不動産投資に興味がある会社員の人へ向けて、サラリーマン大家の始め方やメリット、法人化などについて解説します。始めたてのサラリーマン大家が失敗しがちなケースや注意したいポイントも紹介しますので、ぜひこの記事を参考に、自分に合う投資方法を見つけてみてください。
【著者】水沢 ひろみ
オーナーのための家賃保証
「家主ダイレクト」
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目次
不動産投資に興味はあるものの、サラリーマンをしながら大家業をするのは少々ハードルが高いように感じる人はいるかもしれません。しかし、実はサラリーマンが副業として賃貸経営をするメリットは多々あるといえます。サラリーマン大家の主なメリットとして、以下3点を紹介しましょう。
サラリーマンが大家として不動産投資を行う最大のメリットは、給与以外の所得を確保して収入源を増やすことができるため、人生においての安定と選択肢につながる点です。
経済環境の変化が著しい現在においては、大企業に勤めていても、経営悪化による給与収入減少や倒産によって仕事を失うリスクは皆無とはいえません。加えて、パワハラなどによる職場環境の悪化、心身の不調で働けなくなるリスクもあるでしょう。
一方で、平均寿命が延びたことで必要な老後資金は増加傾向にあり、定年退職後も働く必用がある人は増えています。このような時代にサラリーマンとしての給料だけに頼る生活は、必ずしも安泰とはいえないでしょう。そういう意味では、不動産投資による収入源の分散は安心につながるはずです。
さらに、人生の選択肢が広がることで、チャンスを掴んでさらに収入アップできる可能性もあります。ほかに有利な転職先などがある場合にも、収入源がサラリーマンの給料だけならばリスクが大きいですが、給与以外の収入源があれば新しいことにチャレンジする際のリスクヘッジになります。
安定して給与が貰える反面、個人の努力で収入アップにつなげるのは簡単ではないのもサラリーマンの仕事です。それに対して、不動産投資は自分の判断で収入を増やしていける可能性があります。このように、サラリーマン大家にとって不動産投資で収入源を増やすことは、さまざまな意味で大きなメリットを持っています。
サラリーマン大家のもうひとつの大きなメリットは、金融機関からの融資の審査を通過しやすい点ことです。
不動産投資を始めるには多額の資金が必要となりますから、そのための資金は金融機関からの借入で賄うケースが大多数を占めます。金融機関は資金を貸し出したものの回収できないリスクを避けるために、融資を行う際には返済能力の高さについての審査を行い貸し出すか否かの判断をします。返済能力が高く、貸し倒れのリスクが低いと判断すれば、金融機関にとっては優良な顧客となります。
その際に、サラリーマンとして安定した収入を得ていることは、金融機関にとっては大きな安心材料といえるのです。たとえば名前の通った大手企業に勤務していたり、公務員であったりする場合、こういった属性は融資審査の判断において特に高く評価されます。
など、金融機関はさまざまな個人の属性を審査して、融資の可否や条件を決定します。
不動産投資では、空室が続いたり、思わぬトラブルが発生したりするなど、必ずしも予測通りの収入が得られない事態も起こり得ます。そのような際にも、サラリーマンとして安定した収入があれば、ある程度の期間はなんとか乗り越えられる可能性があると判断されます。
このように、融資の審査において有利になる可能性が高い「サラリーマン」という属性を上手に利用して、有利な条件で融資を受けられるのは、サラリーマン大家の大きなメリットだといえます。
そのほかにも、給与所得と不動産所得で生じた赤字を損益通算できる点もサラリーマン大家のメリットです。
損益通算とは、税金を計算する際に、利益と損失を相殺して利益を減らすことで税金を還付できる仕組みのことです。サラリーマン大家は不動産投資で出た損失を給与所得と通算することで、給与にかかる税金の額を減らして税金の還付を受けることができます。
もし損失の出た不動産所得以外に所得がなければ、損失は単なるマイナスでしかありませんが、サラリーマンの給与のように他に所得があるケースでは、税金の還付を受けられるぶん、プラスの効果も得られることになります。
