2021.11.16
税金

家賃収入は確定申告しよう!やり方・必要書類など詳しく紹介

不動産経営を始めてから家賃収入が複数月に渡って入ってくると、今度は確定申告に関して気になるところではないでしょうか。原則、家賃収入があるならば確定申告は必要です。本記事では、家賃収入で確定申告が必要な理由と申告する流れ、必要経費になるものなどを解説します。また、注意すべき確定申告の無申告についても説明します。

 

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家賃収入があるなら確定申告は必要

家賃収入がある場合、確定申告は必要です。これは家賃収入だけで生計を立てている人に限らず、会社員として給与を得ている人も同様です。基本的に、家賃収入が年間で20万円を超えていると確定申告は必須となります。

では年間20万円以下ならば確定申告は不要かというと、一概にそうとはいえません。給与所得を得ている人(本業がある人)の場合は「損益通算」ができるからです。損益通算とは、不動産の収入よりも経費が大きくなって赤字になる場合、本業の所得からその赤字分を差し引くことで節税できるしくみです。

また、この「年間20万円以上」という基準に対して注意したいのが「給与所得以外の所得が20万円を超えているかどうか」という点です。仮に家賃収入(不動産所得)以外の所得があり、それをふくめ20万円を超す場合であるならば、確定申告は必要になります。たとえば、不動産所得15万円の人が2人いて、Aさんは不動産所得15万円+雑所得10万円=25万円の所得があり、Bさんは不動産所得15万円のみだとすると、Aさんは確定申告が必要になるということです。

家賃収入の所得区分は「不動産所得」

家賃収入は「土地や建物などの不動産の貸付け」にあたるため、不動産所得に分類されます。そのため、不動産収入から必要経費を引くと、不動産所得を求めることができます。

不動産収入 – 必要経費 = 不動産所得

 
この不動産収入には、賃料のほかに以下のような項目が含まれます。

・礼金、名義書換料、承諾料、更新料又は頭金などの名目で受領するもの
・敷金や保証金などのうち返還を要しないもの
・共益費などの名目で受け取る電気代や水道代、掃除代など

収入として申告するべき項目は家賃以外にもいくつかあり、また、必要経費として認められる項目も決まっています。特に家賃収入を得ていて初めて確定申告する人は、申告漏れが起こらないよう注意する必要があります。

家賃収入にともなう確定申告のやり方・流れ

では、家賃収入による確定申告のやり方・流れを詳しく説明します。

ステップ1:申告の方式を決定

最初に、申告する方式を決定します。確定申告には「青色」「白色」の2種類があり、いずれかを選択することができます。この青色申告と白色申告にはいくつか違いがあります。

青色申告のメリット 青色申告のデメリット
・青色申告特別控除(最大65万円)が受けられる
・親族への給与を「青色事業専従者給与」として経費にできる
・貸倒引当金を設定できる
・純損失の繰越しと繰戻しができる
・白色申告よりも手間が増える
・事前に「青色申告承認申請書」の提出が必要
・事業として認められない場合は控除額が10万円になる(※1)
・e-tax(※2)を使わない申告だと控除額が減る
白色申告のメリット 白色申告のデメリット
・複雑な手続きが必要ない ・優遇措置や税務上の優遇は受けられない

 
複雑な帳簿処理や専門的な知識が不要な白色申告に比べると、青色申告には複式簿記による記帳が求められるうえ、損益計算書と貸借対照表を添付する必要もあります。ただし、みずから手書きで書類を作成するならまだしも、現在では会計ソフトやクラウドサービスを用いることによって、それほど会計知識がなくても自動で作成することも可能です。これらをふまえ、自身にとってどちらがよいか判断することがおすすめです。

