあり得ると警告します。

実際にはごみ出しルールの違反だけで退去させるのは難しいのですが、交渉の一環として警告するのもひとつの手です。

ごみ出しのルール違反を防止する方法、抑止する方法

人が生活をしている以上、ごみは必ず出ます。そのためごみ出しルールの問題はどのアパートやマンションで起こり得るものと認識して、事前の防止策を講じおくことをおすすめします。

賃貸契約を締結する際に、契約書に契約解除に該当する事由としてごみ出しルールの違反を盛り込んでおくと、オーナーは実際にゴミ出しルールの違反を理由として退去させることのできる交渉カードを手にすることができます。

ごみ出しルールの違反は必ずしも悪意があるとは限らず、単に知らなかっただけという事例も数多くあります。そこでごみ出しルールの違反が発生する前にごみ捨て場にはしっかりとルールを周知する張り紙をしておきましょう。近年では外国人居住者によるごみ出しのルール違反が問題になっている集合住宅も散見されるので、地域によっては多言語によるごみ出しルールの掲出も検討すべきでしょう。

また、先ほど少し触れたようにごみ捨て場の全景が映る位置に防犯カメラを設置しておくのも有効な手段です。「防犯カメラ録画中」という注意書きを掲出しておくのも有効で、ルール違反者が特定されてしまうことによる抑止力になります。

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