ただし、この不動産所得の赤字と給与所得との損益通算に関しては、一部不正確な情報が出回っていることから、誤解をしている人もいるようですので注意が必要です。具体的には、「減価償却費はキャッシュアウトを伴わない魔法の経費であるため、減価償却費を計上することで不動産所得が赤字になっても、減価償却費を上手に利用して損益通算すれば所得税や住民税を節税できる」といったものです。
しかし減価償却費とは、建物の取得に要した費用を、「費用を支出した時点」ではなく「法律で想定した建物の利用期間」にわたって計上していく仕組みです。そのため、キャッシュアウトがないのではなく、費用計上するタイミングがキャッシュアウト時点とズレているだけです。それによって一定期間税金が減った分は、後の期間に繰り延べられることになるので、「課税の繰り延べ」と呼ばれます。
課税が繰り延べられることで、キャッシュフローに余裕ができた分を、ほかの有利な投資機会で運用できるというメリットはあります。しかし、あえて赤字を計上して損益通算することにメリットがあるかのような説明には気を付けなければいけません。
ただし、不動産の保有時点の損益通算は給与所得税の還付に関係し、売却する時にかかるのは譲渡所得税であることから、これらの税率の差を利用して節税することは可能です。給与所得税は所得が大きいほど税率が高くなるため、売却時に発生する譲渡所得よりも給与所得の税率が高い場合には損益通算による節税効果が生じることになります。
サラリーマンをしながら賃貸経営で成功し、「FIREしました!」(※FIREとは早期退職の意味)といった記事を目にする機会が増えてきました。しかし、「始めるならできるだけ早いほうがいい」と勇み足になるのは注意が必要です。
ここでは、始めたてのサラリーマン大家が失敗しがちなケースを3つ取り上げて紹介します。不動産投資は大きな資金を動かすことになりますので、慎重に検討してから始めるようにしましょう。
始めたてのサラリーマン大家が失敗しがちなケースとして、よく検討しないで物件を購入してしまうことがあげられます。
ポータルサイトなどに掲載されている投資用物件の利回りは、表面利回りで表示されていることがほとんどです。表面利回りとは、満室時の年間の総家賃収入を物件の価格で割って計算した利回りですので、現実に賃貸経営で得られる利回りよりも高くなります。実際の収益は、家賃収入から修繕費や管理費、税金などの経費を差し引きますし、購入した物件が必ずしも満室を維持できるとは限りません。
広告などに表示されている表面利回りを見ると、かなり高利回りの物件が多いと誤解してしまいがちになりますが、不動産投資は予測した通りの収益が得られるとは限らないことを心得て、慎重に判断するようにしましょう。
また、オーナーチェンジ物件の場合、既に入居者がいることから、購入後の収支の見通しが付きやすいと考えがちです。不動産会社の中には、初心者におすすめの物件としてオーナーチェンジ物件を進めてくるところもあります。しかし、表面利回りを良く見せて高く売却するために、サクラの入居者を入居させている例もあるため、賃貸条件はよく見極めることが必要です。
その上、オーナーチェンジ物件は入居者がいるため事前の内覧ができず、内部の設備の状態などを確認できないまま購入しなくてはなりません。本当に好条件の物件であれば、わざわざ手放す理由は何なのか、納得のいく理由があるはずです。ほかの物件への買い替えやまとまった資金が必要になったといった理由ならばまだしも、築年数が古く修繕費が高額になってきている、入居者とのトラブルを抱えているなどの物件に手を出すのはリスクがあります。
不動産投資の経験を積むことで、今後どれくらいの経費がかかるか、空室リスクはどの程度見積もればよいか、家賃の設定は妥当なのかを判断できるようになり、物件の妥当な評価ができるようになってくるものです。
しかし、初心者の頃は知識や経験の不足から、不動産会社の口車に乗って勢いで物件を購入してしまうケースもあります。不動産は一旦購入してしまえば簡単には処分できません。初めての不動産購入は入念に情報収集をしてできるかぎり慎重に行ってください。
不動産会社の中には、「不動産を購入して賃貸経営をすると、節税効果が期待できる」というセールストークを使うところがあります。給与所得と不動産所得の赤字を損益通算して節税するという方法ですが、先ほども解説したように、ある程度の高収入の人でなければ大きな節税効果は期待できません。
また、最初の頃は減価償却費などを計上することで「キャッシュフローは黒字だけど帳簿上は赤字」という状態だとしても、次第に計上できる経費が減ってくると逆の現象が起こるようになります。これを不動産投資のデッドクロスと呼びます。この現象が起きる前に不動産を売却するという方法もありますが、売却したいタイミングで希望の価格で売却するのは、始めたてのサラリーマン大家にとっては難しいでしょう。
