2021.02.10
不動産投資

【シェアハウス】失敗しないシェアハウスのはじめ方

近年、注目を集めている「シェアハウス」。シェアハウスへの入居希望者が増えているということは、大家さんもシェアハウス経営に注目すべき時代が来ているということです。シェアハウス経営を成功させるためのポイントについて、ご紹介しましょう。

シェアハウスとは?

シェアハウスとは「1つの家を、複数の人で共有する」という形態の住居です。

1人1人の個室部分と、リビング、キッチン、浴室などの共有部分で構成されており、複数の人が共同生活のルールを守って生活を営みます。

シェアハウスに限りませんが、アパートやマンションなど従来の賃貸物件とは違う形態の物件は、これまでの賃貸物件では満足できない、ニーズに合わないとして入居をあきらめていた人の需要にも応えることができます。たとえば、「1軒の家を、まるごと1人(1世帯)で借りるだけの経済力はないけれど、2、3人で家賃を出しあえば借りることができる」「コミュニケーション能力を高めたい」「知らない人たちとの交流で世界観を広げる」という人のニーズに、シェアハウスなら応えることができるのです。

また、大家さんにとっては「これまでなかなか、借り手がつかなかった物件をシェアハウスとして賃貸に出すことで、借り手がつく」ということで可能性が広がります。

ただし、従来の賃貸物件を借りられなかった人には、それなりの事情があることも考えられます。上記の例では「十分な経済力がない人は、経済力に見合った物件を探すべきである」という考え方もできます。何らかの「借りられない」事情がある人も受け入れることで、家賃の滞納、支払い能力が不十分なための退去、他の住民とのトラブルなどのリスクも考えられます。リスクへの対策を講じた上で、シェアハウスを経営することが成功の秘訣です。

ルームシェアとの違い

「ルーム(部屋)をシェアする」という意味のルームシェアでは、大家さんと入居者の間で「部屋を貸します・借ります」という契約を結ぶことになります。契約内容、家賃等の支払いなども、あくまで「大家さんと入居希望者」の間で交渉を進めていくのです。ルームシェアする予定の全員が大家さんと契約をする形態や、誰か1人が代表して大家さんとの賃貸契約を結び、その人が他の入居希望者にまた貸しをする形態などがあります。

一方、シェアハウスは、ハウス全体を管理運営する人や企業(以下「運営管理者」)が存在します。ルームシェアをする場合は、入居者同士の信頼関係により生活が行われていきますが、シェアハウスでは運営管理者がルールを定め、トラブルの発生時等には当事者の間に立って対処しなければなりません。

ルームシェアは家賃の節約目的などはあっても、営利目的で行われることは多くありません。シェアハウスの運営管理者は営利事業としてハウスを運営しています。家賃の滞納や、他の住人とのトラブルがあっても、友人同士のルームシェアなら「次から気をつけて」で済ませる場合もあります。しかし、運営管理者が介入するシェアハウスでは、家賃の滞納や他の住人とのトラブルを理由に、退去を求めるケースも出てくるでしょう。

空室をシェアハウスに

借り手がつかない賃貸物件やマンションなどをシェアハウスとして運営することで、入居希望者が現れるかもしれません。特に「広さ」があるために、1人で借りるには家賃がかかりすぎると敬遠されていた物件は、シェアハウスとしての運営を検討する価値があります。

(1)運営開始前に法規制の確認を
シェアハウスは、その床面積や間取り、屋外通路などについて法的な規制が設けられています。もしも戸建ての空き物件をシェアハウスとして運営したい場合は、シェアハウスとしての基準を満たすかどうか、専門家への相談が必要になります。
またマンションの空室を、シェアハウスとして貸し出したい場合には、その物件全体がシェアハウスとしての利用を認めているかどうかの確認が必要です。

