2021.02.12
税金

固定資産税をクレジットカードで支払う。そのメリットとデメリットとは

「国税や地方税は銀行に行って支払うもの」と思い込んでいませんか。いまはクレジットカードで税金を支払うことができます。コロナウイルスによって外出自粛が求められているなか、これを使わない手はありません。わざわざ銀行に行く手間が省けるからです。

不動産オーナーが支払うべき固定資産税は、多額になることが多いです。ここでは、実際にどのようにして支払うか、またクレジットカード払いのメリット・デメリットを見ていきましょう。

クレジットカードで支払える税金とは

税金には、国税と地方税があります。国税は国、地方税は地方自治体が徴収する税金です。国税も地方税も、クレジットカードで支払うことができます。

▽クレジットカード払いができる国税一覧

申告所得税及復興特別所得税 消費税及地方消費税 法人税
法人税(連結納税 地方法人税 地方法人税(連結納税)
相続税 贈与税 源泉所得税及復興特別所得税(告知分)
源泉所得税(告知分) 申告所得税 復興特別法人税
復興特別法人税(連結納税) 消費税 酒税
たばこ税 たばこ税及たばこ特別税 石油税
石油石炭税 電源開発促進税 揮発油税及地方道路税
揮発油税及地方揮発油税 石油ガス税 航空機燃料税
登録免許税(告知分) 自動車重量税(告知分) 印紙税
国際観光旅客税 国際観光旅客税(告知分)

(出典:国税クレジットカードお支払サイト)

使えるカードは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubなどですから、ほとんどすべてのクレジットカードで税金を支払うことができると言っていいでしょう。

【参考】国税クレジットカードお支払サイト

▽クレジットカード払いができる地方税一覧

自動車税種別割、自動車税
固定資産税・都市計画税(23区内のみ)※
固定資産税(償却資産)(23区内のみ)※
個人事業税※
不動産取得税
その他(法人都民税・法人事業税等)

※口座振替登録している場合を除く

(出典:都税クレジットサイトお支払いサイト)

【参考】地方税お支払サイト

多くの地方自治体では、地方税をクレジットカードで支払うことができます。しかし、すべての自治体がクレジットカード払いに対応しているわけではありません。

ご自身の会社やお住まいの地方自治体が、クレジットカード払いに対応しているかどうかを確認してみましょう。

税金をクレジットカードで支払うメリット・デメリット

税金をクレジットカードで支払う場合には、メリットとデメリットがあります。それぞれを以下にまとめました。

クレジットカードを使うメリット

・メリット1:クレジットカードで税金を払うと、ポイントが付与される
特に金額が多い場合、付与されるポイントは決して侮れません。デメリット2にも書きましたが、クレジットカード決済には0.836%の手数料がかかります。したがって、これを上回るポイント還元率であれば、クレジットカード払いのほうがお得なのです。

・メリット2:支払いは24時間いつでも可能
ネットショッピングと同様に、インターネットに接続している環境であれば、自宅からでも税金を支払うことができます。納付日の夜に「しまった、納付し忘れた」と気づいても、その日のうちに支払い手続きが完了すれば、延滞税はかかりません。

・メリット3:各種支払いをカードで一括管理できる
コーポレートカードを作成し、これをマネーフォワードやfreeeなどの会計ソフトと連動しておくと、自動的に仕訳がなされます。わざわざ仕訳をする手間がかからないので、とても便利です。

・メリット4:現金の引き落しのタイミングが後ろにずれる
実際にキャッシュが引き落とされるのはクレジットカード利用代金の引落日なので、銀行で現金を納付する場合よりもキャッシュフローが良くなります。「入金は早く、支払いは遅く」という商売の原則に沿っており、理にかなっています。

・メリット5:現金を持ち歩く必要がない
クレジットカードがあれば自宅でも税金を支払うことができるので、現金は不要です。

クレジットカードを使うデメリット

・デメリット1:国税、地方税とも領収書が発行されない
車検の証明書などで使う場合は、金融機関やコンビニエンスストアなどの窓口での押印が支払いの証明になります。ただし納税証明書は、一定期間経過後に発行されます。

・デメリット2:手数料がかかる
クレジット会社によって支払手数料が変わることはありませんが、クレジットカードで税金を支払うたびに手数料がかかります。手数料は、支払金額によって変わります。手数料は上記の国税、地方税のサイトで計算できます。

たとえば100万円の国税を支払うと(税金の種類は問わない)、8,360円の手数料がかかります。これを率に換算すると、0.836%(消費税込み)です。

・デメリット3:支払いに限度額があることがある
都税の場合、支払いできる金額は100万円未満です。

・デメリット4:自動引き落としはなく、毎回支払手続きをする必要あり
口座振替なら手数料は無料です。また一度登録すれば、その後は自動で引き落とされます

クレジットカードを使った税金の支払いはますます普及する

今回の新型コロナウイルスの蔓延は、いままでの社会のあり方や、システムの不具合などをあぶり出しました。

このコロナウイルス騒動によって、銀行や役所の窓口に行って支払う手間がさらに面倒に感じるようになるでしょう。自宅や事務所でも納税ができる税金のクレジットカード払いには、さまざまなメリットを感じます。とくに固定資産税は大きな額になりがちですので、とくにポイントの付与は大きな額を支払う不動産オーナーには大きなメリットとなりそうです。

今後もクレジットカードでの支払いをはじめとした、税のキャッシュレスでの支払いの普及は加速することが予想されます。しかし、マイナンバーカード・マイナポータルとの連携や、申告から支払いまでの一気通貫システムの構築など、デジタル社会に向けて解決しなければならない課題がたくさんあります。

ユーザー目線に立ったシステム改良がなされることが、スムーズな納税につながります。国を挙げて、システム改良に努めてもらいたいものです。

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