サラリーマン大家として不動産投資を始めるのであれば、不動産投資で得られる節税効果はあくまでも副次的なものと考えて、家賃収入による収益の最大化を目指すことをおすすめします。
サラリーマン大家が賃貸経営を行うにあたり、物件の管理業務をどうするのかは悩むポイントのひとつでしょう。いったん入居者が決まれば放っておいても家賃収入が入ってくるので、サラリーマンをしながら賃貸経営を行うのは簡単だと考える人もいます。
しかし、故障した設備の修理やさまざまな苦情の処理、家賃滞納への対応、共用部の清掃など、多くの管理業務をこなさなければならないのが現実です。中には急を要する事柄もあり、対応が遅れれば入居者の満足度が下がり、退去されてしまうことにもなりかねません。そのうえ、管理業務を不動産会社などに委託すれば家賃の5~10%程の管理費がかかるため、コストを抑えるために自主管理を選択する人もいます。
大家自身が在宅勤務であり、勤務時間がある程度自由になるというケースでなければ、必要が生じた際に機動的に対応することは一般のサラリーマンにとっては困難といえるかもしれません。そのため、安易に自主管理を行うことはおすすめしませんが、自主管理を選択するならば対応できる体制を構築して臨むべきだといえます。
本章では、サラリーマン大家を始めるにあたり、注意したいポイントを紹介します。
先ほど、始めたてのサラリーマン大家が失敗しがちなケースにて紹介しましたが、よく検討しないで物件を購入することは避け、しっかりと時間をかけて物件選びをするようにしてください。不動産投資といっても、投資対象となる物件はいくつかの種類に分類されます。
新築物件は投資額が大きくなるので最初の利回りは低めですが、そのぶん家賃を回収できる投資期間は長くなります。それに対して中古物件の場合、投資利回りは高くなりますが、築年数が経過しているぶん家賃の回収期間は短くなりますし、修繕費やリフォームにかかる費用は増える傾向にあります。加えて、築年数が経過した後に売却する、または建て替えるといった出口戦略も想定して購入する必要があります。
マンションの場合には、管理費や修繕積立金などの経費が継続的に発生しますが、戸建てではこれらの負担はありません。その代わり、いざという時の修繕のための費用は各自で用意しておく必要があります。
また、マンションにするか戸建てにするかによって、対象となる入居者のターゲットは変わります。
マンションやアパートの一棟投資は多額の購入資金が必要となりますが、複数の部屋を保有することになるので全体としての空室リスクは低くなります。一方で、少数の部屋を区分所有する際には、1部屋が空室になる際の空室割合が高くなるので、空室リスクは相対的に高くなります。
大規模な物件を購入できるのであれば、設備が整っている傾向があるため、家賃の設定も高めにでき、比較的スムーズな賃貸経営が期待できそうです。最近では、築年数の経った安い中古戸建てを購入し、DIYなどでリフォームして貸し出すという築古戸建て投資も一部のサラリーマン投資家の間では人気ですが、その際にはより慎重な物件選びが必要だといえるでしょう。
その他にも、
など、検討すべきポイントは多岐にわたります。
どのような物件で、どのような投資方針で運用するかによって、利回りやリスクは大きく異なります。自分の知識や経験、用意できる資金の額などから投資方針を固めて、自分に適した物件選びを心がけましょう。
不動産所得が20万円を超すのであれば、確定申告が必要になります。確定申告を怠ると無申告加算税などの対象になり、かえって多くの税金を払わなくてはならなくなります。毎年2月16日から3月15日が確定申告の期間になりますので、忘れずに行いましょう。
その際に特に注意すべきポイントとして、必要経費になるもの・ならないもの、青色申告と白色申告の違いなどを紹介します。
確定申告においての不動産所得は以下の計算で行います。
必要経費を多く計上すれば、それだけ所得が減り、納める税金が少なくなるということです。確定申告の際に必要経費になるものを以下に紹介します。
また、以下➀~③の費用は必要経費として計上できますが、注意が必要なポイントがありますので、経費として計上する際には気を付けるようにしてください。
➀物件購入のためのローンにかかる金利