(2)ネットを活用しての入居者募集も有効
シェアハウスの供給が増えると、入居希望者にとって選択肢が広がり、同時に大家さんにとってはライバルが増えることになります。どのようなシェアハウスを運営するか、そのコンセプトの明確化と、それをきちんと入居希望者に伝えることができる広告宣伝活動を行いましょう。

シェアハウスの入居者は、年齢が若い傾向があり、SNSやブログなどを活用している人も多いです。不動産会社に任せきりの広告宣伝だけではなく、SNSやブログなどを活用して、シェアハウスの雰囲気を伝えていくことも有効です。

(3)設備の高級化や専門化などで他物件との差別化を
シェアハウスの最大の魅力が「低い安い家賃で暮らせること」だった時代は、もう終わっています。家賃だけを見ると、ワンルームマンションと変わらない水準に達しつつあるとも言われる現代、シェアハウスを選択肢に入れてもらうには「そこでしかできない暮らし」をアピールする必要性が高まっています。

たとえば、共有設備としてジムスペースや防音室などを設け、スポーツ好きの人や音楽家などが遠慮なく暮らせる物件とする、などの方法も検討してくことが重要です。

(4)空室率を下げるための工夫が大切
シェアハウス運営を成功させるためには、できるだけ空室を出さない経営を行うことが大切。入居希望者が集まりやすく、いったん入居した人には長く住み続けてもらえる物件を育てていきましょう。

従来の賃貸物件を選ぶのではなく、シェアハウスで暮らしたいと望む人は、そこに住む人との交流を求めています。大家さんとしては、住民の交流機会を増やすことを心がけ、その様子をブログなどでPRしていくこともよい方法です。

(5)共有設備の点検や清掃も大家さんの役割
多くのシェアハウスは、電子レンジや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品まで含めて共有設備という扱いであり、その修理や買換えは居住者ではなく大家さん側の役割です。点検や整備をきちんと行い、住民が快適に過ごせるようにすれば、退去する人が少なく、空室率を抑えることができます。

(6)住民同士のトラブルが退去につながりやすいと肝に銘じて
他の賃貸物件に比べて、住民同士が近くで生活している分、いったんトラブルが起こると退去につながりやすいのがシェアハウスです。家電製品などがそろった物件へ入居してくる人は退去する場合にも荷物をすぐまとめることができるので、退去へのハードルが低いと考えられます。

入居者には、共有スペースでのルールを守るとともに、個別スペースも含めて騒音や異臭などに気をつけるといったマナーも徹底してもらいましょう。入居者以外の人(友人や親など)を迎え入れる際のルールや、部外者がいる場合の共有設備の利用方法なども細かくルール化しておきましょう。

入居審査の際にも、共同生活のマナーを守ることができる人かどうかを必ず審査する慎重さが必要です。

まとめ

これまでの賃貸物件では満足できない人、他の人との交流を望む人のニーズにも対応できるシェアハウス。なかなか借り手がつかなかった物件をシェアハウスとして運営することは、空室対策としても有効です。ただし、シェアハウス特有の法的規制を確認してから運営を始めることにしましょう。住人同士の距離が近いシェアハウスは、対人関係のトラブルがいったん起こると、退去にもつながります。トラブルを起こさず円滑に運営するための工夫も行いましょう。

小林 弘司(不動産コンサルタント)
▼プロフィール
不動産投資家。楽待の「8人の成功者による不動産投資ノウハウ完全版 8つのステップ 2014」の講師に約2万人の投資家の中から選出される。
ゼロから不動産ビジネスを始め、現在、東京都内に7棟(新築2棟、中古5棟)のビル・アパート・マンションとコインパーキング・月極駐車場を複数経営、自主管理している。稼働率は、ほぼ満室の98%。
東京生まれ、東京育ち。大卒後、海外取引メインの商社、外資系マーケティング会社などを経て、2011年サラリーマンを卒業、独立。

▼保有資格
MBA(経営管理修士)、中小企業診断士、1級販売士、GCS認定コーチ、英検準1級

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