2021.02.12
税金

コロナ禍で家賃が激減……。固定資産税を抑える2つの救済策とは

コロナ禍で家賃収入が減った不動産オーナーにとって悩みとなるのが固定費です。特に固定資産税は市区町村が一方的に計算し、賦課徴収するため、交渉の余地がなさそうに見えます。お金の負担を減らす解決策はないのでしょうか。

コロナ禍で家賃激減したオーナーの悩みは「固定資産税」

新型コロナウイルスは不動産オーナーにも痛手となりました。4月以降、自粛により売上が激減し、大きな固定費の1つである家賃を減らす交渉をせざるを得ない事業者が出てきてしまいました。これにより、家賃の減額交渉に応じたり、解約を受け入れたりした不動産オーナーは、家賃収入が減った中で、重い固定費に頭を抱えるようになりました。その代表格が固定資産税です。

国はこのような状況を重く受け止め、地方税法の一部を改正し、不動産オーナーを含めた事業主における固定資産税の負担が軽くなるようにしました。家賃収入の減少した不動産オーナーへの救済策ともいうべき国の施策を見てみましょう。

救済策1:2020年度分の固定資産税の徴収の猶予

2020年度分の固定資産税は、次の要件を満たせば、納付を最長で1年間先延ばしにすることができます。通常、納税を先延ばしにすると、担保を徴収されたり延滞税がかかったりしますが、このコロナ対策としての徴収の猶予は無担保で延滞税はかかりません。

▽固定資産税徴収猶予の条件

  • 2020年2月以降の任意の1か月以上の期間での売上が、前年同時期に比べておおよそ20%以上減少していること
  • 最低半年間の資金繰りを考えると、一括で納税するのが難しいこと

この徴収の猶予は事前手続きが必要です。地方税の徴収の猶予の申請書に必要事項を記載し、次に掲げる日までに不動産の所在する市区町村に提出しなくてはなりません。

▽固定資産税徴収猶予の手続き期限

  • 2020年6月30日までに納期限が到来する固定資産税:2020年6月30日まで
  • 2020年7月1日から2021年1月31日までの間に納期限が到来する固定資産税:納付書に書かれている納期限まで

なお、提出する申請書には、売上台帳や預金通帳のコピー、2019年分の確定申告書など、売上が減少したことを証明する書類を添付します。また、2021年2月1日以降の納期限が到来する固定資産税についても納付を先延ばしするには、あらためて申請が必要です。

救済策2:2021年度分の固定資産税の減免

不動産オーナーが以下の要件を満たせば、2021年度分の固定資産税の納付額を半分か全額減らすことができます。

▽2021年度分の固定資産税納付額減免の条件

  • 2020年2月から10月までの任意の3か月間の売上が、前年同時期に比べて30%以上減少していること
  • 中小事業者等に該当する法人か個人

この中小事業者等とは、資本金・出資金が1億円以下の法人か資本金・出資金がなく従業員数が1,000人以下の法人、あるいは従業員数が1,000人以下の個人のことです。たいていの不動産オーナーは該当します。

なお、半分減額か全額免除かは売上の減少割合によって次のように決まります。

▽固定資産税納付額減免割合の条件

  • 売上の減少割合が前年同時期比で30%以上50%未満:半分減額
  • 売上の減少割合が前年同時期比で50%以上:全額免除

減免を受けるには2021年2月1日までに不動産の所在する市区町村に申告しなくてはなりません。後述しますが、この減免の申告は不動産オーナー単独では行えず、認定経営革新等支援機関に登録する専門家のサポートが必要です。

救済策を活用するための注意点

これらの固定資産税の救済策を活用すれば資金繰りは楽になるかと思われます。ただ、注意したいことが2つあります。

注意1:納税の猶予は先延ばしにすぎない

納税の猶予はあくまでも納付を先延ばしにするに過ぎず、税金そのものがなくなるわけではありません。家賃の収入状況を改善する努力をしなければ、翌年度以降、2020年分と2021年分の2つの固定資産税の負担で、より資金繰りが悪化するおそれがあります。

注意2:減免対策には認定支援機関の確認書が必要

2021年分の固定資産税の減免には認定経営革新等支援機関(以下「認定支援機関」)の証明書を提出することが求められます。認定支援機関とは「中小企業の支援者として一定レベル以上の技能を有する」と国から認定された機関をいい、金融機関や司法書士・税理士などの士業が担っています。認定支援機関の協力を得て固定資産税を減免しないといけない状況を証明できないと、適用が受けられないのです。

【参考】中所企業庁 認定経営革新等支援機関

資金繰りに厳しいときは、他の納税猶予や支援制度も検討しよう

これらの救済策を講じてもなお資金繰りが厳しいのならば、他の税金についても納税の猶予を行う他、「コロナ融資を受ける」「給付金や補助金の申請をする」といった他の制度の活用も検討しましょう。

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