【参考】複式簿記とは?
簿記には単式簿記と複式簿記があります。単式簿記とは、銀行の預金通帳をイメージしてください。基本的には収入と支出の記帳を繰り返し、合計することによって手元の現金がどの程度、増減したかを把握することができます。一方、複式簿記は「借方」と「貸方」という表記を使って「仕訳」し、取引の結果として財政状態がどのように変化したのかを表します。ひとつの取引の原因と結果の両面を帳簿に記載するのが複式簿記です。

 
※1の「事業として認められない場合は控除額が10万円になる」ですが、青色申告というのは希望すれば全員が65万円控除を受けられるわけではなく、あくまで「事業的規模かどうか」によって判断されます。その指標となるのが「5棟10室ルール」と呼ばれるもので、「貸与できる独立した部屋だと10室以上」もしくは「独立家屋だと5棟以上」であれば、不動産賃貸業が事業的規模であると判断されます。事業的規模と認められれば65万円控除が受けられたり、家族に対して払う給料を必要経費にできたりするなどのメリットを受けられます。

※2のe-taxについては、本記事後半のQ&Aで詳しく説明します。

ステップ2:必要書類の準備

申告の方式が決まったら、続いて必要書類を準備していきます。

書類の取得先 書類名
自身で事前に用意 ・確定申告書B
・青色申告決算書
※白色申告の場合は青色申告決算書ではなく、収支内訳書を提出
不動産会社から ・不動産売買契約書
・賃貸借契約書
・家賃の送金明細書
・譲渡対価証明書
・売渡精算書
勤務先から ・源泉徴収票
融資を受けたところから ・借入金の返済表
国・自治体から ・固定資産税、不動産取得税、登録免許税、都市計画税の納付通知書
保険会社から ・火災保険などの控除証明書
・火災保険などの保険証券
その他 ・管理費、修繕積立金の領収書
・修繕費の領収書
・印紙の領収書
・交通費、交際費の領収書 など

 

ステップ3:決算書類を作成

上の表で「自身で事前に用意」に含まれる2つの書類を作成していきます。書類の作成方法は大きく3つに分かれます。

➀書類を手元に用意して手書きで作成(税務署へ行きその場で作成を含む)
②国税庁ホームページ上の「確定申告書等作成コーナー」で作成
③会計ソフトを使って作成(freee、弥生会計、マネーフォワードなど)

 
手書きで作成、もしくはインターネット上で作成を選び、インターネット上で作成する場合は国税庁ホームページから申請、もしくは会計ソフトから申請を選択します。

ステップ4:確定申告書を提出

インターネット上で作成する場合は、いずれの方法においても、最終的に提出段階になったらe-taxで提出するか、印刷して郵送もしくは税務署へ提出するかを選択することができます。

書類を手書きで作成する場合、郵送、もしくは税務署へ直接持参して提出します。提出する税務署はどこでもよいわけではなく、住所地などにより割り当てられた税務署が決まっています。自身の所轄税務署がわからない場合は国税庁のホームページでお調べください。