②設備故障の際の修繕費
③打ち合わせのために支出した飲食代
さらに、以下の税金は必要経費として計上できます。
いっぽう、所得税、住民税、法人税は必要経費とは認められません。
不動産所得の確定申告には、青色申告と白色申告があります。
青色申告は「複式簿記」で帳簿をつけることが原則であるため、必要書類の準備や手続きなどに手間はかかりますが、そのぶん税金が安くなる可能性がある方法です。いっぽう、白色申告は複式簿記よりも簡単な「簡易帳簿」を作成すればよいとされているため、手続きは比較的簡単ですが、青色申告に比較するとそのぶん税金は高くなる傾向があります。
青色申告を選択するのであれば、税務署に対して事前に「青色申告の承認の申請」をしなくてはなりません。申請は開業後2カ月以内に行う必要があり、もしも忘れてしまった場合、その年は白色申告で確定申告することになります。
始めたてのサラリーマン大家が失敗しがちなケースの章でも述べましたが、コストを抑えようとして無理して自主管理を選択するのはおすすめできません。「すべて自分でする」「費用がもったいない」などとすぐに判断せず、初心者こそ管理会社に委託することをおすすめします。
また、始めたてのサラリーマン大家だと、入居者が決まった時点で安心してしまいがちです。しかし、入居者によっては支払い日までに家賃を支払ってくれないケースもあります。そういったケースに備えて、家賃保証会社を利用するのは賢い選択だといえるでしょう。
家賃保証会社によっては、家賃の不払いが発生した際に、家賃の肩代わりをしてくれるだけではなく、孤独死保険などが無料で付帯していたり、家賃滞納による法的手続きなどが必要になった際の費用まで補償してくれたりする会社もあります。株式会社Casaの「家主ダイレクト」は、これらすべての特長をもつ上、大家側の費用負担がないのもメリットです。ぜひ検討してみてください。
費用を節約し過ぎずに管理会社を利用すべきとお伝えしましたが、丸投げしてお任せ投資をするのはNGです。
など、現在の投資方針は最善であるかを常に見直すことで、さらなる収益の増加が可能になることもあります。
また、不動産投資にはさまざまな思いもよらないトラブルが発生するものです。管理会社に任せているとしても、随時報告は受けて、自分の所有する物件の情報は把握しておく必要があります。その際、トラブルへの対処法も身につけて、大家として経験値を上げる姿勢をもつのも大切なことです。
このように自ら勉強する姿勢を大切にすることは、サラリーマン大家として成功するためには不可欠な要素であるといえるでしょう。
サラリーマンや公務員の場合には、就業規則などによって副業禁止とされているケースがあります。不動産投資が副業とみなされる基準として、5棟10室基準というルールがあります。
戸建て物件であれば5棟以上、アパートやマンションであれば10室以上保有していると、事業的規模とみなされるので、副業に該当するというものです。ある程度の規模で不動産投資を行う場合には、これらのように副業とみなされる規模には注意する必要があるでしょう。
それでは、この章ではサラリーマン大家の始め方を具体的に解説します。
「どのような物件で、どのような投資方針で運用するか?」という不動産投資の目標を定めることが必要であると先ほどお伝えしました。不動産投資は長期にわたるトータルでの利益の回収が重要となるため、目標を定めてライフプランニングを行うことが大切です。
現時点で用意できる資金、今後必要となる資金の収支などからトータルでの利益をシミュレーションし、目標とする利回りに達するかを慎重に判断しなくてはなりません。
投資対象の物件の状態や外部の経済環境の状況などによっては、主にインカムゲイン(家賃収入)を収入の柱とするのか、それとも、キャピタルゲイン(不動産の売却益)の獲得を目的にするのかを判断することも必要になるでしょう。
空室率も加味しながら、どれくらいの利回りが確保できるのか、それぞれの投資パターンでの収益率をシミュレーションしてみることをおすすめします。その際には、将来的な出口戦略も想定しておくことを忘れないでください。
実際に物件探しを始める際に重要なのは、利回りの判断です。利回りには、表面利回りと実質利回りの2種類があり、それぞれ以下の計算式で求められます。
物件を紹介する広告や不動産会社のサイトなどに掲載されているのは、通常は表面利回りです。しかし、実際のところ不動産投資には継続的に発生する費用がありますし、物件の購入には物件そのものの価格以外にも諸費用がかかりますので、物件探しの際には実質利回りで判断する必要があります。
