2020.1.4
不動産投資

融資期間はどう決まる? 「長ければ長いほどいい」とは限らない

(画像=William Potter/Shutterstock.com)
(画像=William Potter/Shutterstock.com)
投資用の収益物件を購入する際に融資期間が長ければ、毎月の返済負担が少なくなるのは当然です。しかし、その反面、リスクも増えることをご存知でしょうか。融資期間が賃貸経営に及ぼす影響や、適切な融資期間について考えてみましょう。

目次:

融資期間と返済額の関係

不動産投資に欠かせない資金調達の手段である銀行融資。融資を受ける際の条件には、金額、期間、金利などがあり、これらの条件によって毎月の返済額が変わってきます。同じ金額、同じ金利なら、融資期間が長ければ長いほど毎月の返済額は少なくなりますが、一方で総返済額は増えます。

たとえば、融資金額が1億円、金利が2%だとしたら、融資期間によって毎月返済額・総返済額は以下のように変化します。

《1億円、金利2%の時の融資期間による返済額の違い(元利均等返済)》
融資期間 毎月返済額 総返済額
30年 369,619円 133,062,840円
20年 505,883円 121,411,920円
10年 920,134円 110,416,080円

融資期間が長ければキャッシュフローは向上するが……

上記のケースでは、10年で借りると、毎月の返済額は約92万円にもなります。この融資条件でキャッシュフローをプラスにするには、かなりの高利回り物件を取得し、高い入居率を維持していく必要があります。

一方、同じ金額と金利でも融資期間が30年なら、毎月の返済額は約37万円に抑えられます。利回りの低い物件であってもある程度はキャッシュフローが残る水準です。その状態で運営を続けて、キャッシュが貯まったタイミングで、一部繰り上げ返済をするという選択もできます。不動産投資においては、できるだけ長い融資期間で借りた方が、経営的に安定することは事実です。

ただし、融資期間が長いと、返済総額が大きくなってしまうというデメリットもあります。上記のケースで期間10年と30年の総返済額を比べると、30年の方が約2,264万円も多くなります。また、融資期間が長ければ、金利上昇や人口減少など、さまざまなリスクを受けやすくなります。

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融資期間を決めるロジックは、金融機関によって異なる

そもそも融資期間はどのようにして決まるのでしょうか。融資申し込みの際に希望を示すこともできますが、基本は金融機関側が決定するケースが多いでしょう。

具体的に何年にするか、判断基準は金融機関によってさまざまです。多いのは、物件の構造別に最長の融資期間が決まっており、そこから築年数を差し引いて実際の期間を求めるといったケースです。たとえば「木造なら25年」という既定があり、築4年の木造アパートへの融資なら、融資期間は25-4=21年になる、といった具合です。

なかには、法定耐用年数の残り期間をそのまま融資期間にしたり、築年数にかかわらず構造別に一定の融資期間を設定していたりと、いろいろなケースがあります。

なお、融資において気にすべきは期間だけではありません。前述の通り、借入金額と金利によっても毎月の返済額は大きく変わるからです。融資を検討する際は、各金融機関の最新の融資条件について、金融機関や不動産会社の担当者に確認しておくとよいでしょう。金融機関によっては、融資条件の細かな内容を教えてくれるところもあります。

融資期間は投資方針やステージによって決める

では、不動産投資をする場合、融資期間はどれくらいが適切といえるのでしょうか? 

たとえば、投資の初期段階において、これから次々と物件を買い増していきたいのであれば、できるだけ長い融資期間で貸してくれる金融機関から借りて、より多くのキャッシュフローを得られるようにしておく方がいいでしょう。そのようにして貯まった現金を、次の借り入れの原資にするといった戦略がとれるからです。

反対に、すでにある程度の物件を持っており、キャッシュフローも得られる状態にあるのなら、あえて融資期間を短く設定して早めの返済を狙う、という考え方もあるでしょう。つまり、融資を考える時には、いま自分がどのステージにいて、今後どのように投資を進めていきたいか、現状や方針を明確にすることが大事なのです。

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