家賃収入の必要経費になるもの・ならないもの

家賃収入がある場合に、必要経費になる項目・ならない項目を説明します。

家賃収入の必要経費になるもの

税金 不動産貸付で発生する固定資産税、都市計画税、不動産取得税、印紙代など
管理費 管理会社への業務委託料、代行手数料
司法書士・税理士への報酬 確定申告や不動産の登記を専門家へ依頼した場合の報酬
減価償却費 建物には法律で木造22年・鉄骨造34年・RC造47年と耐用年数が決まっていて、建物の購入にかかった費用をこの年数で割った金額が減価償却費となり、毎年経費に計上できる。
たとえば、木造のアパートを新築し、建物代金が2,200万円だった場合には、毎年100万円を減価償却費として経費計上することが可能
修繕費 物件の年数が経過するにつれ修繕費が発生し、たとえば壁紙・給湯器・エアコンなどの交換、室内クリーニングなどにかかった費用は経費として計上できる。
ただし、建物の増築や避難階段の取り付けなど、グレードを上げるための費用は修繕費としての計上が認められず資本的支出とみなされる場合もあるので注意
金利 物件をローンで購入した場合、金融機関から送付される返済表の金利分を計上できる。
また、金融機関へ支払う融資手数料も経費計上できる(「固定金利手数料」「返済額指定手数料」などの種類がある)
保険料 火災保険料や地震保険料は経費として計上できる。
ただし、5年間の長期契約を結んだ場合など、次年度以降の保険料を一括で支払った際には全額を一括で経費計上することはできず、その年度分の保険料のみを経費として計上することが可能。次年度以降のぶんの保険料は12カ月分をその都度経費として計上する
仲介手数料 入居者募集、契約更新業務などで不動産管理会社に支払った仲介手数料は経費計上できる。
ただし、不動産を購入した際の仲介手数料は固定資産の購入に関わる経費であるため、取得価格に上乗せして計上することになる(減価償却の対象になる)
広告費 入居者募集の際や、空室を埋めるために不動産管理会社等に支払ったもの
青色事業専従者給与 家族などへ支払われる給与(年齢が15歳以上など諸条件あり。青色申告者のみ)

 

家賃収入の必要経費にならないもの

借入金の元本部分の返済額 ローンの金利は経費になるものの、金融機関からの借入金の元本部分の返済額については経費として計上することはできない。誤解しやすいので注意
交通違反の罰則金など たとえば、所有する不動産物件から自宅へ車で移動中、スピード違反や駐車違反をして罰則金を支払う必要があったとしても、こうした罰則金は経費に含めることができない
個人的な費用 不動産事業とは関係がないスーツ・革靴・自動車などの個人的な費用、友人との食事・会食に要した費用、フィットネスクラブの会費や健康診断の費用などは経費に含めることはできない
住民税、所得税 不動産事業に関係ない税金は経費計上することができない

家賃収入があるのに確定申告を忘れた場合

家賃収入があるにもかかわらず確定申告を忘れた、故意にやらなかった場合には罰則を受ける可能性があります。まず、確定申告を行わなかった場合は「無申告加重税」が課される可能性があり、これは本来支払う予定の税金に15%から20%の割合を上乗せして支払います。ただし、支払っていないことに気づいて自ら申告(これを「期限後申告」といいます)した場合には、無申告加重税の割合が5%に軽減することもあれば、条件によっては一切課されなくなることもあります。

また、確定申告は基本的に3月15日までに行いますが、これは税金を納めなければならない期限でもあります。もしも3月15日までに納税しなかった場合に課されるのが「延滞税」です。完納までの日数によって支払うべき延滞税は自動的に決定され、1日単位で加算されていきます。

確定申告の無申告はいずれ発覚するので要注意

特にそれほど大きな収入ではない人だと、「ひょっとして確定申告しなくても気づかれないのでは?」と感じるかもしれません。しかし、これは当然ながら脱税行為にあたるので、最悪の場合は刑事事件へと発展する可能性があります。ちなみに、確定申告をしているかどうかが発覚するケースには以下の2つがあります。

まず、取引している会社への税務調査が入った場合です。不動産オーナーになると、不動産会社や管理会社だけでなく、修理業者、銀行など、あらゆる会社との取引が発生します。取引がある=お金の流れがあるわけですから、税務署が調査をした結果、これらの取引先の会社には記録が残っているにもかかわらず、そこから辿ったときに不動産オーナー側が確定申告をしていなかったら、無申告が疑われることになります。

また、会社が税務署へ提出する書類のひとつに支払調書があり、ここには「誰に報酬を支払ったのか」を示すとともにマイナンバーも記載されています。つまり、税務署はこのマイナンバーを調べればその人のお金の流れを把握できるということを表します。また、法人などの入居者が提出した確定申告から辿った結果、オーナー自身に家賃収入があることが発覚する可能性もあるでしょう。

数年間はたまたま発覚しなかったとしても、いずれ発覚した時には、過去に遡って納税をするだけでなく、「重課税」という罰則も加わります。こういった理由から、決して甘い考えで「確定申告は手間だからやりたくない」などと判断してはいけません。

家賃収入にともなう確定申告のQ&A

最後に、家賃収入で確定申告を行う場合に、よくある質問とその回答を紹介していきます。

Q1:領収書をなくしてしまった(もらわなかった)場合は?