また、現在どの程度の割合で部屋が埋まっているのかを確認することも大切です。空室が多い場合には、その原因について納得できる理由を調べてみて、物件購入後にその原因を解消する方法があるのかについて慎重に検討する必要があるでしょう。
不動産投資初心者のサラリーマン大家の人には、管理業務を管理会社に委託することをおすすめしました。賃貸経営にはさまざまな管理業務が必要となるため、管理業務に不慣れなサラリーマン大家が適時に対応を行うことはハードルが高いからです。
不動産投資を行う際には、管理業務以外にも、
など、幅広い業務が必要となります。
その際には、税理士や会計士、弁護士、家賃保証会社、金融機関などの力を借りることができれば安心です。サラリーマン大家としての一歩を踏み出す際には、それぞれの分野の専門家の中から、信頼できるパートナーを選んでおくこともポイントです。
良さそうな物件を見つけたら、金融機関へ融資の打診を行いましょう。その際には、融資対象の不動産の資産価値やサラリーマンとしての信用力などから、金融機関が返済能力を審査し、融資の可否や限度額について判断します。「サラリーマンとして安定した収入がある」という属性が力を発揮する時です。
ローンの審査に通ったら、不動産会社との間で物件の購入契約を締結し、所有権移転登記をすることで、晴れて不動産のオーナーとなります。所有権移転登記は、必要書類を整えて自分で行うことはできるものの、多少の費用がかかっても司法書士に依頼することで時間と手間を節約できるため、サラリーマン大家を目指す人は検討してみると良いでしょう。
また、必要があればリフォームやリノベーションなどを行って、入居者にとって魅力ある物件に仕上げましょう。
はじめて賃貸経営に踏み出すサラリーマン大家にとっては、ここまで来るのも長い道のりでしょう。しかし、ここからが本番で、いよいよ賃貸経営の開始となります。不動産会社などを通して入居者募集を行い、入居審査によって入居者として問題ないと判断できれば、賃貸契約を締結します。
この際に、なかなか入居希望者が現れない場合には、設定した家賃が適切であるか、室内の状況や周辺環境などに問題がないかといった問題点を洗い出す必要があります。
入居者が入居するまでの空室期間も金融機関へのローンの返済は始まっていますので、できるだけ早く入居者を見つけたいものです。しかし、入居者の審査を甘くして家賃滞納などの問題が発生することは避けなくてはなりません。入居者の家賃の支払い能力をしっかり見極めて、さらに家賃保証会社とも契約しておけば安心だといえるでしょう。
最後に、サラリーマン大家は法人化するべきなのか解説します。それぞれの条件によって異なりますが、所得が一定の金額を超えるようであれば法人化したほうがメリットのあるケースが多くなります。
法人化のメリットとしては、以下の内容が考えられます。
法人化には、メリットだけではなくデメリットもあります。以下に法人化のデメリットを紹介しますので、法人化を検討する際には慎重に判断するようにしてください。
一般的には、所得が900万円を超えるなら法人化したほうが有利になるケースが多いと考えられています。法人税は最大でも23.20%であるのに対して、所得税は所得が増えるごとに税率が上がり、課税所得が900万円を超えると所得税率が23%から33%へ上がることになるからです。
ただし、上記のメリットやデメリットを考慮して、それぞれのケースによって判断すべきですので、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
終身雇用制度や年功序列といった日本的な雇用環境が崩れ始め、大企業でも副業を認める会社が増えているなか、サラリーマンとして大家デビューを検討する人は今後も増えていく可能性があるでしょう。
不動産投資は大きな収入を確保できる可能性があるいっぽうで、失敗すれば負債を抱えてしまうリスクもあります。サラリーマン大家が知っておくべきポイントをしっかり押さえて、大家として不動産投資で成功を収める可能性を高めていきましょう。
かつて銀行や不動産会社に勤務し、資産運用に携わった経験を活かし、現在は主に金融や不動産関連の記事を執筆中。宅地建物取引主任、証券外務員一種、生命保険募集人、変額保険販売資格など保険関係の資格や、日商簿記1級など、多数の資格を保有し、専門的知識に基づいた記事の執筆とアドバイスを行う。