領収書が手元にない状況には2つあり、もらったものの紛失したケースと、そもそも発行されていない(受け取ることができない)ケースがあります。後者は、たとえば公共交通機関の支払い・ご祝儀やご香典・割り勘による支払いなどが該当します。

領収書がない時のやり方として、➀利用履歴を証憑にするやり方と、②出金伝票を発行するやり方の2つがあります。

➀の場合、具体的には以下のケースがあります。

利用履歴例 発行する方法
クレジットカード ・カード会社のウェブサイトからログインし、支払明細を印刷する
・上の方法ができない場合は、カード会社へ連絡し、支払明細を郵送してもらう
ICカード乗車券(モバイルSuicaなど) ・会員メニューサイトにログインし、表示対象期間を指定後、「表示された履歴を印刷」から印刷する(モバイルSuicaの場合)
電子マネー(楽天Edy、nanaco、モバイルSuicaなど) ・各社のウェブサイト、もしくはアプリから履歴を表示し、印刷する
ETC ・「ETC利用照会サービス」でオンライン照会して利用明細書を発行する
・クレジットカード会社から後日送付される請求書の利用明細を証憑とする
ATMの振込 ・振込明細を証憑とする

 
続いて、②出金伝票を発行するやり方については、領収書を紛失してしまった場合だけでなく、先述したようなご祝儀や割り勘での支払いなど、そもそも領収書が発行されない場合にも使うことができます。出金伝票は市販のものを使用して問題ありませんし、自作しても大丈夫です。

出金伝票を正しく残しておくためには次の4点の記載が必要です。

➀支払った日付
②支払先の店名、社名
③金額
④支払いの目的、サービス内容

 
出金伝票のほか、入場券・招待状・パンフレット・案内状なども一緒に保存しておくとさらに信憑性が増しますので、できるだけ証拠となるものは残しておきましょう。

Q2:e-taxとは?確定申告で利用する際のメリットは?

e-taxとは、インターネットを通して確定申告などができるシステムのことです。確定申告のためにわざわざ税務署へ行ったり、書類を郵送したりしなくても、e-taxのシステムを使えば自宅にいながら確定申告書類を提出することができます。そのほかにも以下のようなメリットがあります。

➀24時間提出が可能、紙提出よりも早い時期に提出することが可能
②添付書類の提出をしなくてよい(源泉徴収票、生命保険料控除の証明書など)
③還付されるまでのスピードが速い
④青色申告だと控除額が65万円になる(電子申告ではない場合、特別控除額は55万円)

 
メリットが多くある一方、事前準備がいくつか必要になるのはデメリットといえます。具体的には、マイナンバーカードの用意、利用者識別番号の取得、ICカードリーダーの用意など、実際に確定申告を行うにあたって最低限の環境を整えておく必要があります。一度すべて準備しておけば翌年からは手間が省けますが、初年度に限ってはこの事前準備のハードルが高いといえます。

家賃収入に伴う確定申告は早めに準備を整えて少しずつ進めよう

家賃収入などの不動産所得が年間20万円以上ならば、確定申告をしなければなりません。20万円以下であっても、本業による給与所得があって損益通算ができるならば、ぜひ確定申告を行いましょう。また、青色申告特別控除の65万円を受けるためには、e-taxで電子申告を行う必要があります。e-taxは事前準備がいくつか必要ですので、初めて利用する不動産オーナーの場合は早めに準備を整えて、少しずつ作業を進めておくようにしましょう。

 

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